長期レビュー

高橋敏也の“帰ってきた”新型プリウス買ってみたレビュー

第3回 助手席優先が我が家の決まりです

 なんとかプリウスの連載を再開し、そのよい機会を与えてくれたCar Watch編集部に感謝しつつ(恐らく次々回、撤回します)第3回目である。まずは燃費を気にせず、プリウスをクルマとして楽しむという方向性にブレはない。私にとってクルマを楽しむというのは走ること、そしてカスタマイズするということになる。その点、新しいプリウスはかなりスタイリッシュなデザインとなっているため、例えばエアロパーツを取り付けると楽しそうだ。

 よし、3代目プリウスではハチロクでもやらなかったエクステリアのカスタマイズ、要するにエアロパーツにチャレンジしてみようじゃないか! そう心に決めてパーツメーカーのサイトを巡る日々。白いボディに似合う、そして大人らしい渋いエアロパーツはどれだろうか? いっそのこと、徹底的に派手にするという手もある。巨大なウイングは男のロマン(女性も可)! エアロパーツに合わせて車高を無理のない範囲で落とすのもいいなあ……。

「テレビが映らないじゃ!」

 天の声とはまさにこれ。助手席で寛いでいた我が家の支配者、ポニョ嫁はそう言い放った。大切なことなので繰り返すと「テレビが映らないじゃ!」である。そう、以前のハチロクに後付けしていたサイバーナビは、テレビをカーナビ画面に表示できるようにしていたのだが、今回のプリウスではトヨタ純正のプリウス専用T-Connectナビ 9インチモデル(DSZT-YC4T)が搭載されていて、走行中はテレビが映らないのだ。

 実はポニョ嫁、無類のテレビ好き。最近は歌手ではない人が歌のうまさを競い合う番組が大好きである。プリウスの助手席にいる間、9インチの大画面でそういったテレビ番組を楽しめると思っていたら……映らない! ああ、私はテレビをほとんど見ないし興味もあまりないので、走行中にテレビが映る、映らないをまったく気にしてなかった。いや、正直な話テレビが映らなくても私にとってはまったく問題ないのである。問題はそのことによってポニョ嫁の機嫌がわるくなることなのだ!

 よって我がプリウスのカスタマイズ計画は、大きな方向転換を余儀なくされた。エアロパーツ? サスペンション? まずはとにかく走行中でもテレビが映るようにして、ポニョ嫁の機嫌を取らなくては!

 と、その前に。「走行中、テレビが映らない」というだけでポニョ嫁に責められている可哀想なプリウスさんだが、そのほかの部分に関しては絶好調。先日、遅ればせながら半年点検を終えた。ウォッシャー液などを補充した以外は何事もなく、ということはご報告することもなく、あっという間に終わった点検である。

東京トヨタ井草店、到着!
ジャッキアップしてお腹調べますよ~
まだそんなに走っていないので、とてもキレイ

嫁のためならテレビも映す!

 そもそもハチロクからプリウスに乗り替えた際、ポニョ嫁はかなり不機嫌になった。そりゃそうだ、言うなれば「趣味の乗り替え」で必然性は皆無である。それでもまあ新しいプリウスは、乗り心地はいいしポニョ嫁の大好きなシートヒーターが助手席も装備されている。そしてカーナビは大画面9インチ。その画面でテレビが見られると思っていたら……見られない! ポニョ嫁、不機嫌の絶頂へ駆け上る。

 という訳で、純正カーナビで走行中にテレビが見られようになる方法がないだろうかと探しまわり、たどり着いたのがデータシステムの製品である。ご存じの方も多いと思うが、データシステムは車載用電子機器メーカーの老舗であり、特にカーAV関連の機器メーカーとして超有名。

 さて、ここで誤解のないよう説明しておこう。まず何より、ドライバーが走行中にテレビやカーナビ、スマホといった画面表示装置を注視することは道交法で禁じられている。「注視」というのは見続けるという意味であり、それを運転中のドライバーが行なうのは誰が考えたって危険な行為だ。よって道交法がそれを禁じているのは、当然と言えるだろう。

 走行中にカーナビ画面にテレビを表示することに関しては、ドライバーがもし仮に画面を注視してしまったら道交法違反となるばかりか危険な行為であるが、助手席や後部座席にいる同乗者がカーナビ画面でテレビを見たり、はたまたカーナビを操作することには問題ないのである。

 こうした、助手席や後部座席の同乗者にテレビを見せたい、または助手席の同乗者にカーナビを操作してもらいたいというニーズもあり、そんな時に役立ってくれるのがデータシステムの「TV-NAVI KIT(テレビ&ナビキット)」である。

さまざまなタイプが用意されたTV-NAVI KITシリーズ
私のプリウスはスイッチスペースが埋まっているので、こちらのキットを使用した
私のプリウスはこのとおり、スイッチスペースが埋まっていて空きがない
こちらのビルドインキットだと、空いているスイッチスペースを利用して純正風のスイッチが使用できる(車種により異なるので要確認)

ショップお任せ派? DIY派?

