長期レビュー

日沼諭史の「お父さんと家族のCX-3」

第2回 ファミリーのために装備したい、1000円以内でそろう収納グッズ+α

ファミリーカー的視点でCX-3の収納を考えてみる

 前回からかなり時間が空いてしまった。2015年の年末に購入したマイ「CX-3」は、早くもあと1カ月ほどで丸1年を迎える。この間に商品改良した新型CX-3も発表され、うん、なるほど、筆者が現行モデルを購入する際に、その前の世代のCX-3を購入していたユーザーの気持ちがなんとなく分かる気がする。そう、新型がうらやましい!

 それはともかく、購入から10月末までの走行距離は約4400kmだった。月平均に換算すると440kmということになり、これは以前乗っていた「ステップワゴン」の月間平均約1000kmに比べると半分以下だ。感覚的に同じくらい乗っているような気がするのは、MT車のおかげで「走っている実感」がより強く感じられるからなのかもしれない。

 走行距離が半分になっても、ほとんど週末に走っていることを考えれば、土日でだいたい100kmほどのまとまった距離を移動している計算になる。渋滞しがちな都内の移動も多いので、車内にいるのは時間にすれば平均してだいたい3時間くらいだろうか。この移動時間、家族がより快適に車内で過ごすためには、やはりいろいろな快適グッズや子供用精神安定化アイテムが必要であり、それを収納するスペースも必要だ。

 前回少し触れたように、CX-3はそれほど大容量の収納を装備しているわけではない。ファミリーカーとして活用するにあたり、もともとスペースに余裕のないCX-3の車内で、いかにして収納を充実させるかは大きな課題の1つだった。なんとかして、これを多少なりとも解決する方法を探ってみたい。

 マツダ純正の収納アイテムもいくつかオプションで用意されているけれど、わりといいお値段がする。お金をふんだんに使えば(方向性を間違わない限り)快適になるのはあたり前なので、ここは1アイテム1000円以内という上限を決め、できるだけ安価に収納を増やそう! それでいてみすぼらしくない雰囲気に! というのが今回の趣旨である。

CX-3の収納力をファミリー的な視点でチェック

 まず最初に、CX-3のスタンダード状態の収納を確認しておこう。列挙すると、以下のようになる。

【フロント座席周辺】

・左右ドアポケット(ボトルホルダー)

フロント左右ドアポケット(ボトルホルダー)

・フロントコンソール

フロントコンソール

・カップホルダー+マルチトレイ

カップホルダー+マルチトレイ

・カードホルダー(サンバイザー裏)

カードホルダー(サンバイザー裏)

・格納式メガネケース(オーバーヘッドコンソール)

格納式メガネケース(オーバーヘッドコンソール)

・グローブボックス

グローブボックス

【リア座席周辺】

・左右ドアポケット(ボトルホルダー)

リア左右ドアポケット(ボトルホルダー)

・助手席シートバックポケット

助手席シートバックポケット

【後部ラゲッジスペース】

・ラゲッジルーム

ラゲッジルーム

・ラゲッジルームカバー上(リアウィンドウ前スペース)

ラゲッジルームカバー上(リアウィンドウ前スペース)

 なんだ、意外にあるじゃないかと思われてしまうかもしれない。が、ラゲッジルームはともかく、それ以外の収納スペースは基本的にこぢんまりとした作りだ。ある程度スペースのありそうな部分のうち、グローブボックスは分厚いマニュアル類で占領されているし、リアウィンドウ前のスペースは、高さのあるモノを置いたりすると後方確認時に視界が遮られてしまうことがある。

 だから、かさばる装備やアイテムを多く載せたいファミリーカーとして、運転や移動中の家族の邪魔にならず快適に過ごせるようにするには、それなりに工夫が必要だ。ドリンクはドリンクホルダーがあるのでいいとして、運転席と助手席付近には、サイフ、スマートフォン、書類、ティッシュ箱、ゴミ箱などを置く場所が欲しい。子供が座るリア座席はフロントよりいちだんと収納が少ないので悩ましいところだが、最低でも子供用のティッシュ箱、緊急用のおむつ、お尻拭き、タオルなどをすぐに取り出せるようにしておきたい。

 そんなわけで、車内の居住空間をいたずらに減らすことなく、少しでも収納スペースを増やすための収納グッズを、1アイテム1000円を基本的な上限として徐々に買いそろえていった。ほとんどが汎用品なので、これらはCX-3に限らず使えるはず。さりげなく収納を増やしたいと思っている人にわずかでも参考になれば幸いだ。

