【2010ジュネーブショー
アウディ、A1のEVとA8のハイブリッドを展示

EVのブランド名は「e-tron」で統一

3月2日~14日(現地時間)
スイス ジュネーブ
GENEVA PALEXPO



 かねてからの予告どおりエントリーコンパクト「A1」やA5のトップパフォーマンスモデル「RS5」をジュネーブでワールドプレミアしたアウディだが、それだけでは終わらなかった。2つの電動パワートレーンを持つモデルが発表されたのである。

ルパート・シュタートラー会長とジャスティン・ティンバーレイク氏がA1をお披露目したほか、クワトロ30周年としてクワトロが登場。ドライブするのは往年の名ラリードライバーにしてクワトロ使いのスティグ・ブロンクビスト氏(下段中央)

 サプライズの1つは「A1 e-tron」。e-tron(イートロン)と名付けられたクルマは、2009年のフランクフルトショーでR8ベースの2シータースポーツとしてデビューし、2010年1月のデトロイトショーでブラッシュアップ版のコンセプトカーが登場した。

 今回のA1 e-tronはその名のとおりA1をEV化したもの。ベースのA1同様に2ドアだが4つのシートが確保されている。また、A1 e-tronはバッテリーとモーターだけでなく、リアにロータリー(バンケル)エンジンを搭載し、バッテリーが足りないときはロータリーエンジンで発電して走行できる、いわゆる「レンジ・エクステンダー」なのだ。ロータリーエンジンがどのような燃料で動くのかは分からないのだが、15kWの電力を生み出すと言う。

 アウディは前身のNSU時代に、ロータリーエンジン搭載車を世界で初めて市販したことがある。EVの時代になって、コンパクトな内燃機関であるロータリーエンジンに戻ってきた。

 なお、「e-tron」の名前は同社のEVのブランド名となる。また、2シータースポーツのe-tronは限定生産される予定だ。

プレスカンファレンスに自走して登場したA1 e-tron。e-tronのプレートとバッヂがなければ通常のA1と見分けが付かないが、ノーズのフォーリングスの裏に充電プラグを、ラゲッジルームの床下にロータリーエンジンを隠し持つ。またインテリアには特徴的なシフトレバーや全面液晶パネルのメーターなどを装備する
こちらはノーマルのA1。1.4リッターのガソリン直噴ターボと7速デュアルクラッチATを搭載するモデル。アウディ・コンペティションモデルの塗装を施した個体も
リアハッチにテールランプが付いているため、ハッチ開放時用のテールランプが、開口部に付いている。スペアタイヤは搭載されていない
格納式のインフォテインメント・ディスプレイを装備。MMIのコントローラーはダッシュボード中央に付く
リアシート1.4 TSIエンジン

 A8ハイブリッドは、アウディのフラッグシップセダンA8をベースとした、パラレル・ハイブリッドシステム搭載のコンセプトカー。2リッターのガソリン直噴ターボエンジンとモーターで、180kW(245PS)、480Nmを発生する。モーターはエンジンと8速ATの間に置かれ、エンジンのみ、モーターのみでの走行も可能だ。

 なおアウディはこのA8ハイブリッドを2011年に発売するほか、2010年にはQ5ハイブリッドも発売すると言う。

A8ハイブリッド。バッテリーはリチウムイオン
予告どおり登場したRS5。4.2リッターの直噴V8エンジンを搭載。格納式リアスポイラーなど装備する
アウディ・クワトロ。もちろんブロンクビスト車

80th International Motor Show
http://www.salon-auto.ch/en/

(編集部:田中真一郎)
2010年 3月 4日