日下部保雄の悠悠閑閑

竹岡圭の挑戦

できたてのホヤホヤ、ピンクのトライトンはド迫力でした。ラリーカムイにはオープンクラス、XCRクラスを含めて80台近くのラリー車が集まる。クルーもピンクの竹岡圭/山田政樹組。落ちないように頑張れ!

 全日本ラリーも早くも後半戦になり、場所を北海道に移して本格的なグラベルラリーが2戦続く。7月の第6戦ラリーカムイと第7戦のラリー北海道だ。KAYABA RALLY TEAMにとっては初のグラベルだ。スリリングな高速グラベルをいかに克服するか楽しみだ。

 で、今回は全日本戦のJN1、GRヤリスではなく、この2つのラリーに併催されているXCRスプリントカップの紹介。オフロード4WDによるラリーで、パリダカのようなバギーやプロトタイプは含まれないが、ハイラックスやトライトンなどの頑丈なクロカン車が主力になる。

 例年参加台数は少ないながら継続されてきたが2024年は一気に増えて11台の出走がある。ハイラックスが3台、ジムニーが3台、ランクル、ライズ、CX-5、エクリプス クロスPHEV、トライトンが1台ずつでバラエティに富んでいる。

 そのトライトンには竹岡圭ちゃんが乗る。三菱自動車はWRCやクロカンラリーで多くの実績を残しており、トライトンも頑丈で乗りやすく、クロカンラリーに適している。最近、三菱自動車が取り組んでいるアジアクロスカントリーラリーでは2023年に続き2024年も規模を拡大して参加し、かつてのパジェロ時代を彷彿とさせる勢いだ。

 もっともラリー・カムイはクロカンの悪路走破力よりもハイスピードでの安定性やコントロール性が試される場になる。

 しかも圭ちゃんのトライトンは車両の引き取りは6月に入ってから。そこからロールケージの制作から始まり、TEINのサスペンションを組み付けてやっと間に合ったのは7月1日の発表会直前。まさにぶっつけ本番のほぼノーマルでのスタートだ。ご存知のように最近の車両は電子制御系が入り組んでおり、競技に合わせるのは苦労すると聞く。

 ま、これらの難関も「記録よりも記憶」と豪語するいつもの「突破力」で切り抜けるに違いない。TOYO TIREを筆頭に多くの企業が応援してくれるのもこの「記憶」に感じてのことだと思う。まずはコースから外れないよう頑張れ!

 一方、ボチボチ進めているノート オーラ4WDの「自分最適化計画」ではショックアブソーバーに手を入れ始めた。オリジナルのよさはそのまま生かしてKYBが長年かけて開発してきた作動油を使い、減衰力は変えずにどうすれば何が変わるかを試している。なかなか興味深い結果だったがいずれまとまったら紹介することもできそうだ。

 タイヤもショックアブソーバーも奥が深いのです。

遊んでほしいのにかまってもらえず、半分ふてているムクさんです
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。