【2011ジュネーブショー】 トヨタ、FRスポーツカー「FT-86II concept」、ハイブリッド車「ヤリスHSD」を世界初公開 3列シートの「プリウス プラス」など環境対応車重視の展示に |
来年の発売がアナウンスされているトヨタ自動車の小型FRスポーツカー「FT-86」の市販バージョンに近い姿が公開されるとあって、盛り上がりを期待してメディアカンファレンスに向かったが、ベールをかぶっていたのは「ヴィッツ」の欧州仕様「ヤリス」をハイブリッド化した「ヤリスHSD」。「FT-86II concept」はむき出しでターンテーブルの上に置いてあった。
新規に投入するFT-86は、もちろん大事な車種なのだが、トヨタは欧州でハイブリッド戦略を進めることにプライオリティーを置いている。想定する実売台数を考えれば当然なのだろう。
カンファレンスでは、Cセグメントの「プリウス」「オーリスHSD」よりひと回り小さい、Bセグメントのヤリスにハイブリッドモデルを追加すると発表した。欧州の市街地は、道が狭いところが多いのでBセグメントが大きなシェアを持っている。その多くのユーザーにトヨタのハイブリッド技術を体感してもらいたいというのだ。
日本ではヴィッツにハイブリッドを搭載することはないと言われているので、トヨタのもっともコンパクトなハイブリッド車は、まずは欧州のみでデビューを果たすようだ。発売時期は、2012年の後半。
アンベールされた小型ハイブリッド車「ヤリスHSD」 |
ハイブリッドシステムは、プリウスに搭載されている1.8リッターエンジンとの組み合わせと異なることが予想されるが、詳細については発表されなかった |
ヤリスHSDとともに注目を浴びていたFT-86II conceptは、トヨタとスバル(富士重工業)が共同開発を進めているコンパクトFRスポーツのコンセプトカー。2008年に共同開発を行なっていることをメディアに発表し、2009年の東京モーターショーでコンセプトカーがデビューした。今回の車両は、コンセプトカーの第2弾であることを示す車名が与えられている。
4235×1795×1270mm(全長×全幅×全高)のボディーサイズは、東京モータショーよりも若干大きくなっている。基本的にロングノーズショートデッキのプロポーションは変わらないが、真横から見るとAピラーの角度が変わったことに気付く。また、フロントとリアまわりのデザインがリファインされ、どことなくLFAのように見えなくもない。今回のコンセプトカー公開で判明したのはボディーサイズだけで、それ以外のことは何もアナウンスされなかった。
タイヤは18インチサイズのものを履いていた |
この2台以外には、「iQ」をベースにした電気自動車「EVプロトタイプ」や、プリウスをストレッチして3列シート7人乗りにした「プリウス プラス」、燃料電池車「FCHV-adv」などが展示されていた。
FT-86II conceptの公開ということを除けば、ジュネーブショーのトヨタブースは、ハイブリッド車など環境性能のトップレベルを行くトヨタの技術が垣間見られ、今後もその方向性をより力強く進んでいくことが伺えた。
3列シート7人乗りのプリウス+ |
LFAニュルブルクリンクパッケージ。外観では大型のウイングや空力性能の高いエアロパーツを装備 |
ハイブリッド車「オーリスHSD」のカットモデル展示 | ||
EVプロトタイプもカットモデルによる技術展示を行っていた | ||
燃料電池車「FCHV-adv」 |
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1157.html
(真鍋裕行)
2011年 3月 4日