日下部保雄の悠悠閑閑

運転免許更新

東京タワーと中秋の名月。素晴らしい東京の夜景を楽しむことができました。東京タワーの上にこぢんまりと輝く月が素敵だった

 久しぶりに鮫洲に行ってきた。違反したわけではない。後期高齢者(区分とは言え、心地よい言葉ではないです)が受けなければならない認知検査のためである。

 検査の方法は、タブレットに8枚ずつ2回、計16枚の絵が2分間ずつ表示され、それを覚える。次に数字の羅列の中から指定された数字をチェックする。これは20秒ぐらいずつ2回だったかな。

 ここからが本番、覚えていた絵を全て書き出すという作業が始まる。枠だけしかないタブレットを見ると唖然とする。何も思い浮かばない。画面も真っ白なら頭の中も真っ白。

 先輩から意外と難しいよ、と言われていたので参考書をパラパラと見ていたが、実際にやってみるとタ・イ・ヘ・ン!

 記憶をたどっても出てこない。焦る! 脳みそをかき回して、間違ってもいいからと埋めていくと、突然試験官にポンポンと肩をたたかれた。ヘッドホンを外すと「後方の出口から出ていくように」との指示。「ナンカ、ヤラカシタカ……?」と思って廊下の椅子に座ったが、なんと合格点に達したからの追い出しであった。どっと疲れが出て、帰りはタクシーで帰ってきた。

 更新までの道のりは長い。10月に自動車学校で実技実習が行なわれる。それに合格して初めて免許更新の資格が取れる。お金も時間もかかるのが後期高齢者の免許更新です。

 昨今ニュースになっている高齢者免許の厳格化で新しい基準になるという。データでは試験合格後の高齢者の事故率が上がっているらしい。

 新しい試験は後退駐車や突起乗り越しも加えられることになった。普通に運転ができれば問題ない。しかし年齢に応じて後退時に体をひねるのは厄介になる。ひねったときにアクセル/ブレーキペダルが正しい位置に来ないこともあるが、若い人でもたまに見かける光景だ。

 クルマ側もペダル自体が小さく、レイアウトも不自然なものもあり、さらにシフトがどこに入っているのか分かりにくいクルマも増えている。

 そもそも正しいドライビングポジションを取るだけでもかなり事故は減らせるのではないかと思う。

 余談だが日本の国民車、軽自動車は早くから踏み間違い防止機能などADAS系を装備していて志が高い。効果が高いが、それでも古いクルマも沢山使われている。

スズキの新しい軽EVのe SKYにもACCが採用されている。今やとっても普通の装備に。自動化への道は着実に近づいている

 最近の大きな事故の特徴は正面衝突が増えていること。こちらは高齢者とは関係なく前方不注意しかないが、スマホのながら運転に起因していることも多い。これらの行為も法改正で厳罰化された。しかしスマホからはなかなか目が離せない人も多いのが実情だ。法律だけでは事故はなくせない。

 レベル2の機能が向上、普及してドライバーが使いこなせれば、レーン逸脱や追突事故はかなり減らせると思うが、この自動運転技術を突き詰めると自動運転にたどりつく。

 個人的にはレベル3以上の普及が早く進み、その機能を使っているドライバーが少しでも増えてほしいと思っている。実際、「ACCなどもってのほか」で使っていないドライバーが少なくなく、まわりにも結構多い。

 一方で、運転の楽しさは免許証を初めて手にした時から変わらない。自動運転も手動運転も自分の中ではいつの間にか折り合いがついているようだ。

左ハンドルのムラーノ。トランプ大統領の一声で北米生産のムラーノがアメリカ基準のままで日本に入ってきた。左側にあるのがプロパイロット
新型エルグランドのプロパイロット
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。