【2014ジュネーブショー】

マツダは次期「デミオ」を想定した「跳(HAZUMI)」をワールドプレミア

搭載エンジンの直列4気筒1.5リッターのディーゼルも初披露

2014年3月6日~16日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

プレスカンファレンスでは小飼雅道代表取締役社長兼CEOがHAZUMIの解説を行った

 マツダは、ジュネーブショーにて次期「デミオ」を示唆する次世代のコンパクトカーコンセプト「マツダ跳(HAZUMI)」を初公開した。

 マツダは2010年から「魂動(こどう)-Soul of Motion」というデザインテーマに基づき、共通した躍動感のあるデザインをラインアップするモデルに与えてきた。2011年のジュネーブショーでは後のCX-5となる「勢(MINAGI)」が発表され、同年の東京モーターショーではアテンザのベースとなった「雄(TAKERI)」が公開された。というように、まずはコンセプトカーとしてお披露目されることが恒例となっている。

 デザインテーマとなっている「魂動(こどう)-Soul of Motion」をもとにしたモデルはCX-5、アテンザ、アクセラの3車種で、次に続くのが跳(HAZUMI)になる。勢(MINAGI)や雄(TAKERI)のデザインは、ほぼそのまま市販モデルに取り入れられたことを考えると、次期デミオも跳(HAZUMI)に近い姿で登場することが想像できる。

 エクステリアデザインはアテンザ、アクセラ、CX-5と同様のシグネチャーウイングを配したグリルとライトまわりが特徴で、ひと目でマツダファミリーだということが分かる。また、インテリアはラウンドしたダッシュボードと単眼メーターを採用していて、シンプルながらスポーティさも感じることができる。アクセラから導入しているカーコネクティビティシステム「マツダコネクト」も取り入れられている。

 公開されたボディーサイズだが、4070×1730mm×1450mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2585mmとなっている。現行デミオのボディーサイズが3900×1695mm×1475mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2490mmなので、やや大きくなる。オーバーハングをかなり切り詰めたデザインなので、この全長から短くなる可能性は少ないのかもしれない。

ワールドプレミアされた「跳(HAZUMI)」。カラーリングは最近のマツダ車のテーマとなっているソウルレッド。ホイールは18インチ(8J)を装着だが、コンセプトカーということもあってやや大径サイズを履いている
シートレイアウトは独立した4座で、リアシートにマツダコネクトを操作するパネルを装備。インパネはシンプルな造形だが、上質感とスポーティさを実現している

 搭載エンジンの直列4気筒1.5リッターディーゼルもワールドプレミアだ。すでに国内でも使われているSKYACTIV-Dの直列4気筒2.2リッターエンジンと同様に、十分なトルク性能を持ちつつも、燃費性能や環境性能を高めている。CO2の排出量はわずか90g/km以下としており、NOx用の触媒を装備せずに欧州の規制となっているユーロ6に対応した。トランスミッションはSKYACTIV-Driveの6速AT。アイドリングストップのi-stopとエネルギー回生のi-ELOOPも採用している。

跳(HAZUMI)に搭載される直列4気筒1.5リッターディーゼルエンジンもワールドプレミア

 現行デミオは2007年から発売を始め、今年で8年目を迎える。コンパクトカーの販売期間として異例の長さになっているので、近いうちに実施されるフルモデルチェンジで、この跳(HAZUMI)の内外装とパワートレーンが採用されるはずだ。

ロードスターの誕生25周年ということで、歴代モデルの展示も行われていた。MX-5(欧州名)は欧州でも軽快感のあるハンドリングや手ごろなオープン2シーターということで人気があり、知名度も高い。次期型の開発が進んでいることもアナウンスされているので、4代目のロードスターがどのように誕生するのか注目したい

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。