インドネシア国際モーターショー2014
スーパーロング「FJ 2523R 6x2」、ミキサー車「FJ2528」などインドネシア向けトラックを強化する三菱ふそうトラック・バス
インド生産の新興国向け新型トラック追加でシェア50%を目指す
(2014/9/22 00:00)
- 2014年9月18日~28日(現地時間)開催
- インドネシア ジャカルタ
- Jakarta International Expo
天然資源が豊富に存在し、経済成長の続くインドネシアでは、商用車の需要が伸び続けている。9月18日に開幕した第22回インドネシア国際モーターショー(The 22nd Indonesia International Motor Show)の会場において、1/3以上の面積を占めていたのが商用車だ。
日本からは三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、いすゞ自動車、UDトラックス、トヨタ ダイナ(トヨタ自動車)が、中国からFAW(第一汽車)が大きなブースを構えていた。
その中で最も力の入っていたのが三菱ふそうトラック・バスだ。三菱ふそうトラック・バスは、今回のショーにインドで生産を開始した新興国向けスーパーロング「FJ 2523R 6x2」と、ミキサー車「FJ 2528M 6x4」を展示。そのほかサントリーガルーダの移動店舗を実現する小型トラック「FE 71 Colt Diesel」(日本名:キャンター)などを展示していた。
プレスカンファレンスには、三菱ふそうトラック・バスのCEOであり、ダイムラートラック部門のアジア地域 統括責任者であるアルバート・キルヒマン氏が登壇。三菱ふそうトラック・バスの現地販売会社であるPT.KTB(Krama Yudha Tiga Berlian Motors)社長 辻昇氏とともに三菱ふそうトラック・バスにおけるインドネシア市場の重要性を語った。
三菱ふそうトラック・バスは、44年前にインドネシア政府の外資開放政策に呼応する形で三菱グループとして現地に進出。現地販売会社PT.Krama Yudha Tiga Berlian Motors、現地自動車組立会社PT.KRM(Krama Yudha Ratu Motor)、エンジン組立会社PT.MKM(Mitsubishi Krama Yudha Motor and Manufacturing)などの現地会社を通じて、中型トラック「FUSO」、小型トラック「Colt Diesel」を販売している。
キルヒマンCEOは、三菱ふそうトラック・バスの2013年の販売台数が、ダイムラートラックグループの37%を占める17万2700台になることを示し「三菱ふそうがなければダイムラートラックはない」と、グループにおける重要性を語る。その三菱ふそうトラック・バスの国別販売台数で1位となるのがインドネシアで、2014年の6月までの販売台数は3万3579台。2位の日本が2万2375台、3位のUAEが3949台なので、三菱ふそうトラック・バスにおけるインドネシア市場の重要性が分かる。
このインドネシア市場に、全長11.967m(キャビンを除く積載長9.407m)のスーパーロングタイプのトラックであるFJ 2523R 6x2を投入するのは、インドネシアの積載需要が増えているほか、渋滞が激しくなっているため。渋滞に対しては小型トラックを多数運用するよりも大型トラックを運用するほうが有効で、ユーザーの要望に応えていく。また、ミキサー車は建設需要が旺盛なインドネシア市場に応えるために投入。常時ミキサー部分を回転させる必要があるミキサー車は後付けの架装が難しく、FJ 2528M 6x4ではエンジンPTO(Power Take Off)を備えることで、ミキサーの常時回転を可能としている。
10月に直接選挙によるジョコ・ウィドド新大統領(現地ではジョコウィ氏と呼ばれているため、以下ジョコウィ氏)が誕生するインドネシアでは、現在新政権発足前の買い控えが起きていること、石炭の買い取り価格が下がっているため石炭業者のトラック購買意欲が下がっていることなどから、2014年後半の販売台数は落ち込む見込み。しかしながら、ジョコウィ氏が経済に明るいこと、民主主義的な選挙によって選ばれた大統領であることから、今後のさらなる経済成長への期待が高い。
辻社長は、長期的には年平均5%の成長を見込んでおり、2015年には2013年のレベルか、それ以上の販売台数を実現できるとした。三菱ふそうトラック・バスは先行してインドネシアに進出したことにより、44年間トップシェアを取り続けてきた。近年は競合他社の進出により、販売競争が激化。シェアは47%となっている。キルヒマンCEOは、積極的な新型車投入と販売網の充実などで、長期的には「50%のシェアを目指す」と語った。