東京オートサロン 2016

2016年のオートサロンで主役となった「NDロードスター」のカスタマイズ

2016年1月15日~17日開催

 出展台数で東京オートサロン2016の主役となったのは、2015年の5月に販売がスタートしたND型ロードスター。会場を見渡すといたるところにカスタマイズを施したロードスターが展示されていて、大規模なアフターメーカーから専門のショップまでがデモカーとして導入していることが分かる。

 各メーカーやショップは、ボディパーツや吸排気系パーツ、ホイール、サスペンション、剛性パーツなどをラインアップしていて、オーナーの要望に十分に応えられるほどのアイテムが出そろっている。すでにターボを使った過給器チューンを行なっているデモカーもあり、今後も多くのパーツが開発されていることが予想される。

 発売から半年あまりでここまでアフターメーカーの開発が進んでいる理由として、メーカーであるマツダ側の協力体制もある。NDロードスターが発売される前から、NAPAC(日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会)に対して主要な図面を公開していたという経緯があるのだ。そのお陰もあり、アフターメーカーは発売前からパーツの開発や方向性を決めることができた。事前の情報開示を行なったマツダに対してはNAPAC側からアワードが贈られていて、メーカーとアフターメーカーの双方に好意的な関係が生まれている。

 では、東京オートサロン2016の主役となったNDロードスターのデモカーを紹介していこう。

マツダ

 今年から北米でスタートするGLOBAL MX-5 CUPのマシン。エンジンは純正の2.0リッターを使い、ボディ補強やロールケージを装備。タイヤはスリックを使用する。国内では、このマシンを使った特別戦としてエキシビションマッチが開催される予定だ。

GLOBAL MX-5 CUP

 今シーズンからNDロードスターによって競われるパーティレースに参戦できるNR-Aの車両。ナンバー付きなので公道走行も可能となる。オプション品のロールケージやポテンザ RE71R、ブレーキパッド、バケットシートなどが専用装備されている。

NR-A
車内にはロールケージやバケットシートなどを専用装備
ブリッツ

「走りとドレスアップの両立」をコンセプトに開発を行なったブリッツのロードスター。開発中のターボキットとマフラー、フロント、サイド、リアのボディキットを装備する。車高調や大型キャリパーとローターによるブレーキキットも装着していて、サーキットでも戦闘力の高さを示せそうだ。

トラスト

 トラストブースにも試作のターボキットを装着したロードスターが展示されている。タービンサイズは小排気量エンジンにマッチするTD-04H 15Gをセット。外装パーツには世界的にも人気を博しているロケットバーニーのワイドボディキットをまとい、迫力あるスタイルを作り上げている。

オートエクゼ

 マツダのセミワークス的な立ち位置となるオートエクゼが製作したロードスター。ロードスターが目指している“人馬一体”をさらに突き詰めたファインチューニングを施している。外装ではND-05と呼ばれるフロントスポイラー、LEDフォグランプ、リアアンダースポイラー、リアウイング、アンダーパネルを装備。フロア下の剛性パーツやスポーツサスキットなども装着されていて、優れたハンドリング特性を生み出す。

ナイトスポーツ

 ロータリーチューニングで名を馳せているナイトスポーツ。ロードスターではスポーツROMやチタンマフラー、スポーツサスペンションをセットして回頭性を高めている。ボディパーツは純正バンパーにプラスするリップタイプを採用。ノーマルの優れたデザインを活かしつつも、よりスポーティさを演出できる。

藤壺技研工業

 純正パーツや高品質な排気ラインを製作しているフジツボは、エキゾーストマニホールドとマフラーを装着したロードスターを出展。ともにプロトタイプとなるが、マフラーは「AUTHRIZE R type S」、エキマニは「Super EX+SPORTS CATALYZER」をセット。左右4本出しのマフラーは、ロードスターのリアビューをいっそうスポーティに演出する。

データシステム

 テレビキットやサイドカメラキットなど多くの電子パーツをリリースしているデータシステム。ロードスターには内外装をモディファイするアイテムも、試作段階だが開発している。ボディパーツはフロントハーフスポイラーとリアウイングを装備。リアウイングにはバックカメラが内蔵されている。インテリアはウルトラスエードを使用したパネル類で、鮮やかなカラーと滑らかな手触りが特徴。

ESQUELETO

 オリジナルのボディパーツを装備しているESQUELETO STYLE ND。フロントアンダースポイラー、サイドステップ、リアアンダースポイラー、リアスポイラーの4点をセットしている。純正バンパーを活かしながらも、ネオクラシックな雰囲気を醸し出している、

