東京オートサロン2015
今年も多くの86/BRZがオートサロンを引き立てる!
初公開の「GRMN86プロトタイプ」やV8 2.4リッターエンジン搭載車など、多数のカスタム車が登場
(2015/1/11 12:40)
- 2015年1月9日~11日開催
1月9日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン 2015 with NAPAC」。今年も多くのカスタムカー、チューニングカーが会場を賑わせていたが、トヨタ「86」とスバル(富士重工業)「BRZ」への注目度は依然として高い。
ここでは会場に展示されていた多くの86/BRZを紹介してみよう。
トヨタ/GAZOO Racing
トヨタは86の発売が開始された年から、東京オートサロンで多数のコンセプトカーを公開してきた。その中でも今回お披露目された「GRMN86 Prototype」は、完成度の高さと性能面ともに抜群の仕上がりとなっている。
GRMNとは、世界一過酷なクローズドコースとして知られるニュルブルクリンクに挑戦しているGAZOO Racingが、レース活動や現地でのテストから得たノウハウを市販車に落とし込み、コンプリートカーとして販売を行うブランド。
過去にはヴィッツやIQ、マークXなどが販売されていて、どのマシンもシャシーからエンジン、足まわりなど総合的に手を入れた最高のパフォーマンスを発揮するモデルとなっている。ニュルブルクリンクでの厳しいテストや開発ドライバー、レーシングドライバーの意見を取り入れ、サーキット以外のどのようなシチュエーションを走行しても、走る楽しさが味わえるセッティングとなっている。
GRMN86 Prototypeもブランドコンセプト通りの仕様になっていて、86の市販化前から参戦しているニュルブルクリンク24時間レースで得た数年間の経験値やテスト結果を反映させた。
ボディーは軽量化のためにルーフやトランク、ボンネットがカーボン製となる。エアロパーツの形状は、操安性を高めるため低速域でもダウンフォースが発生する。ブレースバーなどの補強パーツや車高調整式サスペンション、モノブロックキャリパー、大径ローターなど足まわりパーツや剛性パーツも数多く採用されている。
エンジンは、過給器などのパワーアップパーツに頼ることなく自然吸気エンジンのフィーリングを活かす方向でセッティング。エンジン内部には低フリクション化や軽量化のために手が入っていて、インテークのパイピングやマニホールドも専用のパーツをセット。大幅な出力アップは期待できないが、レーシングカーのような軽快な吹け上がりが楽しめる。
まだプロトタイプの状態だが、そう遠くないうちに市販化のアナウンスがされるはず。これまでのモデルと同様に限定販売となるので、気になる人は早めに購入を検討しておいたほうがよいだろう。
GAZOO Racing&トヨタブースにはニュルブルクリンク24時間レースを戦った86やスーパー耐久、全日本ラリー、86/BRZレース、TRDラリーチャレンジ参戦車など多くの86が展示されている。
TRD(トヨタテクノクラフト)
過給器を装着することなく自然吸気エンジンのままで、筑波サーキットのタイムアタックにおいて58秒407という驚異的なタイムを記録した「86 TRD Griffon Concept(グリフォンコンセプト)」。
グリフォンコンセプトの開発から得た技術やデータを取り入れて開発を行ったのが、2014年秋に限定発売されたコンプリートカーの「14R-60」。100台限定という販売台数に対して、多くのユーザーから注文があり、受注開始から即完売となったモデルなのだ。究極のストリートカーである14R-60は、エンジン本体はノーマルのままだが、それ以外はほぼ手が入っている言っていいほどノーマルとは異なる。空力特性を突き詰めたエアロパーツに軽量化のためのカーボンルーフなど、外装はアグレッシブさを増した様相を持つ。シャシー系の見直しも抜かりなく行っていて、アーム類やブッシュ、サスペンションなどに手を加えている。グリフォンコンセプトのストリートモデルといいつつも、サーキット走行での十分な性能を発揮できる仕上がりとなっている。
一方、すでに完売してしまった14R-60をよりストリート志向に仕立てたのが「86 TRD Griffon Street Edition Concept(グリフォン・ストリート・エディション・コンセプト)」になる。外装はカーボンルーフやGTウイングを除けば14R-60と同様のルックスを持っている。そのため操安性などは14R-60にひけをとらない性能になっていて、限定モデルの雰囲気を十分に感じ取ることができる。
このグリフォン・ストリート・エディション・コンセプトは、14R-60をより身近に感じてもらえるような仕上がりを目指していて、TRDとしては86のグレードの1つとして位置づけているという。東京オートサロンではコンセプトモデルとなっていたが、近いうちにコンプリートカーとして市販化する予定があるようなので、期待して待っていてもらいたい。
HKS
HKSの86は、リニューアルされたGTスーパーチャージャーキットを装備。どのアフターパーツメーカーよりも早く過給器キットをリリースしたHKSは、さらなる出力アップのためにスーパーチャージャーの見直しを行った。セッティングを煮詰めることや装備するパーツを改良することにより、300PSオーバーも狙える性能を発揮する。純正のエアクリーナーボックスが使用できるようになったので、吸気音が静かになったのも特徴となる。
BLITZ
「BLITZ Racing Project」としてターボ仕様のBRZでタイムアタックを行ってきた。2014年の冬に筑波サーキットで58秒828というタイムをマークしたことで、一端このプロジェクトは閉幕。だがタイムアタックで得たノウハウを一般に提供することを目的に、タイムアタック号に近い仕様のままナンバーを取得。エアロパーツ、吸排気系、ターボともに車検が通る合法仕様となっている。もちろんこのまま公道を走ることが可能。将来的にはコンプリートカーとして販売する計画もあるそうだ。
COSWORTH
F1のエンジンや数多くのレースエンジンを製作するなど、50年以上の歴史と高い技術力を持つアメリカのエンジンメーカー「COSWORTH」が本格的に日本進出を行うことになった。まずは86/BRZ用のパーツをリリースするようで、デモカーにはスーパーチャージャーをはじめ多くのパーツが採用されていた。精度の高いエンジンパーツは、今後のチューニングには欠かせないアイテムとなるはずだ。
トーヨータイヤ(東洋ゴム工業)
PROXESブランドの新しいSタイヤを想定した「PROXESスポーツコンセプト」を装着した86。サイズはフロントが235/645 R19 リアが265/645 R19となっている
カンサイサービス
カンサイサービスが製作したスーパーチャージャー仕様の86。大人が楽しめるをコンセプトとしたデモカーで、ATのままで最高出力300PSを発揮する。低速域から高速域まで途切れのないトルク感が魅力。
JUN AUTO MECHANIC
高い技術力によりエンジン製作を得意としているジュンオートメカニック。86のエンジンルームに搭載されていたのはV型8気筒2.4リッターエンジンになる。V8の2.4リッターというと、どのモデルをベースにしているのかと思う人も多いはず。
このエンジンは4気筒のバイク用エンジンを両バンクに組み合わせ、エンジンブロックは自社で削り出したという逸品。最高出力は367.5PSを発生し、その発生回転数は10680rpm。まさしくレーシングエンジンといったところだろう。
芝ライニング商会
多くの輸入パーツを扱っている芝ライニング商会のデモカー。吸気はITGのフィルター、冷却系はPWR製パーツを装着。ブレーキはアルコン製のキャリパーに、フェロードと共同開発したパッドとローターをセットしている。