長期レビュー

日沼諭史の「お父さんと家族のCX-3」

第6回 ボッシュの高圧洗浄機導入で、コイン洗車場の興奮と爽快感を自宅でも

ボッシュの高圧洗浄機「UA125」を購入。これで洗車がさらに楽しくなる

 すっかり連載をごぶさたしておきながら、振り返ってみると前々回が洗車で、前回がクリーニング系のお話で、今回が再び洗車ネタ。似た話題多くなってしまっていて大変申し訳ない。と思いつつも、手元に自由にできる2万円相当のギフト券があったので、ずっと欲しかった洗車用の高圧洗浄機を購入したのだ。

 1戸建ての自宅とクルマ、そして広い庭があるなら、自然と“高圧洗浄機”というものが頭に思い浮かぶのである。いつか見たアメリカンな雰囲気のTV-CMで、高圧洗浄機を楽しそうに使っているイメージが刷り込まれているからかもしれない。いや、わが家に広い庭はないんですけど。

「これを買え」と言わんばかりの奇跡的な価格

 なぜ高圧洗浄機を購入することにしたのかあらためて説明すると、ちょっとしたあぶく銭ができてしまったから。2017年から2018年前半にかけて、仕事で国内外のあちこちに行ったため、JAL(日本航空)のマイルが2万マイルほど貯まっていた。2万マイルだと、特典航空券に交換するにはやや少ないけれど、かといって有効期限切れで消滅してしまうのは惜しい。これをどうにかできないかと考えて調べたところ、1マイル=1Amazonポイント(ギフト券)に交換できることが分かり、さっそく申し込んだのである。

 2週間ほど待つと郵送されてくるコードを登録すると、Amazonギフト券を自分のアカウントに追加できる。この2万ポイント=2万円で、それまで欲しい欲しいと思っていて買えずにいた高圧洗浄機を購入することに。ずっと洗車していなかったせいもあり、春に降り積もった花粉で黄色味がかった「CX-3」。そろそろきれいにせよ、という妻からのプレッシャーも少しは影響したと思う。高圧洗浄機なだけに。

ルーフやボンネットに降り積もった花粉などなど。ずっと洗車をサボっていたせいで、汚れが定着しつつあるような……

 その前にホームセンターでいろいろなメーカーの高圧洗浄機をチェックしたところでは、1万円前後のリーズナブルな機種もあった。が、そういった製品は水圧(吐出水量)が低めでちょっと心もとない。コイン洗車場並みとは言わないまでも、ある程度の高圧洗浄“感”がないと使っていて気持ちよくないだろうし、ホースから直接水をかけるのと大差なさそうだ。

 というわけで、家庭向けとしてはそこそこパフォーマンスがよく、あまり高すぎない機種を、と思いながら探して見つけたのが、ボッシュの「UA125」というモデル。Amazon.co.jpでの値段はなんと1万9998円。これはもう、「これを買え」という何かの思し召しに違いないということで即決した。この原稿を執筆するタイミングでもう1度確認すると2万3000円に値上がりしていたので、ちょうどタイミングがよかったのかもしれない。しかも5%OFFクーポンも付いていて、最終的には1000円引きの1万8998円で、お釣りが出てしまった。

ほとんど2万円ぴったりの価格で販売されていたボッシュのUA125
最終的には1万8998円で購入できた

 ボッシュのUA125は、吐出水量が1時間あたり390Lと、他の同価格帯の製品と比べて1段階性能が高いのがポイント。さすがにコイン洗車場の水圧よりは落ちるものの、家庭用としては十分な性能だ。本体重量は6.8kgで、同等クラスの他製品と比べてかなり軽い。通常は水道の蛇口から水を供給するが、別売のホースを使うことで、溜め池などからの自吸にも対応する。そして何より、クルマになじみの深いボッシュ製というのがお気に入りである。クルマならボッシュしかないでしょ、という感じ。

ジェットモードを切り替えられる「3in1ノズル」が気持ちいい

パッケージ内容。ひと通りの付属品が揃っていて洗車などにすぐ使える

 届いたUA125はバラバラの部品になっているので、使うには組み立てが必要になる。と言っても、10~15分ほどで終えられる簡単なものだ。水を吐出する「ガン」と「ランス」を連結し、その先端に「3in1ノズル」を取り付けて、ガンと本体を高圧ホースで接続。さらに別の水道ホースで蛇口とフィルター、本体をつなぎ、電源ケーブルを差し込んで電源スイッチを回す。あとはガンを握り込んで噴射だ。

中性洗剤を入れて水と一緒に噴射できるようにするタンクと、噴射角度を90度変えて車体下などを狙いやすくするノズルも付属。まだ使ったことはない
他にもさまざまなオプション品が用意されている

 ただし、ここでちょっと注意したいのが、箱に記載されている組み立て手順と、同梱の説明書の内容が微妙に合っていないこと。どうやら箱に記載されているものは他機種と共通の内容にしているようで、細部に違いがあるため参考にしない方がいい。ホースの継ぎ手が2つあるように見えるのに、実際には1つしか付属していない、といった具合だ。説明書の方が正しいので、きちんと読んで組み立てたい。

箱に記載されている組み立て手順。ホースの継ぎ手が2つあるなど、実際の製品とは違うところがあるので、こちらはあまり参考にしない方がよさげ
これがガン。高圧ホースを差し込む
ガンとランス、3in1ノズルを接続した状態。子供に持たせると、なんとなく物騒な雰囲気に!?
本体にフィルターを装着
継ぎ手を接続した付属ホースをつなぐ
反対側は蛇口に
本体側は普段使っているホースリールの継ぎ手をそのまま使うこともできた
本体背面に、ガンから延びる高圧ホースを接続
電源ケーブルも接続して準備完了

