【2012ジュネーブショー】 ポルシェ、すべてを刷新した新型「ボクスター」をワールドプレミア パナメーラGTSや911カレラカブリオレも登場 |
フランクフルトショーで新型「911カレラ」を発表したばかりのポルシェがジュネーブモーターショーに用意したのは、3世代目となる新型「ボクスター」。
ポルシェいわく、ボクスターがデビューして以来、これほどまでに大きな変貌は遂げたことがないというほどドラスティックに各部が変更された。
まず、刷新したプラットフォームによってホイールベースを60mm伸ばすとともに、フロントトレッドを40mm、リアトレッドを18mmワイド化した。大型化したボディーだが、車両重量は先代モデルに対してボクスターが25kg軽い1310kg(MT仕様)、ボクスターSが35kg軽い1320kg(MT仕様)となっている。ホイールベースの延長とワイドトレッド化、軽量化などにより、新型ボクスターの走行性能は飛躍的にアップしたと言う。とくに新型ボクスターSは、ニュルブルクリンクの北コースで7分58秒をマークしており、このタイムは同等の装備を施した先代モデルと比較して12秒も速いタイムとしている。
搭載エンジンは、ボクスターが先代に対して200ccダウンサイジングした水平対向6気筒 2.7リッター。排気量は抑えているが、最高出力は10PSアップした265PS/6700rpm、最大トルクは280Nm/4500-6500rpm。ボクスターSの排気量は従来どおり3.4リッターのままだが、最高出力は5PSアップの315PS/6700rpm、最大トルクは360Nmになっている。出力の向上とともに環境性能にも配慮した新型エンジンは、ボスクターのMT仕様が8.2L/100kmと、先代に対して12.8%の効率アップを実現した。この燃費向上には、カレラ911にも装備される電気機械式パワーステアリングを採用した効果もあると言う。
エンジンやシャシー以外のトピックとしては、オプションで装備されるポルシェ・トルク・ベクトリング(PTV)とポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)。PTVは、加速時22%、減速時27%のロック率で、リアタイヤのスリップを制御する。垂直方向のセンサーが4つに増えたPASMと併せて装備することが、ドライビングダイナミクスと俊敏性を大幅に向上させる。
また、インテリアデザインも他モデルと同様、新世代構造となった。カレラGTを彷彿とさせる直線基調なデザインを用い、ステアリングとシフトレバー、セレクターレバーの間隔を近くすることで操作性を向上させた。センターコンソールには、車両を操作する各スイッチ類がグループごとに配置されていて、直感的にドライバーがスイッチを触れるようになっている。ナビゲーションを含めたタッチスクリーンディスプレイは7インチと大型で視認性もよい。また、シートポジションは5mm低くなり、レッグルームは25mm拡大している。こちらもスポーティさと居住性の両面から進化させたポイントと言えよう。
フルモデルチェンジした新型ボクスター。ホイールは18インチと19インチを標準装備し、オプションで20インチも用意する。タイヤは低転がり低減タイプで、先代比で7%の転がり抵抗を低減した |
ボクスターS |
パナメーラGTSも初公開となったモデル。サーキット走行もカバーする、ラインアップの中でもスポーティに仕立てている。V型8気筒エンジンは430PSを発生。PASMとアダプティブエアサスペンションを装備することで車高を低くし、スポーティなハンドリングを実現した |
デトロイトショーで初公開された新型911カブリオレ。ルーフはソフトトップ仕上げのままだが、素材にマグネシウムを採用。エンジンは911カレラカブリオレが3.4リッターで、最高出力350PS/7400rpm。911カレラSカブリオレが3.8リッターで最高出力400PS/7400rpm |
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1407.html
(真鍋裕行)
2012年 3月 13日