ゴミの落下も防げるスリットポケット

1個わずか239円(送料無料)の樹脂製スリットポケット

New-Universal-Black-Car-Seat-Seam-Storage-Box-Slit-Pocket-Phone-Holder-Organizer
購入場所:ebay
価格:239円(送料無料)

 CX-3ではセンターコンソールの両脇、つまり運転席の座面左、助手席の座面右にそれぞれ1~2cmほどの隙間がある。その隙間に差し込んで使う収納グッズがこれだ。サイフやスマートフォン、書類などを入れておくのにちょうどよい幅(厚み)と高さで、ケース自体をしっかり下の方まで差し込んでおけば、シフトレバーやサイドブレーキの操作が妨げられることもない。

 なにより元からあるこの隙間、空いたままだと小さなゴミやお菓子をうっかり落としやすく、しかも奥まで腕が入らないほどの狭さなので、拾い出したり掃除したりするのが大変。でもスリットポケットをはめておけば、そうした小さなゴミなどが入り込むのも防げるので、一石二鳥なのである。1つ239円と安価なのもうれしい。運転席側用と助手席側用に2つ購入してもたったの478円だ(送料は無料だった)。

隙間にはめてみたところ
サイフやスマートフォンが入る
書類や掃除グッズを入れるのもアリ

自由度高し。ゴミ入れにもなる星光産業「アームレストポケット EH-168」

アームレストポケット

星光産業「アームレストポケット EH-168」
購入場所:ホームセンター
価格:1050円

 税込で1000円をわずかに超えてしまったが、星光産業「アームレストポケット EH-168」はサイズが手ごろで、取り付け場所や使い勝手のよさ、設置場所の自由度の高さが魅力のアイテムだ。アームレスト(CX-3にはないが)など棒状になった箇所を包むようにして挟み込み、マジックテープで固定するもので、アームレストだけでなく、細長いバー状の部分に取り付けられる構造となっている。

 ポケットに内蔵の仕切りで2分割して使ってもいいし、脇に畳んで仕切りなしで使ってもOK。筆者の場合は仕切りを畳み、助手席の前後スライドに使うレバーにぶら下げている。当初はゴミ入れにする予定だったが、妻の要請により現在は消臭剤置き場になっている。コンパクトで座席の真下に位置しているので、意外に足で蹴ったりすることはなく、邪魔になりにくいのもポイントだ。

現在は消臭剤置き場にしている。左上に見えるのは前のクルマの時から使っていたゴミ箱

意外と収納力の高いシートバックネット

シートバックネット

New Mesh Cargo Net Truck Storage Luggage Hooks Hanging Organizer Holder Seat Bag
購入場所:ebay
価格:582円(送料無料)

 CX-3のリア座席は、フロント座席よりスペースに余裕がなく、しかも日沼家では小さな子供2人がジュニアシートとチャイルドシートに座るため、モノの置き場所を作るのはいちだんと慎重になる必要がある。ここに安易に大きな収納グッズを追加してしまうと、体の小さい子供といえどもそれなりにストレスになってしまうだろう。……というようなことを考えると、使える場所やアイテムは限られてくる。そんななかで選んだのがこのシートバックネットだ。

 シートバックネットは、運転席や助手席の背面側にフックで引っかけて使うもので、まるでクモの巣のような見た目。実際にはネット部分が二重構造のポケットになっている。助手席背面にはすでにポケットがあるので、これは運転席背面にセットし、緊急用のおむつ2、3個、ゴミ袋、お尻拭き(アルコール不使用なのでウェットティッシュとしていろいろな場面で使える)を入れている。

 ネットが伸びるので、収納容量は意外に大きい。が、あまり欲張って入れると膨れて邪魔になるから要注意。また、運転席と助手席の間に張ることもできるけれど、その場合はフロント座席からリア座席に手を伸ばして子供の面倒を見たり、車内で前席と後席の間を行き来しにくくなったりするのが難点だ。

装着後はこんな感じ。控えめにモノを入れておくのがおすすめ

クルマには必携のティッシュ箱入れSEIWA「W699 4WAYティシュカバー」

SEIWA W699 4WAYティシュカバー

SEIWA「W699 4WAYティシュカバー」
購入場所:ホームセンター
価格:821円

 ティッシュがクルマにおける最重要アイテムの1つであることは疑う余地がない。前席と後席に1つずつ用意するのも、もはやクルマ乗りのマナー(?)と言っていいのではないだろうか。ただ、残念ながらCX-3にはティッシュ箱を入れておく専用スペースはないのである(以前まで乗っていたミニバンではダッシュボードにティッシュ箱専用スペースがあった)。そのため、前列シート用のティッシュは、運転席側のドアポケットに無理矢理突っ込んでいるのだが、後列シート用にもどうにかしてスペースを作りたかった。

