長期レビュー
日沼諭史の「お父さんと家族のCX-3」
第7回 マイカーに問題発生(?)しつつも、2018年最も役に立った快適カーグッズはこれだ!
2019年1月4日 00:00
あれよあれよという間に2018年が暮れ、日沼家のマツダ「CX-3」もとうとう最初の車検を迎えた。走行距離は3年で1万5000kmあまり。週末に家族と一緒にチョイ乗りするのがほとんどで、取材でツインリンクもてぎなどサーキットまでの移動に使うことはあっても頻繁ではないから、それほど距離は伸びなかったみたいだ。
本当なら日本全国津々浦々を家族とともに走り回って旅行してみたいところ。だけれど、2人の子供が4歳と5歳になって意味不明なギャン泣きはなくなったとはいえ、長時間のドライブになるとまだ耐えられない。しかも、いつの間にか「クルマに乗る=スマホの動画が見られる」という暗黙のルールが彼女らのなかでできあがっているらしい。YouTubeやらNetflixやらを見始めたが最後、目的地に着くまで、あるいは目的地に着いた後も、取りつかれたかのように延々とスマホ動画に夢中になってしまう。これはいけない。
もっとクルマに乗ること自体を楽しんでほしいんだけどなあ……。などと父親としては思うものの、身動きの取りにくい窮屈なジュニアシートに収まって、身長も低いから景色もまともに見られないとなると、ドライブがつまらないと感じるのも仕方ないのかもしれない。で、そうこうしているうちにマイCX-3に新たな問題が勃発したのである。
クルマ酔いを誘発するニオイが発生? その時日沼家は
経年とともに新車だったころのフレッシュさは確実に失われていっているのだろう。夏ごろから、上の子と妻がクルマの中のニオイが気になると言ってクルマ酔いするようになった。下の子と筆者はなんともない。エアコンのフィルターが汚れ始めていることも考えられるけれど、筆者としては症状もなければニオイが気になることもないので、まったく共感できず……。「もしかして:お父さんの体臭」。
いや、とりあえず体臭ではないと思い込むことにして、そうするとエアコンのフィルターを交換するのが近道かもしれないのだが、どうせなら3~4か月先(12月)の車検のタイミングで交換したい。けれども、それまでの間ニオイのせいでクルマに乗ってくれなくなるのは悲しい。どうしたものか……。と悩んでいた矢先、秋口に登場したのが、2018年最も日沼家で役に立ったカーグッズの1つとなるフォースメディア「オゾンの力 for ルーム」だった。
正確にはカーグッズではなく、「for ルーム」とあるように住宅用。オゾンの働きで消臭と除菌の効果を発揮する、小さな円筒形のデバイスだ。電源を入れて置いておくだけで、周囲の空気をキレイにしてくれるらしい。適用範囲の目安は最大6畳程度までの広さなので、シューズボックスやトイレ、わが家のこぢんまりした寝室にもちょうどよく、車内に置くのにもマッチするのではないだろうか、と思った。
しかもこの製品、外部電源だけでなく内蔵バッテリーでも動作するのがポイント。ノーマルモードとロングモードの2つのモードがあり、ノーマルなら約5時間、ロングならだいたい丸1日稼働するという。オゾンを発生させる仕組み上、密室となる車内で動作させながら長時間ドライブするのは避けた方がよさそうだ。
なので、クルマで使うときは自宅に駐車している間だけ動作させる、といった使い方になる。その場合、停車中はエンジンをかけておくわけにもいかないので、クルマから電源が取りにくい。でも内蔵バッテリーで動作する「オゾンの力」なら、その問題が簡単に解決するので大いに活用できる。
外部電源はMicro USBポートに入力する形。ここには一般的なモバイルバッテリーからも電力供給でき、大容量のモバイルバッテリーと組み合わせれば給電しながら長時間稼働させられる。車内が高温になる真夏に放置すると問題だが、すでに季節は秋で高温になることもない。まさにベストタイミングで発売されたこのアイテムをさっそくCX-3に導入してみた。
とはいえ、こういう消臭アイテムって本当に効果があるの? なんて疑問に感じる人もいるはずだ。家族に「コレ使ってるからニオイが消えるハズ。消えたよね?」なんて前のめりで聞いてしまうと、プラシーボ効果で「たぶんよくなったかも」と言わせてしまう可能性もなくはない。そこで、家族にこのアイテムを手に入れたことも、設置したことも一切話さず、駐車中にこっそり使って1か月ほど様子を見てみることにした。子供や妻がクルマ酔いしなくなったり、「最近ニオイしないね」などと向こうから言ってくれば効果あり、とみていいだろう。
「オゾンの力」で本当にニオイは消えるのか
最初に稼働させたのは、家族が一時的に出かけた2時間ほど。帰宅した後すぐに全員でクルマに乗って出かけることになったのだが、短時間しか使えなかったせいか妻や子供からは何の反応もなし。
というかこのタイミングで、妻が上の子に酔い止めの薬(飴玉)を用意するという、筆者にとっては大きなお世話となるファインプレーを繰り出し、いきなり検証の前提条件が揺らぐ。このままでは酔わなくなっても「オゾンの力」のおかげなのか、薬のおかげなのかが分からない。「今対策してるところだから飲まなくていいよ」とは決して言えないもどかしさ。なんてことをしてくれたんだ!
