日下部保雄の悠悠閑閑
ロードスター三昧とPEC
2025年10月13日 00:00
メディア耐久(メデ耐と言われている)は初めての富士スピードウェイ開催、しかもウェットの中で一度もセーフティカーが出ることもなく決勝は無事終了した。我がチームは、ファーストドライバーの小林編集長が特訓の成果を活かしてバトンを自分につないでくれたが、リズムに乗れないまま不甲斐ない結果でパートを終えた。注目は後を継いだ瀬川彰斗さん。実車での初のウェットレースにもかかわらず、速くて燃費の良い走りはビックリ! レースは12位で結果的に自分が足を引っ張ってしまった格好でナサケナイ。
翌日はマツダファン・エンデュランス(マツ耐)の2時間半レース。こちらはナイトスポーツからエントリーで中村社長とメカニックのセン君、永井歩夢さんと自分。今年の活動の集大成。こちらはウェットからドライになり気持ちよく走れた。予選を担当した永井さんがクラス5番手のタイムを出して決勝をスタート。セン君も中村さんも初めての富士で難しい燃費走行をこなして最後は自分の番。アレ、燃料がバク余り。燃費計算では燃料がなくなっているはず?? おかげで気持ちよくエンジンを回し、後半は同じく燃料が余ったNDと大人のバトルができました。結果は完走だけだったけど、チームに一体感が出たのが嬉しい。こちらは来年のプログラムもスタートしたところ。2日間の濃密なNDとのレース生活だった。
さて、同じ走りの場所でもポルシェ・エクスペリエンス・センター(PEC)はちょっと趣が違う。ミニミニ・ニュルブルクリンクのような1周約2km強のコースをメインに、スリッパリーハンドリング路、スキッドパッド、スラローム路、スライド路面などが整えられており、PECが用意する最新のポルシェでドライブできる。インストラクターが同乗してくれるので安全に走れる。
スライド路面はリアタイヤがスライド板に乗った時に板が横にずれる。反射神経を試されるコースで、一発目は見事にスピン。初速が40km/hを超えると修正舵が遅れそうになる。スライドコースだけでなくどのコースもよくできている。
ここで乗ったのは911 カレラ GTS T-Hybrid。2輪駆動と4輪駆動のハンドルを握った。新しい3.6リッターフラット6に高電圧コンポーネントを搭載したハイブリッド。ターボは電動排気ターボでタイムラグがなく、PDKも電動モーターを使って隙間のない加速力を出す。バッテリはコンパクトな400Vのリチウムイオン。
構成要素はシンプルだが緻密な制御はいかにもポルシェらしい。長年にわたる911の技術にこれ以上何をするのかと思っていたが、ポルシェらしく内燃機関を残していこうとする執念に感動すら覚える。T-Hybridはまさに滑らかでパワフルだ。
伝統のRRも素晴らしいのはもちろん、コントロール性に優れ安定性の高い4輪駆動はよりイージーに911をドライブできる。
ホスピタリティはもちろんシミュレーターまで整ったPEC。最新のポルシェが堪能できる美しい場所だった。