 リアウィンドウ前のスペースにティッシュ箱を置いている人も多いとは思うが、先述のとおり、CX-3の場合は後方視界が遮られてしまうことがあるし、そもそもリアゲートを開いた時に天板が傾いてモノが落ちてしまうので、できるだけ何も置きたくない。そこで、ティッシュ箱についてもやはり前列シートの背面側を利用するべく購入したのがこのティッシュカバーだ。

 ベルトで固定するタイプの、あまり意外性のない平凡なアイテムになってしまったかもしれないが、ヘッドレスト付近に取り付けることで、とりあえず子供にとっては邪魔にならず、助手席からもまあまあ取り出しやすい位置になった。ただ、便利ではあるのだけれども、筆者としては実はあまり納得していない。なんかこう、普段目立たないのにスタイリッシュに取り出せる、みたいな形にしたいのだが。

助手席のヘッドレストにベルトで取り付けた
もろもろ装着した後のリア座席全体

番外編:インテリアにマッチする小型アナログ時計

思ったよりミニサイズだったアナログ時計

Mechanics Car Clock Digital for 12V Auto Time
購入場所:ebay
価格:593円(送料無料)

 ここからは収納グッズから離れてしまうことをお許しいただきたい。CX-3をしばらく運転していて気になったのが、現在時刻を確認しにくいことだった。時刻はナビ画面(マツダコネクト)の右上にデジタル表示されているのだけれど、運転中はどうにもそこに目が行きにくい。筆者は、時計はどこかに独立表示していてほしい、と思うタイプなのである。そういうわけで、進行方向からできるだけ目をそらさず、直感的に時刻が分かる方法を求めて探した結果、見つけたのがこのアナログ時計だった。

 高さ・幅・奥行きが各約3~4cmの、手に取ってみると想像以上に小さいアナログ時計で、時計本体部分だけを見ると腕時計並みの薄さ。背面側の黒く丸いケース部分と分離する構造になっていて、盤面を自由に回せるので取り付け後も好きな角度に調整できる。これを運転席右側のダッシュボードに固定すると、見た目にはなかなかしっくりきた。バックライトがないのが惜しい。

裏側から
後部の黒いカバーを取り外すと腕時計並みの薄さ
運転席右奥に設置してみた。見た目はかなりしっくりきている

ヒミツの番外編:ドライバーの快適性を高めるアルミペダル

アルミ製のマツダ純正アクセル・ブレーキ・クラッチペダル

アルミペダルセット
価格:約2万円

 いくらファミリーカー用途だとしても、やはりドライバーであるお父さん(筆者)がドライビングを楽しめなくては、家族に対してより快適な移動空間を提供しにくいものなのである。だから、1つや2つくらいはお父さんだけが快適になるグッズがあってもよいのではないか。

 そんなわけで、以上のような収納グッズや便利グッズを安価に買い集めている姿を家族(妻)に見せつけながらも、隙を見てこっそり純正のアルミ製ペダルセットとフットレストを購入、装着したのだった。こっそり、とはいっても、妻にはきちんと装着後の姿を見せて、「ふーん、いいんじゃない」なんてコメントまでもらい、カスタマイズ文化というものに対する理解を深めてもらっている……はずだ。

 ただし、値段が上記収納グッズ類の合計のゆうに3倍を超えるので、そのあたりはさすがにヒミツである。値段はたしかに張るけれど、運転中、直接頻繁に触れることになるこういったパーツは、カスタマイズしたことを常に実感していられるので、満足度が非常に高いなあと思った次第。家族のためのグッズも必要だが、ドライバーが楽しく安全に運転できるよう、ドライバーのためになるグッズも合わせて充実させていきたいものだ。

それぞれ単品で購入し、フットレストはブラックにしてアクセントをつけてみた

日沼諭史

日沼諭史 1977年北海道生まれ。Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、現在は株式会社ライターズハイにて執筆・編集業を営む。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、二輪や旅行などさまざまなジャンルで活動中。著書に「できるGoPro スタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)などがある。2009年から参戦したオートバイジムカーナでは2年目にA級昇格し、2012年にSB級(ビッグバイククラス)チャンピオンを獲得。所有車両はマツダCX-3とスズキ隼。