長期レビュー
高橋敏也のトヨタ「86(ハチロク)」繁盛記
その16:「富士スピードウェイへの道、後編」
(2014/9/26 00:00)
富士スピードウェイの第一印象は「広いな」ということ。観客席から見れば分かることなのだが、クルマに乗ってコースに出ると、まったく異なる景色が広がる。それでもやっぱりコースは広かった。私が、私のハチロクで走っているこのコースは、F1カーが走り抜けたコースなのだ。そう思えば感慨もひとしお、とはならないのである。というか、そんなことを考えている暇はなかったのだ。生まれて初めてサーキットに出て、スポーツ走行にトライしたおっさんには、ほかのことを考える余裕など一切なかったのである。
余裕がないというのは、得てしてわるい方向に物事が運ぶ。しかし今回の場合は、この余裕のなさがよい方向に働いてくれた。富士スピードウェイのコースにスポーツ走行で生まれて初めて出たおっさん、すなわち私は3つのことしか考えていなかった。まず「ルールを守ってほかのドライバーに迷惑をかけない」、次に「サーキット施設やクルマを壊さない」、そして「2つの条件を守りつつ、できるだけ速く走る」、この3つだ。それ以外はもう、自分の名前すら忘れてしまうほどの状態である。
スタンド前のストレートでトップスピードまで加速、ブレーキをかけつつ第1コーナーに飛び込んで右に抜けていく。もちろん私のハチロクはほぼノーマルなので、180km/hを超えるか超えないかというあたりで、スピードリミッターが働く。というか180km/hですよ、あなた。高速道路を走っても100km/h、もちろん今の今までスピードリミッターを効かせたことなどない。もうそれだけで大変なことなのに、気がつくと目の前に右へ抜けていく第1コーナーが。
ああ、どうしてこんなことになったのか(これはピットに戻って休憩している時に思ったこと。先ほども書いたが、コース上ではそんなことを考えている余裕はない)。そう、すべての始まりはスポーツドライブロガー(以下、ロガー)なのである。ロガーをハチロクに取り付けた。ロガーで記録した走行データはソニーのコンシューマゲーム機「プレイステーション3(以下、PS3)」で再現できる。ただし、レースゲームでの再生だから、対応するのはサーキットのみ。だったらサーキットへ行って走ろう!
不肖・高橋、サーキットライセンスを取得したのも、サーキットコースをスポーツ走行するのも生まれて初めて。もちろん私の愛車、ハチロクだって工場から出て初めての体験である。まあ、いいんですけどね。何事にも「最初」ってのはある訳だし。
スポーツ走行用の装備はOK?
おやつは300円まで、ピットロードは60km/hまで。いろいろとルールのある(おやつを除く)サーキットだが、それはドライバーを守るためのもの。自らと自らのクルマの限界にチャレンジする人も多い訳で、きちんとルールを決めておかなければ大変なことになるのは目に見えている。一般道には一般道の、サーキットにはサーキットのルールがあるのだ。
もちろんスポーツ走行時のドライバー装備にもルールがある。まあ、一番分かりやすいのはヘルメットだろう。スポーツ走行時にはドライバーにヘルメットの着用が義務づけられており、そのヘルメットもFIA(国際自動車連盟)やJAF(日本自動車連盟)が公認したもの、JISやSNELLといった規格を通ったものでなくてはならない。ちなみにバイクの場合はフルフェイス型でシールド付きのものになるが、クルマの場合はジェット型でもフルフェイス型でもよい(注:レースカテゴリーによってルールが異なる)。
着用する衣服に関してもルールがある。いわゆるレーシングスーツ、レーシンググローブ、レーシングシューズを着用し、指先や手首が露出しないものが求められる。もちろん不燃性、難燃性であることが望ましい。ほかにもバラクラバ(フェイスマスク)やレース用のアンダーウェア、首へのダメージを軽減させるHANS(Head And Neck Support)といったものの使用が推奨されている。
