イベントレポート 東京オートサロン 2025

「2025年モリゾウの10大ニュース」発表のトヨタ、エンジンをリアミッドシップに搭載した魔改造「GRヤリス」も登場

2025年1月10日~12日 開催

新型2000ccエンジンをリアミッドシップに搭載したGRヤリスが登場

 TOYOTA GAZOO Racingは1月10日、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開幕した「東京オートサロン 2025」にてプレスカンファレンスを実施した。

 例年、この場には“普通のクルマ好きおじさん”ことモリゾウ氏(豊田章男会長)が登壇しているが、米国で開催された「CES2025」からの帰国で体調を崩してしまい不参加となった。そこで高橋智也GAZOO Racingカンパニープレジデントを筆頭に、レーシングドライバー石浦宏明選手、大嶋和也選手、豊田大輔選手が登壇し、トークショーを実施した。

ステージにはGRヤリスと80スープラ
モリゾウ氏の代役としてトークショーを実施
高橋智也GAZOO Racingカンパニープレジデント
GRカローラが愛車という石浦宏明選手
大嶋和也選手はGRMNヤリス
豊田大輔選手はスライドドア好きらしくシエンタが愛車
モリゾウ氏(?)を発見
こちらは7歳のモリゾウ少年

 今年のテーマは「2025年モリゾウの10大ニュース」。2025年が始まってまだ10日ほどしか過ぎていないものの、モリゾウさん自身がモリゾウさんに起こるだろうニュースを選んだものにある。それぞれの内容は写真を見てもらうとして、いくつかをピックアップしていきたい。

 まずは4位に入った「ニュル24時間レースをGRヤリスで完走!モリゾウ男泣き」。2007年から参戦し2019年からはコロナ禍もあり一時休止、今年ついに復活となるという。そこに参戦するのが「ヤリスTG-RR」。スペック的には昨年発表された進化型ヤリスがベースとなっており、1.6リッターの「G16E-GTS」エンジンと8速AT「GR-DAT」を組み合わせたもの。3位に入った「Rが増えた」もこの関連で、これまで車名が「ヤリスTGR(TOYOTA GAZOO Racing)」だったが、今回からはTOYOTA GAZOO ROOKIE Racingとなり、Rが1つ増えることになった。ちなみに「スーパー耐久シリーズ」もこちらで参戦になるという。

 MCが代読したモリゾウ氏のコメントでは、「そもそもニュルはGAZOO Racingで参戦していました。会社にも認められず、トヨタの名前をつけることが許されませんでした。10年経ってようやくトヨタがつきます。ワークスになってTOYOTA GAZOO Racingになりました。しかし、ワークスになってしまったTGRは、WECやWRCなどの世界戦を戦う中で、モータースポーツの現場で進める“もっといいクルマ作り”という大切な気持ちが薄れていってしまいました。自分の居場所がなくなってしまったなとモリゾウは感じていました」。

「そこでまたモリゾウがトヨタから飛び出していったというのがROOKIE Racingです。プライベートチームのROOKIE Racingを立ち上げてS耐に参戦しました。そうしたら、GRのエンジニアたちが壊しては直すクルマ作りを一緒に進めてくれるようになりました。GRヤリス、GR86、GRカローラ、そして水素エンジンのエンジニアたちです。エンジニアたちの心に、成瀬さん(故人)とやってきたころの純粋な気持ちが蘇ってきた感じがしました。モリゾウが真ん中にいれば、TOYOTA GAZOO RacingとROOKIE Racingは一体になれる。そうすれば、モータースポーツを起点としたもっといいクルマ作りのスピードをもっと早めていける。そんな思いで、今年のニュルやS耐にはTGRとROOKIE RacingのRRを合体させてTG-RRで参戦いたします」と車名への思いを明かした。

予言的10大ニュースを発表
10位はこの日すでに実現
9位から5位まで
ニュル24時間レースに6年ぶりに参戦し優勝を目指す
参戦車両はヤリスTG-RR
ヤリスTG-RR
ヤリスTG-RR

 2位の「2000ccエンジンが走り出した」と1位の「ミッドシップが走り出した」は、初出展となる「GRヤリス M コンセプト」を指したもの。こちらはGRヤリスをベースに開発中の新型2000ccエンジンへ換装するとともに、リアミッドシップに搭載するというなかなかの魔改造モデル。

 このエンジンは直列4気筒2.0リッターターボの「G20E」型で、昨年のオートサロンでモリゾウ氏がその存在をチラリと明かしたもの。モータースポーツ向けとしては600PS以上を目指して開発しているといわれている。そしてこれをリアミッドシップに搭載。駆動方式はフロントにも駆動力を配分する4WDを採用する。気になるのはトランスミッションだが、こちらは今のところ検討中の段階と担当者。前後重量配分に関しても今のところ公表できる段階ではないという。こちらはスーパー耐久への今年度中の参戦を目指しているといい、その際は「ST-Q」クラスでの出走となりそうだ。

新型2000ccエンジンが始動
それもミッドシップ
GRヤリス M コンセプト
直列4気筒2.0リッターターボの「G20E」型エンジン

 なお、開催期間中、この10大ニュースを深堀するトークショーを開催する予定だという。YouTubeで見ることができるので、時間がある方はチェックしていただきたい、

10大ニュース
最後にフォトセッションを実施

出展車両

モリゾウガレージ

 モリゾウが子供のころに走っていたクルマを集めたコーナー。1960年代の懐かしいモデルたちが、7歳のモリゾウ少年とともに出迎えてくれる。

モリゾウガレージに並べられた1960年代の懐かしいクルマたち
スバル360(1967年式)
マツダR360クーペ(1960年式)
ダイハツミゼット(1962年式)
トヨタカローラ(1966年式)

GRヤリス エアロパッケージ(プロトタイプ)

 進化型GRヤリスをベースにエアロパーツを装着したモデル。装着されているのは「ダクト付アルミフード」「Frリップスポイラー」「フェンダーダクト」「燃料タンク下カバー」「可変式リアウイング」「Rrバンパーダクト」の計6アイテム。販売方法や価格は未定とのこと。

GRヤリス エアロパッケージ(プロトタイプ)
可変式リアウイング
フェンダーダクト
バンパーを金属製のボルトで留めることで剛性アップが実現できるという。ヤリスTG-RRも同様の固定となっている

ニュルブルクリンク24時間レースの参戦車両

GR SUPRA #90(2019年ニュル24h参戦車両)
TOYOTA 86 #86(2014年ニュル24h参戦車両)
LEXUS LFA #48(2014年ニュル24h参戦車両)
TOYOTA ALTEZZA #109(2007年ニュル24h参戦車両)

そのほか

海外仕様向けのパーツを装着したランドクルーザー70
ランドクルーザー300 GR SPORT(ダカールラリー2025参戦仕様車)
ランドクルーザーの始祖的存在のトヨタBJ型
安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。