【東京オートサロン2012】 ブリヂストン、フルカラータイヤ印刷技術を発表 開発コードネームは「Pandora(パンドーラ)」 |
新印刷技術の発表を行う、ブリヂストン 執行役員 生産技術開発担当 川合誠一郎氏 |
ブリヂストンは、東京オートサロンの同社ブースにおいて、新開発のフルカラータイヤ印刷技術の発表会を開催した。この新技術の発表を行ったのは、同社執行役員 生産技術開発担当の川合誠一郎氏。
川合氏によると、この技術の開発コードネームは「Pandora(パンドーラ)」と言い、3D映画「アバター」に登場したパンドーラの世界が美しかったことに由来するという。タイヤの発明初期は、白いタイヤが存在したものの、耐候性などに優れるカーボン入りの黒いタイヤが発明されて以降、タイヤは黒くて当たり前の製品となっている。米国などでは、その人気から、商品ロゴをホワイトにしたホワイトレタータイヤを販売しているものの、白いゴムをある程度使うため、どうしても重くなってしまうのだと言う。
開発コードネームはPandora | 北米などで人気の高いホワイトレタータイヤ | 白色ロゴは、内部にまで使われている白いゴムで実現している。そのため、重量増に |
川合氏がアンベールを行った | 印刷を施したタイヤがステージ上に飾られた |
各種印刷バリエーション |
この新印刷技術であれば、そのような重量増もなく、環境負荷の低いものにでき、なおかつ自由な絵や写真をタイヤに描くことができる。印刷構造は、タイヤ表面から出る老化防止剤などを防ぐ薬品ブロック層をベースに、その上に印刷層(インク)を配置。その印刷層の上から、オゾンや紫外線などの外部環境要因を防ぐ印刷保護層が配置される。この3層構造により、従来の1層印刷と比較して、印刷面の劣化を防ぐことができるようになった。
これまでの方法では、すぐに変色やひび割れなどが発生していた | タイヤ印刷の劣化原因 | 印刷層を保護層で挟み込む構造 |
タレントの平愛梨さんを招いてのトークショーを開催 | シンプルなデザインも、もちろん実現可能。回転物体のため、センスが必要になるかもしれない |
ユーザーカスタマイズ用途のほか、企業宣伝を入れるコマーシャル用途なども考えており、コマーシャル用途で作られたタイヤは、企業広告により低価格にできる可能性もあると言う。また、塗り替えることも可能で、塗り替えサービスなどの需要も見ていると言う。いずれにしろ、これからの技術で、出願特許が間もなく公開されることから、このタイミングでの発表になったと述べた。
同社ブースでは、この新印刷技術を用いたタイヤのほか、ランフラットタイヤ「S001 RFT」、低燃費タイヤ「ECOPIA(エコピア)」シリーズ、パフォーマンスタイヤ「RE-11」などの製品群を見ることができる。
ランフラットタイヤ「S001 RFT」 | 低燃費タイヤ「ECOPIA」シリーズ | パフォーマンスタイヤ「RE-11」 |
(編集部:谷川 潔)
2012年 1月 13日