さて、サーキットでスポーツ走行をすることが決まったため、私もその装備を用意しなければならなくなった。しかし、バイクのスポーツ走行装備ならそれなりに分かるが、クルマとなると皆目見当がつかない。そこで友人、知人に聞いたりネットで調べてみたり。ほぼ見通しがついたところで、別の問題発生。どんな雰囲気で装備を揃えようか。おっさん、正直なところ派手なのは苦手である。なのでバイク用のウェアやヘルメットも、基本的的には黒系で統一している。ならばクルマ用の装備も黒系で決めてみるか……。
結果は真逆。ある意味、ど派手な赤系ですべてを揃えてしまった。というのもヘルメットを探していて「これがいい!」というのを見つけてしまったのだ。それがアライヘルメットの「GP-J3 86モデル RED」、赤い4輪競技用オープンフェイスヘルメットだ。GP-J3 86モデルには黒/赤/白と、3色のカラーバリエーションが用意されている。そのうちの赤いタイプが私のハチロク、ライトニングレッドにピッタリだと思ったのだ(注:“私に”ではなく“私のハチロク”にピッタリに見えた)。よし、こうなったら派手でも何でもいい、このGP-J3 86モデル「赤」を軸に装備を決めよう! そう考えた。
あとは比較的スムーズに進んだ。知人に教えてもらったレースギアブランド、アルパインスターズでスーツ、シューズ、そしてグローブと小物を選ぶ。赤いヘルメットなのだから、赤いスーツ、赤いシューズ、そして赤いグローブを選ぶ。具体的にはスーツがGP RACE SUIT、シューズがTECH1-T SHOES、そしてグローブがTECH1-Z GLOVESである。便利なのはそれぞれのギアで「31 RED BLACK」を選ぶと、簡単にトータルコーディネートできることだ。
バイク装備は黒系で、クルマ装備は赤系で。まあ、それもいいじゃないかと思いつつ、自宅で試着してうろうろしていたところ、ポニョ嫁に「サンタさんじゃ! 変なサンタさんじゃ!」と言われたのは決して忘れない。
下見走行は必須と思います
さて、ライセンスを取得したら、次は下見走行である。これはライセンス講習後に行われるもので、レーシングコースを先導車の後について自分のクルマで走るというものだ。まさに「コースの下見」であり、コースレイアウトを把握したり、ポストの位置確認といったことが行えるよい機会となっている。
この下見走行では、服装などを気にする必要がなく、講習にきた時のもので構わない。また、クルマの場合は同行者を乗せることもできる。周回は2~3周ほど、先導車はコースを確認するのに充分な、それでいて決して遅くはない絶妙なスピードで走ってくれる。私は1周目で周囲をじっくり観察し、2周目でコースレイアウトをじっくり確認した。ちなみに富士スピードウェイの場合、ポストは17カ所あるのだが、私は15カ所しか見つけられなかった。残り2カ所はいったいどこにあったのやら……(不安)。
なお、講習日によっては下見走行がない場合もある。その場合は講習後に「下見走行引換券」というのが貰える。後日、下見走行がある日にその券を持っていけば、その時の走行に参加できるというシステムだ。もちろんライセンスは講習後に発行されるので、空きさえあれば下見走行をしなくても、その日のうちにスポーツ走行が行える。だが、サーキットを走ったことがない私のような場合だと、可能な限り下見走行を行った方がよい。経験者が言うのだから間違いないと思って欲しい。なので不安があるようなら、ライセンス講習は下見走行のある日に受けるとよいだろう(下見走行の有無は富士スピードウェイの公式サイト内のカレンダーで確認できる)。
ブリヂストンのタイヤとともに橋本さん登場!
