日下部保雄の悠悠閑閑

天高く、クルマ走る秋

カヤバラリーチームの夜間のサービス

 この秋はモータースポーツにどっぷり浸かる季節になりそうだ。毎年9月に筑波サーキットで行なわれていたメディア対抗ロードスター4時間耐久レースが10月のマツダファンフェスタに組み込まれたことで、舞台となるサーキットが富士スピードウェイに移動した。長年親しんだ筑波サーキットから離れるのは寂しいが、新しいチャレンジはちょっとワクワクする。誰もがデータがない中でのゼロスタートの燃費レースが始まる。3時間ワンタンクでの耐久レース。どうなることやら。

 メディア対抗の翌日はマツ耐。こちらはナイトスポーツからやはりNDロードスターでの参加となり、レースは2時間半とメディアより30分短い。それだけ燃料を使えるので結構速いペースになるかもしれないが確証は全くない。

 ラリーの方はと言えば、ラリー・ジャパンに向けてやらなければいけないことは山積。最も大きな課題は自分自身。JAFの地区戦、8月の京丹後ラリーは最新ラリーの勉強をさせてもらったが、ラリー・ジャパンはその10倍以上の距離をタップリ3日間かけて走る。レッキを入れると1週間の長丁場。われわれが参加予定なのは国内仕様にFIA基準の安全装備を施したヤリスCVTで、WRCの舞台を貸してもらっての参加になる。目標は完走とはいうものの、そのためにできるだけ走りやすいクルマにしたいし、そもそも体力が続くのかも未知数だ。

ペースノート作り。レッキ中のハンドル。こちらは丹後半島ラリーの本番車で行なったレッキで。全日本では本番車は使えなかったと思う

 本番が最もよいテストと練習の場なのは間違いないと、ラリーに参加することになった。今度は全日本選手権の最終戦、飛騨高山のラリーハイランドだ。いろいろお世話になった平林武さんが主催していた歴史あるM.C.S.C.ラリーハイランドの系譜を引く。クラスはオープンクラスなので出走順としては最後になるはず。言ってみれば全日本の場を借りて同じコースを走れるクラスだ。

 車両のメニューはサスペンションとタイヤの組み合わせやタイヤ摩耗などの目安をつけられれば御の字である。そして課題のペースノートももう少し耳に慣れるようにしなければクルーを組むコ・ドライバーに申し訳ない。

 と、いかにも計画的に動いているように見えるが、実際は目の前のことでバタバタしているだけ。

 ヒョンデのインスターに試乗させてもらったのはわずか1週間前なのに、エンジニアのチョンさんと話が弾んだのはずいぶん前のような気がする。

 時間の流れが速すぎる。大丈夫か? 自分。

ヒョンデ・インスター。静粛性と乗り心地はAセグメントとして望外だった。軽くて航続距離もこのクラスとして十分。価格的にもBEVが身近に感じる
羽田を離陸したばかりのANA機。果たして飛び立てるのか、オレ
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。