日下部保雄の悠悠閑閑

2回目のキャンピングカーショー

KYBのキャンピングカー「VILLATOR」の室内。フロントシートを回転してリビングルームにした状態。BRIDEシートをベースとしてVILLATOR専用の快適シートになっている

 東京ビッグサイトで恒例のキャンピングカーショーをのぞいてみた。普段は大きなクルマにはあまり近づかないようにしているが、リビングがそのまま移動するキャンピングカーにはやはり夢がある。子どものころは憧れた存在だ。

 軽バンからコースター、メルセデス・ベンツまで、サイズも価格もさまざま。王道のハイエースはもちろん、各出展社が趣向を凝らしたキャンピングカーを展示している。

スペース効率の高いフリードをキャンパーにした一例。駐車場スペースが限られているオートキャンプ派には良いアイテムかも

 とはいえ、限られた空間をいかに有効活用するか知恵を絞ると、どうしてもレイアウトは似通ってくる。だからこそさらに一工夫が必要になる。キッチンの配置を変えたり、シャワーやトイレを設けたりと、どれも基本は似ているものの、違いを感じさせるキャンピングカーに仕上がっていた。

 キャンピングカーショーの来場者は実際に購入を検討している人も多く、商談コーナーを設けるブースも少なくない。

 軽キャンパーは専門店もあり、大型車が目立つ会場でも健闘している。フラットな荷室に大人2人が横になれる空間をひねり出すなど、軽ならではの面白いアイデアが詰め込まれており、引き合いも多い。

軽のキャンパーも人気がある。かかる手間は同じなので値段は軽じゃないが、手堅い需要があるようだ

 FIAT・デュカトのような少し大きいクラスになると、ルーフがポップアップして屋根裏部屋が現れるオートフリートップ(ボンゴ・フレンディを思い出す人は同世代です)を備えたモデルもある。これなら4人でも快適にオートキャンプが楽しめそうだ。

デュカトのポップアップルーフ仕様。オートフリートップはマツダのボンゴ・フレンディでつけられたネーミングだと思う。憧れましたね
ベッドルームを屋根裏部屋にしたので、リアエンドはリビングに特化して製作されていた

 ところで、クルマ業界でKYBはショックアブソーバーメーカーとして知られているが、一般にはミキサー車を思い浮かべる人も多い。実際、KYBはミキサー車で高いシェアを持ち、架装技術にも定評がある。

 その架装技術を生かし、メルセデス・ベンツをベースにしたキャンピングカーのハイマーでサスペンションの試験を重ね、現在はFIAT・デュカトをベースにしたキャンピングカー「VILLATOR」を手作りで生産・販売している。

 新車のデュカトは一度分解され、ボディ補強によって剛性を高める。ショックアブソーバーは本業だけに専用品を開発。BRIDE製ベースのオリジナルフロントシートを採用するなど、移動する楽しさをおろそかにしないのもVILLATORの特徴である。

 現在はトイレとリビング兼寝室を備えた仕様となっているが、プロトタイプは釣りに特化したモデルだった。これからもユニークな視点によるオーダーメイド仕様が登場すれば面白い。

 キャンピングカーの価格は、会場で見た範囲では軽キャンパーで500万円前後から、デュカトベースで1200万円前後、VILLATORは約2200万円。さらに大型になるとメルセデスの4WDベースが主流となり、もはや「どこでも行ける応接室」といった趣である。価格も当然高額になるがもはや驚かない。

トイレ専門店。アウトドアに必要なものがあった!
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。