日下部保雄の悠悠閑閑

マツ耐の2.0リッターNDロードスター

ナイトスポーツのメカニック。左はメカニック兼ドライバーのセン君。右はメカの村岡君。徐々にレースにも慣れてきたところで、これから手順を整理していく予定

 マツダファン・エンデュランス、通称「マツ耐」は参加者全員でレースを楽しむイベント。ナイトスポーツのマツ耐も2026年で2戦目を迎え、舞台は菅生から茂木へと移った。最大の変更点はエンジンが1.5リッターから2.0リッターになったことだ。NDロードスターではRFが2.0リッターエンジンを搭載しているが、簡単に言えばそのパワートレーンを移植した形である。

 パワートレーン系はほぼ共通だが、ナイトスポーツのNDは初期型のため、マッチングさせるにはやるべきことも多い。ただ、2.0リッター化によってトルクバンドが広がり、間違いなく速くなった。しかも心配していた重量配分もほとんど変わらず、これまでの経験をそのまま活かせる。

 気がかりなのは40Lの燃料タンクで2時間半を走り切れるかということだ。毎回、燃費データには頭を悩ませているだけに、初めての2.0リッター仕様でのレースには不安も残る。

RFに搭載されている2.0リッターエンジン。ナイトスポーツのダイナモでは単体だと200PS近く出ているそうな

 練習走行なしで挑む久々の茂木。日曜日の朝一番に受付と車検を済ませ、9時からの予選が終わると、14時45分のスタート進行までやることはない。その間サーキットを出て昼食を摂りに行った。

 予選は永井歩夢さんが担当。乾き始めた路面コンディションのなかで僅差の7番手まで順位を上げた。ナイトスポーツとしては最高のグリッドだ。

永井歩夢選手にはいつも協力してもらっている。モトクロスからのレース経験は長くて、4輪も速く、何よりフィードバックが的確なのがありがたい
まだ路面はウェットで乾ききっていない状態で、予選に向かう永井選手。見送る中村社長はドライビングに熱心で、1人でスポーツ走行に行ったりしているようだ。1人で行くのはやめてほしいんだけど……

 決勝では永井さんがトップ集団に混じり、一時は3位まで浮上したところでハーフスピンでアクシデントとなってしまった。サスペンションセットが彼女のドライビングに合っていない状態で走ってもらっていたので、申し訳ないことをした。それに、接触してしまった相手にも迷惑をかけた。これもナイトスポーツとして初めての経験である。

 ドライバー交代まで6番手をキープしてもらいピットイン。すると、あの頑丈なADVANホイールが曲がっているではないか!ラリーでもあまり見たことがないほどだったが、エア漏れを起こさなかったのは不幸中の幸いだった。

軽くて頑丈なADVAN Racing TC4ホイールが曲がってしまった。ラリーでもなかなか見ることはない。装着していたA052は問題なかったのが幸い。次も使えそうです

 許可を得て左フロントタイヤを交換し、フェンダーをガムテープで固定。最近めきめきと腕を上げているセン君へ交代した。この時点で順位はすでに二桁まで後退しており、回復は難しい。セン君はそれでも危なげない走りで中村さんへとバトンをつなぐ。

 少しずつサーキットに慣れてきた中村さん。タイムを上げていたところで突然、エンジンが吹けなくなるトラブルが発生。ピンチ! 一度ピットインしてリセットすると症状は収まった。このトラブルはアンカーを務めた自分のスティントでも再発したが、どうやら燃料系に原因があり、次回までに対策はできそうだ。

 心配していた燃料はというと、アンカーの自分が乗って驚愕したのは燃料計の表示ではまだ半分近く残っていたことだ!! ならばとペースを上げたところで、前述のトラブルに加え、持病ともいえるシフトが入りにくくなる症状もあり、再びピットインとなった。

 悪い流れに入るとなかなか抜け出せないものだ。残念だが完走してデータを収集できただけ収穫だった。

 速くなった分だけブレーキ容量が不足していることも分かったし、サスペンションもまだまだセットアップの余地がある。つまり、これからさらに面白くなりそうだ。

 次戦は真夏の筑波。NDは何とかなりそうだが、人間のほうが耐えられるか心配である。

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。