装備は揃った、ライセンスも取得した、ハチロクの方もブレーキパッドとオイルはスポーツ用に交換してある。下見走行をしてコースレイアウトは頭に叩き込んだ(つもり)。これでスポーツ走行の準備はすべて整った……のだが、実はもう1つ、やらなければならないことがある。そう、タイヤ交換だ。なんとこの日のためにCar Watch編集部が、ブリヂストンのスポーツラジアルタイヤ「POTENZA RE-11A 2.0」をホイールごと用意してくれたからだ。
16インチサイズのホイールに、POTENZA RE-11A 2.0。この組み合わせはハチロクやBRZのワンメイクレースで決められたレギュレーションに準じている。86レースと似たような環境にしてサーキット走行を体験して欲しいという編集部の親心なのか、はたまた同行した編集さんが使ってみたかっただけなのか。そのあたりは未だに謎だが、まあ、ありがたく使わせてもらおう。
という訳でタイヤ交換もあるし、撮影もあるということでピットを確保した。さらにせっかくだからスポーツ走行に詳しくて、いろいろアドバイスをしてくれそうな人を呼ぼうじゃないかということで、登場したのがCar Watchではお馴染みの橋本洋平さん。「GAZOO Racing 86/BRZ Race」で活躍するアマチュアレーサー(れっきとした自動車ジャーナリストですが)である。
そんな橋本さんと私、実は以前に会ったことがある。前回の高橋滋さんと同じパターンで申し訳ないのだが、橋本さんと私、86 ACADEMYの「コントロールテクニックプログラム」(その模様はこちら)で会っていたのだ。高橋滋さんは私のインストラクターを、橋本さんは最後の体験走行で運転を担当してくれたのだ。当時の私は「こんなに運転の上手い人、普段は何をしているのだろうか?」とか、揺れまくるハチロクの中で思ったりもしていた。なるほど、普段はレースをしていたんだ(編集部注:自動車ジャーナリストです)。
さて、タイヤも揃ったしベテランレーサーも到着した。さっそく橋本さんに手伝ってもらいつつ、ノーマルタイヤをPOTENZA RE-11A 2.0に交換する。スポーツラジアルタイヤは見たことしかなかったのだが、実際に触ってみると表面に粘り気があるような印象だ。3人がかりということでタイヤ交換はすぐに終わり、後はもうコースに出るだけ。当日は月曜日ということもあって、我々が確保した走行枠はクルマが少ないらしい。当日の天候は曇り、路面の温度も気温もさほど高くなく、初心者には絶好のコンディション。
まずはオートエアコンをOFFにして、ドライブモードを「私の場合」はTRC(トラクションコントロ-ル)をON、VSC(ビークルスタビリティコントロール)をSPORTモードに設定する。これは橋本さんに教えてもらったことなのだが、スピンを防ぎつつ、ハチロクの運動性能を高めた状態で走る初心者向けのセッティング。橋本さんが走る際には、TRCもVSCもOFFにする。これは極力ハチロクをドライバーのテクニックでコントロールし、よりよいタイムを叩き出すためのセッティングとのこと。もちろんテクニックなどまったく持ち合わせていない私は、橋本さんに教えてもらった通りのセッティングで行くことにする。
ピットからピットレーンへと、静かに出て行くハチロク。時折、目の前のストレートを凄まじい排気音とスピードでほかのクルマが通過していく。ピットを出たところで一旦停止し、ロガーのスイッチを操作して走行データの記録を始める。さあ、いよいよスタートだ。
初めてのコースアウト!
ピットロードは60km/h以下、ピットロードからコースに出たらスピードが乗るまで右側をキープ。ピットロードを出てすぐに待ち構えている第1コーナーは、右側をキープしたまま抜けていくことになる。ちゃんとピットロードの制限速度も守ったし、右側キープも憶えていた。パニックにならなかった自分を、自分で褒めてあげたい……などと考える暇はない。周回を進めていけば当然のごとく次から次へとコーナーが現れ、シケインがあり、ストレートを爆走することになるのだから。
オートエアコンを切り、多少温度が高めな車内には水平対向エンジンの音、いわゆるボクサーサウンドで満ちている。ちなみにコース上では窓を開けない。開けてもほんの少し、多少風が入る程度だ(もちろんオープンタイプは話が別)。これにはちゃんと理由があって、クルマが転がった際に窓から手を出さない、出ないようにするためだ。講習で聞いたのだがクルマが転がると、時として本能的に手を出してしまうのだそうだ。
生まれて初めてのコースインから生まれて初めての周回、そしてついにたどり着くのがメインストレートだ。最終コーナーを抜けてストレートが見えたら、アクセルをベタ踏みする。SPORTモードに設定しているため、各ギアが多少引っ張り気味にシフトアップしていく。あっという間に150km/hを突破、メインスタンド前をリミッターが効いた状態、すなわち180km/hで駆け抜ける。そして生涯2度目の第1コーナーが見えてくる。