 セッティングがひと通り完了し、ガンのハンドル部分にあるスイッチを握り込むと、本体のうなり音と共に水が噴射する。軽く押し返されるくらいの勢いで、ひどく強すぎず、かといって弱すぎることもなく、わりと想像していたとおりの水圧が感じられる。コイン洗車場で使う高圧洗浄機のように、ガーッと水をクルマに浴びせるのは大変気持ちがよい。

夢中になって噴射しまくる筆者

 先端に装着した3in1ノズルは、回転させるだけで3パターンの噴射に切り替えられる。通常の広範囲に噴射するモードと、回転するように噴射するロータリージェットモード、ピンポイントを狙えるワンポイントジェットモードが使える。サクサク切り替えながら洗車できる使い勝手のよさはクセになりそうだ。目に見える噴射パターンの変化すら楽しいので、意味もなく切り替えたくなるほど。

 本体の動作音は、周囲の環境によっては気になるかもしれない。筆者宅周辺は1戸建てが並ぶ住宅地で、幹線道路も近くにないのでわりと静か。早朝に動かすとやや近所迷惑に感じられそうな騒音になってしまう。噴射した水が車体に当たる音もそれなりに響くので、できるだけ昼間に使いたいところだ。また、住宅密集地では通りがかりの人に水がかからないようにするのはもちろんのこと、噴射した水が隣の建物やクルマにまで届いてしまうことがあるので、常に注意を払いながら洗車すべきだろう。

高圧洗浄機 UA125の噴射の様子(49秒)

しつこい花粉汚れは手洗いで。そして覚悟を持ってシミ取り剤を使う

高圧洗浄機の水洗いが完了。ここから手洗いし、シミ取りへ

 洗車において高圧洗浄機の出番となるのは、黄色い花粉などにまみれたマイCX-3の最初のホコリ取りと、スポンジで手洗いした後の洗剤落としの時。気になるUA125の洗浄力は、車体に付着しているおよそ9割9分くらいの花粉やホコリを取り除くことができるレベルと言えばいいだろうか。固着してしまった花粉は噴射の勢いだけでは落とせないことがあり、部分的に手洗いで取り除く必要があった。

 汚れが落ちないからといってしつこく噴射していると、車両の状態によっては塗装が剥離してしまったり、弱い車体だとボディが凹んでしまうこともあるようなので注意したい。当然ながら、雨水に含まれる成分によってボディ表面にできてしまったシミも、高圧洗浄機では取り除けない。なので、今回は手洗いをして水気をふき取った後、初めてシミ取り剤を使ってみた。シミ取り剤は、CX-3購入時に施工した純正ボディコーティング MGシリーズに付属するメンテナンスキット(サポート期間3年で型番は「K813-W0-790B」)に含まれているものだ。

メンテナンスキットに含まれるシミ取り剤とシミ取り用のスポンジ

 シミ取り剤はいわゆる研磨剤なので、使うとボディコーディングも一緒に削ってしまう恐れはあるが、納車からもう2年半近く経つので、そろそろやっちゃってもいいか、という気持ち。ただ、ボディ全体のシミを取るのはあまりにも時間がかかるので、ボンネットやドアノブ下などの目立ちやすいところだけ集中的に磨くことにした。その結果、納車時に近い(と自分では思う)美しい光沢を取り戻すことができたのだった。

このようなシミがあちこちにある
シミ取り剤で磨いた後。ツヤッツヤになった
洗車完了。まるで新車の輝き(と思いたい)

高圧洗浄機があれば洗車がもっと楽しくなる!

 UA125の組み立てから始めて、撮影もしながらなので、洗車にかかったのは2時間ほど。しかし、それにしてもコイン洗車場の高圧洗浄機を使う時のような興奮と爽快感を、自宅で心ゆくまで味わえるのはなんとぜいたくなことか。それだけでも買ったかいがあるというもの。一気に洗車の効率が上がって、「洗車したなあ!」という実感がいつも以上に沸くし、実際のところいつも以上にきれいに洗車できている気もする。

 UA125が活躍するのはもちろん洗車だけでない。家の壁や塀、コンクリートの地面の洗浄などにも使用可能だ。ガンやランス、ケーブル&ホース類は本体に装着した形でコンパクトにしまえるので、さっとUA125を引っ張り出して、汚れが目立ってきたところに噴射し、あっという間に美しいマイホームを取り戻して再びすぐにしまえる。

ガン&ランスは立てかけておける
本体のハンドルを立ててキャスターで移動できるなど、取り回しも良好
使用後はこんな風にケーブル、ホース類を収納してコンパクトに片付けられる

 ちなみに、今回も子供たちは最初は手伝ってくれていたのに、そのうち洗車より自分の遊びに忙しくなっていつの間にかどこかに行ってしまった。けれども、高圧洗浄機さえあれば最初から最後まで1人でも楽しく、気軽に、きれいに洗車できるし、ちっともさみしくない。さみしくないのである(さみしい)。

日沼諭史

日沼諭史 1977年北海道生まれ。Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、フリーランスのライターとして執筆・編集業を営む。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、四輪・二輪や旅行などさまざまなジャンルで活動中。Footprint Technologies株式会社代表取締役。著書に「できるGoPro スタート→活用完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)など。2009年から参戦したオートバイジムカーナでは2年目にA級昇格し、2012年にSB級(ビッグバイククラス)チャンピオンを獲得。所有車両はマツダCX-3とスズキ隼。