レッグモータースポーツ

 RX-8のチューニングやサーキットアタックで知られているレッグモータースポーツ。クラブスポーツをコンセプトに、ベース車両のよさを残しつつチューニングを施す。外装は、カーボンリップのフロントスポイラーとダックエンドスポイラーのみとシンプルな構成。マフラーはチタン製をチョイスしている。

フジムラオート

 楽しさを追求したチューニングを施しているフジムラオートのNDロードスター。エンジンにはHKS GTS4015スーパーチャージャーを組み合わせて出力をアップしている。外装はオリジナルのRocket Dancerエアロを装備。カーボン調のリップスポイラーとディフューザーにより攻撃的なスタイルを演出する。

KUHL RACING

 数多くの攻撃的なスタイリングのデモカーを展示しているKUHL RACING。NDロードスターもその1台で、オリジナルのND5 GT BODY KITとMUSTARDRUNラッピングにより唯一無二の存在感を醸し出す。ボディキットはフロントバンパー、フロントディフューザー、サイドステップ、リアバンパー、リアフローティングディフューザーの5点セットになる。

Kansaiサービス

 質実剛健なチューニングを行なっているKansaiサービス。ボディパーツは同社のカーボンエアロシリーズをセット。純正のグレードにも存在するような、上品で完成度の高さが伺える。ボディ補強も行なっているが、NDロードスターは軽量に仕上げているので闇雲に剛性を上げずに、重量バランスを考慮して開発している。

BRIDE

 シートメーカーであるBRIDEの製品のなかでも、輸入車やプレミアムなスポーツカー用としてリリースしているのがedirbブランドになる。NDロードスターには、edirbの042というフルバケットシートが装備されている。高いホールド性はもちろん、ショルダーやヘッド部分がレザーで覆われているので、ルックス的にも高級感を演出できる。

オクヤマ

 競技用のロールケージや剛性パーツをリリースしているオクヤマ。NDロードスター用には、ダッシュボード逃げタイプの8点式ロールケージ、ストラットタワーバー、フロアブレースセットなどをラインアップしている。オープンモデルのロードスターなので、サーキット走行ではロールケージを装備したい。

AIMGAIN

 ビス留めのレトロなオーバーフェンダーが特徴的なAIMGAINのロードスター。延長されたフロントリップやダックテールのスポイラーなども独自のスタイルを形成するのにひと役買っている。ホイールはオリジナルのAIMGAIN G II Mを装着。

MONZA JAPAN

 ホイールメーカーであるMONZA JAPANのNDロードスター。細身のスポークを採用したディッシュタイプのホイールを履く。ホイールサイズは18×8.0Jで、タイヤは215/35 R18。インチアップを施すことで、よりスタイリッシュな雰囲気を演出している。

DUCKS-GARDEN

 オリジナルのボディキットを装着したNDロードスター。フロントバンパー、リアバンパー、サイドアンダー、トランクスポイラーの4点を装着している。フロントバンパーは前方に延長され、開口部にダクト形状を用いることで独特なルックスに仕上げている。リアは小ぶりなトランクスポイラーでスポーティさを演出。

RK DESIGN

 鈴鹿サーキットでのスポーツ走行と日常使いを両立させるというコンセプトの元に開発を行なっている。エアロパーツ、サスペンション、ホイールなど多くの部分に高品質なオリジナルアイテムを用意。特にボディ補強のブレースバーと鍛造ホイールはサーキット走行にも適したパーツで、効果も十分に期待できる。

ガレージ・ベリー

 初代NAロードスターのころから外装パーツで人気を得ているガレージ・ベリー。NDロードスター用は、グライドリップスポイラー、エアロボンネット、エアロフェンダー、バンパーダクト、サイドステップ、GTウイング、リアバンパー、スリットスポイラーと多数のアイテムを用意している。オリジナルティ溢れるスタイルに変貌させるボディキットと言える。

DAMD

 ディーラーでも購入できる高品質なエアロパーツをリリースしているDAMD。NDロードスターには、純正の持つ美しさをそのままに高品質なカーボンとアルミ削り出しのパーツでプレミアムスポーツスタイルを提案している。フロントアンダースポイラー、サイドエクステンション、リアアンダースポイラー、ルーフスポイラーなどがオリジナルパーツ。

【お詫びと訂正】記事初出時、Kansaiサービスの表記の一部がKanasaiサービスとなっておりました。お詫びして訂正させていただきます。

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。