【2010ジュネーブショー】 そのほかのメーカー編 ランチア、サーブ、インフィニティ、スバルなど |
■統合に向かう、クライスラーとランチア
共同でブースを構えたクライスラーとランチア。デトロイトショーでのクライスラーのエンブレムを付けたランチア・デルタの姿の記憶も、ファンには生々しいところだが、ジュネーブでは正式に統合への動きを発表。もっとも、どっちのブランドが存続して、どっちが消えるのか、という話はなく、ひたすら、クライスラーとランチアの統合の正当性を説明するカンファレンスだった。急に「この2つのブランドはそっくりだしお似合いなんですよ」って言われてもねぇ。
クライスラー-ランチアのプレスカンファレンス。両者のラインアップとブランドフィロソフィーは相互補完的で、創業者の資質も似ていて、と、いかに“アイデアル・カップル”なのかを説明するのに終始 |
中央のクライスラー300Cはクリスティーナ・アギレラのサイン入り。オークションにかけて、売り上げを福祉に活用する。このところのランチアがすなる社会派キャンペーンを、クライスラーもしてみむなり |
■今度こそ復活なるかサーブ
スパイカーによる買収でブランド存続の危機を乗り越えてジュネーブに現れたサーブは、一時サーブの売却先として話のあった中国 北京汽車との提携も発表。中国での工場建設を目指す。
ブースに展示されたヘリテイジモデルは、2ストローク3気筒エンジンを積んだ1956年の「93」ラリー仕様 | ||
2009年のフランクフルトショーで発表した新型「95」。サーブらしい雰囲気が戻ってきたのが随所に伺える |
■タタ・ナノEV版はヨーロッパ向けモデル
タタ・モーターズはジュネーブショーでプレスカンファレンスを開催。ラビ・カント副会長が「ナノEV」を発表した。あの、10万ルピーカー「ナノ」の電気自動車である。バッテリーはリチウムイオンで、ヨーロッパ向けに販売される。そのためか、インテリアは元祖ナノよりしっかりした作り。
ラビ・カント副会長(写真左)とナノEV | ||
■ホンダは「CR-Z」をヨーロッパプレミア
ホンダは伊東孝紳社長がカンファレンスに出席。欧米のリーダーのように、ステージ中央に何も持たずに立ち、スピーチをこなした。同社のハイブリッドスポーツカー「CR-Z」はこれが欧州初披露。電気三輪自動車「3R-C」もお披露目された。
■インフィニティはディーゼルとハイブリッド
日産の高級ブランド「インフィニティ」は、「M35ハイブリッド」と「EX30d」を初公開。M35は日本名フーガ、つまりフーガ・ハイブリッドだ。EX30dはスカイライン・クロスオーバーのディーゼルエンジン搭載車。日本では販売される予定はない。
■オーリスの皮を被ったプリウス
トヨタは英国工場で生産するハイブリッドカー「オーリスHSD」の量産型を公開した。通常モデルとの外観の違いは、ハイブリッドのバッジと青いトヨタのエンブレム程度。しかしボンネットを開けるとプリウスと同じハイブリッドシステムが顔を覗かせる。運転席のシフトレバーとその周辺もプリウスそっくり。ただしエネルギーモニターは本来タコメーターがあるところにインプリメントされている。
FT-86も欧州初公開 |
■インプレッサ・アウトバック?
スバルはコンセプトカー「ハイブリッド・ツアラー」を欧州初公開。さらに、「インプレッサXV」をワールド・プレミアした。
インプレッサXVは、インプレッサにSUVライクなフェンダーガードやバンパー、ルーフレールを装備し、クロスオーバーもでるに仕立てたもの。展示車はボクサーディーゼルを搭載していた。
(編集部:田中真一郎)
2010年 3月 6日