日下部保雄の悠悠閑閑

キャンピングカーショー

カヤバのデュカト。完成車をばらしてキャンピングカー用に補強を入れ直し、専用ショックアブソーバーを装備した本格的キャンピングカー

 幕張で開催されていたキャンピングカーショーの最終日に見物に行った。コロナ禍の巣ごもり需要でキャンプがブームとなった。我が家の子供たちも家族で連れだってよくキャンプに行っていた。日常から離れた自然の中で家族が協力しながら同じ時間を過ごすのは楽しい。

 記憶をたどっていくと、最初のキャンプは三菱自動車が開催していたスターキャンプ。テントの広げ方もよくわからず、スタッフに手伝ってもらってやっと寝床を確保したが、寝袋の下は薄い布で当然痛い。夜に何度も目が覚めた。夕食を作るのも精一杯だった。大変だったがまた行きたいと思わせる楽しさがキャンプにはあった。

 今は連れて行った子供たちが家族を持ち、はるかに進化して快適になったキャンプ用具でキャンプを楽しんでいる……。波のうねりのような重い時の流れを感じる。

 コロナ禍のキャンプに自分たちは行くことはなく、もっぱらネコさんたちのお世話をしていたがチャンスがあればまた行ってみたいと思う。

 キャンピングカーショーは幕張メッセの西ホールから東ホールまでいっぱいに使って各架装メーカーがオリジナルのキャンピングカーを展示する。カヤバも生産が軌道に乗りだした最新キャンピングカーを展示した。フィアット・デュカトをベースにした本格的なものだ。日本を代表する建築家、隈研吾氏がデザインした内装には素材にもこだわりがあり見事なものだ。

 ブリッド製の運転席・助手席は回転し、折り畳み式のテーブルでお茶ができる。リアのキャビンはキッチン、冷蔵庫も備え、収納スペースも整理よくルーフサイドやリアエンドに設けられている。

ブリッドのフロントシートは回転させて団らんの場にできる。
キャンプ仕様のリアエンド。収納棚を引き出した状態。調理器具を収納している

 ベンチシートのクッションはラリージャパンでお世話になったエムリットが製作したもので、軽くて座り心地がいい。クッションを組み合わせるとフラットになって睡眠もゆっくりできそうだ。

 パワートレーンはディーゼルターボの2.2リッター+9速ATのFF。販売価格は2145万円。高価だが、新車のデュカトをいったんバラバラにし、ボディを徹底的に補強して、キャンピングカーに合わせたサスペンションを製作するなど、手作りで素材にこだわっていることを考えると妥当なところなのだろう。

 キャンピングカーの隣には同じデュカトを使った釣り仕様が展示されていた。フィッシングショーでお披露目した釣り人のためのベース車両だ。こちらは簡易トイレも備え、移動しながら釣りに専念できる夢のフィッシャーマンズ・モビリティだ。

釣り用のデュカト。フィッシャーマンの夢。ドアを開けてターフを出し、くつろぎの場を設ける。室内には災害時に使う簡易トイレも備える

 キャンピングカーショーに展示されていたベース車両は圧倒的にハイエースが多く、同じワンボックスの日産のキャラバンもよく見かける。そしてデュカトも多くの架装メーカーでベースとなっていた。こちらは大容積のキャビンが魅力だ。

 幕張メッセを急ぎ足で見て回った。同じように見えるが創意工夫の詰まったキャンピングカーショーはニーズに合った仕様を探すことが可能だ。最終日の月曜日は空いていたがそのぶんじっくり見ることができるのでおすすめだ。

KIA・PV5。BEVの特性を活かし、電気を使ったアイデアが楽しみだ
PV5の車内はフラットで室内高が高く、自在にデザインできる。
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。