というような動揺は一切おくびに出すこともなく、次の週までに内蔵バッテリーで5時間ほど稼働させてみる。しかし、その後出かけたときにもニオイについては何のコメントもなし。上の子は相変わらず酔い止めの薬を飲み、ニオイがあるという前提なので口と鼻をタオルで覆いながらの乗車である。「そんな大げさなことしなくても、もう酔わないかもしれないよ」と言ってあげたいところだが、ぐっと我慢。妻の方は変化を感じているのかいないのか、表情からは読み取れない。だからといって「なんか変わってない?」とも言えない。
これは長期戦になるかも……。という覚悟を決めつつ、今度は大容量のモバイルバッテリーから電力供給し、少なくとも平日の間は連続稼働させて徹底的に消臭・除菌させてみることにした。そうして1週間経過後、週末にクルマに乗ってみると、なんと! 子供は酔い止めの飴をなめ、鼻と口をタオルで覆っている。妻からはコメントなし。何も変わってない!
いや、筆者としては変わったような感じはするのだ。今までニオイが気になったことはなかったけれど、1週間後の車内の空気はそれまでとは何かが違っていた。その“何か”が何なのかは言葉にしにくいが、筆者にとって不快とまではいかなかったかすかな臭気のようなものが薄らいでいる気がする。重たかった空気が少し軽くなったような感じ。そもそも妻、近ごろはクルマに乗っても酔ってる様子がないぞ。
でも、家族から何も言ってこない限り、こちらからは言わないと決めたのである。そうしてもう1週間、消臭・除菌を淡々と実行する筆者。そのうち、気が付いたら酔わなくなってました、たぶん冬になったからだね、みたいに結果がうやむやになりそうだったのだが、最初に稼働させてから3週間たったある日、妻が自らクルマの話を始めたのである。
だから筆者はつい「そういえば、最近ニオイはどうなの?」と聞いてしまった。聞かざるを得ない話の流れだったのだ。仕方がない。そして、それに対する妻の返答は「あ、なんとなく大丈夫かも? なんでだろう」というものだった。ニオイが気になっていたことすら忘れ、いつの間にか気にならなくなっていたようである。やっぱりそうか。だって酔ってなかったものね……。
子供はクルマに乗る前に必ず酔い止めの飴をなめるのが習慣になってしまったので、子供にとって「オゾンの力」による消臭・除菌の効果があったかどうか知ることはできない。けれども、少なくとも妻にとってはいつの間にかニオイが気にならなくなり、酔わなくなった、くらいには効果があったようだ。それだけでも導入したかいはあったと思う。ちなみに下の子は相変わらず酔わないし、ニオイも気になっていないようだ。
いろいろな快適グッズとともに2019年以降もCX-3でGo!
2018年に導入したカーグッズの中で、役に立ったもう1つが空調服「クールクッション KC1000B」。シートと身体の間にこもりがちな熱気を内蔵のファンで吸い出す定番アイテムだ。夏場は車内のクーラーを入れていても、汗っかきな筆者は背中とお尻から止めどなく発汗し、クルマを降りたらズボンがおねしょ後のような見た目になっていることもしばしば。そんな恥ずかしい事態を避けることができ、ドライブ中もベタつかず、常にサラサラな背中&お尻でいられるKC1000Bは、夏の必携アイテムとなった。CX-3標準装備のUSBポートから電源を取れるのもシンプルでいい。
番外としては、ドクターエア「3DマッサージシートS」。背中をほぐしてくれるマッサージ器で、コンパクトなわりにパワーがあり、日沼家で今最も活躍している癒しアイテムである。本格的なマッサージチェアは高額すぎて手が出ないが、3DマッサージシートSはわりとリーズナブルで、持ち運びも楽。これをツインリンクもてぎを往復するようなときに、高速道路のSA/PAなどでの休憩中に使えないか、と画策した。
のだが、「番外」としたのは、結局1度もドライブ中に使うことはなかったから。電力を供給(AC電源、消費電力45W程度)するには車載インバーターを使う必要があるのでエンジンを動かさなければならず、駐車中にアイドリングし続けるのは気が引けた。それに、取材に行くときはさっさと目的地に着きたいし、自宅に戻るときはさっさと帰りたいので、のんびりマッサージ休憩している時間が惜しい。移動に半日以上かかるようなロングドライブをするのならまた別かもしれないが、今のところは出番はなさそうだ。
そんなわけで3年間乗ったCX-3は無事12月の車検を終え、少なくとも次の車検となる2年後の2020年末まではおそらく乗り続けることになるだろう。MTが設定された2018年型のCX-5も気になったりはしたのだが、子供はまだ小さいし、快適カーグッズも充実してきているし、これといって不満もないので、2019年以降もしばらくはコンパクトSUVならではの身軽さを家族とともに堪能しようと思う。