日下部保雄の悠悠閑閑

日産・リーフ

BEVのよさを知ると病みつきになる。クロスオーバーになったリーフは背が高く、独特のプロポーションを持つ

 マツ耐のもてぎへの往復では、リーフに付き合ってもらった。55kWhバッテリを搭載するB5のXグレードだ。航続距離はWLTCモードで469km。BEVの経験が長い日産は、バッテリ性能も電力マネジメントも進化しており、航続距離への不安感はそれほどなかった。

 先日のヒョンデ・IONIQ 5での福島の旅の経験もあり、充電インフラが整いつつある現在ではBEVのロングドライブへの抵抗感も薄れている。

 BEVの特性もよくわかっていなかった初代リーフでのこと。バッテリも大きくなかったこともあり、真夏の千葉で危うく電欠しそうになったのを思い出す。航続距離が残り一桁になったところで木更津の日産ディーラーに飛び込み、充電してもらった上に親切にお茶まで出してもらった。それまでのヒヤヒヤがホッとして一気に温かい気持ちになった。

 リーフはアリア系のプラットフォームを使い、ひとまわりコンパクトに仕立てたクロスオーバー。ボディサイズは4360×1810×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2690mmで、最小回転半径は5.3mと小回りがきく。デザインは少し背が高く、丸いボディはリーフ独特のプロポーションで、アリアとの近似性を感じる。

 リーフは伝統的にフロアが高く、着座姿勢も高い。ヘッドクリアランスは全高ほど高くないが、後席に175cmほどの男性が座っても十分余裕がある。

 運転席はダッシュボードが低く前方視界は開けている。サイズよりも大きく感じるのは山形に湾曲したダッシュボードの影響だろうか。

リーフはダッシュボードが低く、視界が広い。ダッシュボードの造形もあいまって、全幅が広く感じる

 乗り心地は初期のアリアで感じたリアの突き上げがかなり抑えられていたが、ゆったりとしたピッチングなど、一体感という点ではもう少し欲しいところだ。

 東京からモビリティリゾートもてぎまでは余裕で、充電は近くの道の駅で一度だけ行なった。道の駅は広い施設で、駐車場は満杯だったが1基のみのクイックチャージはポツンと空いていた。この地域ではまだBEVは少数派のようだ。

 充電は46%から79%に達したところで自動終了。その後はサーキットのパドックでエアコンをかけっぱなしにして休憩車として使うなど、かなりラフな使い方をした。それでも帰路の渋滞を抜け、東京の西のはずれまで20%を残して帰着した。

 借り出し時は98%だったので、返却までに約450kmを走行した。返却前に普通充電で60%まで回復して、横浜の日産に返却した。

 WLTC表示で687kmの航続距離を誇る78kWhバッテリ搭載のB7グレードなら、途中充電なしで往復できただろう。

 さて、急速充電ネットワーク最大手のe-Mobility Powerが4月から高速道路での充電料金を値上げしたことを日経新聞で知った。こんなにBEVが身近にあったのに知らなかったのは自分の怠慢だ。

 従来の時間課金に加えて従量課金制も導入された。メリットも大きいが、もともと複雑だった料金体系がさらにわかりにくくなった。場合によってはガソリンより割高になるケースも少なくないという。

 さて、今回乗ったリーフはオプションのパノラマルーフ付きのB5 Xで473万8800円。これにCEV補助金の129万円が適用される。東京都の場合はさらに60万円に加えて最大40万円の上乗せ補助があり、車両購入時の自己負担額は最大で約244万まで減らせる。ガソリンやHVに比べてBEVはかなりの恩恵を受けているのがわかる。

チャリーン家のニャンコ。大きくてシャープな顔立ちだが、とってもおとなしくてビックリ。きっとしつけがいいに違いない
それに比べてヤンチャ坊主のムクは……。昼寝姿はかわいいが、動物病院の先生からも警戒される
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。