第1コーナーへの進入はフルブレーキング後となる。スピードに乗ったところからのフルブレーキング、きつい第1コーナーへの進入だが、不思議なことに私のような初心者でも無難にこなすことができる。実は同じことがダンロップコーナー、すなわちシケインに関しても言える。スピードを落としつつ、多少乱暴に抜けていくシケインだが、コントロールを失うことはない。そう、第1コーナーやシケインといった分かりやすい難所は、こちらも必要以上に気を使って走っているのだ。だから無難にこなすことができる。
無難にこなせなかったのは、ストレートの2つ前、左へと曲がっていくいわゆるプリウスコーナーだ。なんとここで私は、生まれて初めて(今回、初めてが多いなあ)のコースアウトを体験したのである。実は第13コーナーからプリウスコーナーを抜け、最終であるパナソニックコーナーへのコースは、アクセルワークが重要となる。いかにスピードをコントロールして素早く抜けるかがポイントになるのだが、ここで無造作にアクセルを踏むと私のようにコースアウトしてしまうのだ。
コースアウトした瞬間というか、コースアウトする直前、頭の中では「ああっ、出る! 出る! 出た!」とか思っていたり。縁石を乗り越える時のショックは大きくなく、さすがは広々とした富士スピードウェイ、コースアウトしてからの立て直しは初心者にも楽である。「あちゃー」とか思いつつも周囲を確認、特に後続車の有無をしっかり確認してからコースへと戻っていく。失敗したという後悔よりも、自分の技術不足を悔しがる気持ちの方が大きい。
富士スピードウェイの周回は、私のATハチロクだと2分以上は絶対にかかる訳で、レーシングコースの走行枠としては「NS-4」か「ツーリング」となる。ちなみにNS-4はラップタイム2分よりも遅いペース、ツーリングはラップタイム2分20秒より遅いペースで走行するクルマを対象としている走行枠だ。これらの走行枠をいくつか使い、橋本さん、そして編集さんも私のハチロクでコースを走る。
そして気がつけば夕方近く。表面が見事に溶けたPOTENZA RE-11A 2.0を取り外し、元のタイヤに戻す。こうして私の初サーキットは、コースアウトこそ何度かやらかしたものの、ほかの人に迷惑をかけず、重大事故も起こさず終わることができた。最後の最後にUSBメモリをコネクタに接続し、ロガーのデータを移動させる。さてこのデータ、ちゃんと「グランツーリスモ6(GT6)」で再現できるのだろうか?
GT6上でもコースアウト!
富士スピードウェイから持ち帰った、ロガーで記録した走行データ。これをPS3で動作するレースゲーム、GT6上で再現するところまでが今回の仕事である。まずは走行データをバックアップ(重要ですよ、パックアップ)し、PS3で読み込めるUSBメモリに任意の走行データをコピーして準備完了(注:GT6は最新版までアップデートをかけること)。
PS3を起動し、USBメモリを接続する。そしてGT6を立ち上げ、ホーム画面の一番右にある「GPSビジュアライザー」を実行する。このGPSビジュアライザー、サーキットでの走行データを元に、リプレイデータを生成する機能。要するにこの場合は、私がロガーで記録した富士スピードウェイの走行データをリプレイ、すなわち再現できるのである。
GPSビジュアライザーを起動すると、自動的にUSBメモリの内容を見て対応する走行データがあれば、それを画面にリスト表示してくれる。任意の走行データを選ぶと、富士スピードウェイの「F」か「GT」かを選ぶ画面になるので、今回の場合はコーナー数が16の「F」を選ぶ。次に車種とボディーカラーを選択、もちろん赤のハチロクを選ぶ。すると走行データが解析され、リプレイ画面が表示される。
なお、このGPSビジュアライザーには走行ラインを調整する機能や、コースに自動的に合わせてくれる自動フィット機能などがある。クルマの位置はGPSデータで記録されているため、場合によってはコースとズレが生じている場合もある。それを補正する機能なのだが、幸いにも今回の私の走行データはどちらもOFFの状態で大丈夫だった。
走行データを実際にリプレイしてみたのだが、ピットロードからコースイン、第1コーナーあたりまでは若干のズレが生じていたが、それ以降はほぼ正確に再現されている。画面には車速やギアポジションも表示されるので、サーキットで自分がどういった走りをしているかを、客観的に把握するのには実にいい機能だ。再生中に視点を変更することもできるので、さまざまな角度から自分の走りを観察できる。
