日下部保雄の悠悠閑閑
プラモデルの世界
2026年5月11日 00:00
ゴールデンウィークの真っただ中、吉祥寺で開催されていたプラモデルの展示会に伺った。
自分でプラモデルを作ったのは中学生まで。もっぱら第二次世界大戦中の戦闘機ばかりで自動車はほとんど作ったことはない。田宮模型が発売したホンダF1(RA273)を何とか購入したが、あまりの精巧さに加えて塗装技術が全くなく、以来プラモデルには手を出していない。眺めるのが専門だ。
数年前、青島文化教材社のコーナーに1984年の英国RACラリー出場車が出品されており、模型王国の静岡まで見に行った。美しくカラーリングされたADVANランサーターボは、当時は新橋にあった横浜ゴムの受付に飾られていた。コ・ドライバーでの参加で、都合8回通ったRACラリーはいろいろな体験ができ、WRCのスケールの大きさに感動した。
展示会はプラモデルの同人会、ZMC(ZEITAKU MEETING CLUB)が開催する「心のクルマ展」。例年、ゴールデンウィークに開催され、今年で4回目となる。小さなギャラリーだが展示されているプラモデルは半端な完成度ではない。市販のプラモデルをベースに自作したと言った方が正確だ。時代を超えて心に響くクルマばかりで、写真でしか見たことないクルマが詳細に再現されている。
KEGANI RACINGのB-ing号は1990年のINTER-TECのDiv.2で優勝したときのもの。製作してくれたのはいすゞのデザイン部の仙波徹也さん。仙波さんは他にカマロも展示しており、4バレルの巨大なキャブの下にある7リッターOHV V8エンジンやブレーキのマスターバックも丁寧に再現されている。淡いイエローは1960年代~1970年代にかけての時代感のある優しい色だ。
他の作者のモデルカーも見ていて飽きないモノばかり。タイミングがいいと作者から説明を受けることができる。想像を絶する作業をいとも簡単に言うのだけれど……つくづくプラモデルは奥が深い。
第4回日本GPにピート・ブロックが持ち込んだ日野サムライは世界一美しいと言われたレーシングカー。日野コンテッサの1.3リッターエンジンを搭載したマシンは今見てもユニークで魅力的だ。
マトラは1970年代のル・マンの覇者。自動車メーカーというよりもプロトタイプ・スポーツという新たなレギュレーションに特化した、マシンづくりが巧みなコンストラクターだが、経験豊富で資金力の大きなメーカーチームを圧倒できた時代でもあった。
また、手のひらサイズの精巧なフェラーリF40やトヨタ87Cも見応えがある。どれだけの根気と時間が注がれたのか驚くばかりだ。
説明していただいた皆さま、ありがとうございました。