思わず赤面したのは、人生初のコースアウトまでちゃんと再現されたこと。コースアウトして減速、周囲の様子をうかがってからコースに復帰するところまで実にリアルに再現されてしまった。いずれにしてもタイムを縮めたいという人、サーキット走行の状況を記念に残しておきたい人、はたまたレースチームのデータ解析にも使える機能であることは間違いないだろう。
以下は筆者のスポーツドライブロガーによる富士スピードウェイの走行データ。GT6のGPSビジュアライザーで「走行ライン調整」「自動フィット」をOFFにしてリプレイ(編集部注:水平方向調整・垂直方向調整を行ってお楽しみください)。以下の「こちら」をクリック後にダウンロードできる「20140623131209.DAT」が実際のファイルとなるので、PS3+グランツーリスモ6にそのDATデータを読み込ませてほしい。
●筆者の走行データは「こちら」からダウンロード(再生にはPS3+グランツーリスモ6が必要)
●橋本さんの走行データは「こちら」からダウンロード(再生にはPS3+グランツーリスモ6が必要)
絶対お薦めサーキット体験
もう1つ面白かったのは、私のハチロクが搭載しているサイバーナビには、スカウターユニットというカメラと一体になった機能がある。カメラで撮影した映像を解析して、ドライバーにさまざまな情報を提供してくれる実に賢い機能なのだが、実はもう1つ重要な役割があるのだ。それがドライブレコーダーとしての機能だ。
設定はさまざま用意されているのだが、私の場合はハチロクの電源をONにしたところからすべて記録する、フルレコードの状態にしてある。ということはですね、富士スピードウェイを走った時の映像もしっかり記録されているということなのだ。しかもサイバーナビのスカウターユニットで記録した映像、私はカメラが高解像度(約100万画素)になったモデルを使っているので、結構キレイなのである。さっそく当日の映像を探し出して再現してみたところ、しっかり映ってました、コースアウトした瞬間が! 映像とともに音声も記録されるので、コースアウトした瞬間に変なこと言わなくてよかったと思ったりして。
さて、スポーツドライブロガーの取り付けから始まったサーキット走行。実際にサーキットを走ってみて特に感じたのは「自分と自分のクルマの限界を知りたいなら、サーキットへ行くしかない!」ということ。いや、当たり前の話ではある。公道でリミッターの効く速度を出せる訳もなく、公道でコースアウトというのは、もうその段階で「事故」なのだから。
サーキットはルールをしっかり守り、自分を過信しなければ安全な場所である。もちろんライセンスを取得しなくてはならないし、ライセンス料もかかれば、走行するのにもピットを借りるのにもコストがかかる。スポーツタイヤに履き替えたり、オイルやブレーキバッドを交換するのにもお金がかかるだろう。だが、サーキットへ行かなければ、サーキットを走らなければ絶対にできないことがある。
クルマを、クルマの運転を楽しみたいというのであれば、ぜひともサーキットへ行ってみて欲しい。何も最初からライセンスを取得して……と身構える必要はないと思う。体験走行でもよいし、スポーツ走行を見るだけでもよいと思う。そこから何かが始まれば、それはそれで面白いと私は思う。
さてその私はというと、次の富士スピードウェイをどうしようか思案中である。というのも私の場合、バイクのライセンスも取得したので、バイクによるサーキット走行も可能なのだ。いやいや、ハチロクでもっと走りたいという気持ちもあるし、クルマで行くか、バイクで行くかを現在思案中。それから最後に富士スピードウェイでスポーツ走行を楽しむ皆さん、赤いハチロクに乗った上から下まで赤いギアで固めた髭面のおっさんがいたら、たぶんそれは私かも知れません。赤いからといって決して3倍速ではありませんので、どうか優しくパスしてあげてください。もしその赤いおっさんが異様に速かったら、それは私ではなくどこかの少佐です。
(C)Sony Computer Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands
and associated imageryfeature in this game in some cases include
trademarks and/or copyrighted materials of their respectiveowners. All
rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations,
entities, businesses, ororganizations is not intended to be or imply
any sponsorship or endorsement of this game by suchparty or parties.