キットの内容。ハーネスと一緒になった本体と、操作スイッチが主なパーツ

 本来、私は自作パソコンというジャンルのライターであり、パソコンは基本的にパーツを買って自分で組み立てる。これがいわゆる自作パソコンであり、PC DIYなどとも呼ばれるものだ。だが、クルマとバイクに関しては基本整備以外はショップさんに任せることにしている。自分でやってみたい気持ちもあるし、ごく一部の作業に関しては自分で楽しんで行なう。しかし、電装系や駆動系など核心部分に関しては怖いという気持ちもあるし、自信もないのでショップさんにお任せする。

 今回のTV-NAVI KITの場合もそうした。基本的に今回導入したTV-NAVI KITは、カーナビとクルマを接続するハーネスの中間に割り込む形で接続する。なので、言ってしまえば誰にでも簡単にできる作業なのだ。だが、カーナビを取り外すということはパネルを取り外すということであり、もしそこで「バキッ!」とか嫌な音をたててしまっては元も子もない。という訳で今回、私は作業を見学しつつ応援する立ち位置を選んだ(応援されても困るだろうが)。

小さくて邪魔にならないスイッチ
本体ユニットをどこに固定するかで試行錯誤があった

 人によって意見はさまざま。「最近のクルマはよくできていて、パネルなどの脱着がやりやすい」という人もいれば、「樹脂パネルの合わせがどうなっているかを調べるだけで疲れる」という人もいる。まあ、自信がない人と面倒だという人は、私と同様にプロへお任せしよう。今回はCar Watch編集部からデータシステムに連絡してもらった関係で、データシステムのスタッフが取り付けを行なった。

 作業的な流れはシンプル。カーナビを取り外す、ハーネスをカーナビから抜く、TV-NAVI KITのハーネスをカーナビとクルマの間に入れる、カーナビを元に戻すという流れだ。途中、TV-NAVI KITの本体ボックスをどこに固定するかで試行錯誤はあったものの、作業自体は1時間以内で終了となった。

取り付け作業を応援するおっさん。邪魔でしかない
結構な勢いでパネルを外していく。このあたりは慣れが必要
カーナビ本体がむき出しになった
当初はここにTV-NAVI KITの本体を取りつける予定だったが、カーナビ本体を戻す際に干渉することが分かり場所を移動させた
おっさん、お手伝いしようするのだが老眼がつらい
元のハーネスとカーナビ本体の間にTV-NAVI KITが割り込む(注:TV-NAVI KIT本体は別のところに固定しました)
見えづらいのだが、TV-NAVI KIT本体はカーナビ格納スペースの奥に固定した
全部元に戻して作業完了!

TV-NAVI KITならテレビが見られてカーナビ操作も可能に

興奮気味のおっさん(注:表示されている画面とおっさんの興奮に関係性はありません)

 取り付けが終わったらさっそくテストということで、プリウスを走らせてみる。TV-NAVI KITの操作スイッチはドライバーである私には関係ないというか必要ないので、助手席側から操作しやすく、なおかつ目立たない場所に取りつけた。

助手席側から便利に操作できるようスイッチを取り付けた。「これでポニョ嫁に褒められる!」とか思っているおっさん
目立たず、かといって操作しやすいポジションがベスト

 まず、プリウスが走り出した時点では操作スイッチに内蔵されてランプは消灯しており、走行中はテレビが表示出来ずカーナビも操作できない。要するに、TV-NAVI KITを取りつけていないのと同じ状態ということだ。

 そこでまず操作スイッチを1回短く押す。するとランプが点灯してテレビが表示出来るようになる。スイッチは助手席側にあるので、助手席の同乗者がテレビを見たいと思った時にスイッチを操作すればいい。

カーナビを脱着して最初の起動では、この画面が出ると思う
走行中なのだが……テレビが映る!

 次に、スイッチのランプが点灯した状態(テレビが見られる状態)でもう1度スイッチを押すと、ランプが3秒間素早く点滅した後に、ゆっくりとした点滅へと変化する。ここから「5分間」だけ、カーナビの操作が可能になる。ゆっくりした点滅は5分後には点灯状態となり、テレビは見られるがカーナビは操作できない状態へと戻るのだ。

カーナビの操作も可能に
本来なら接続しているスマホの操作も限定されるのだが……
この通り! 助手席からの操作なら、まったく問題ないだろう

 この5分間、カーナビは停車状態にあると判断するため、自車位置の把握が不正確になる。なので、5分後には自動的にカーナビ操作状態が解除されるわけだ。また、カーナビの操作には5分もかからないと思うので、操作が終わったらもう1度スイッチを押して点滅を点灯状態にするといいだろう。

 また、操作スイッチを3秒以上押し続けるとランプが消灯し、テレビも見られない、カーナビも操作できない状態となる。そしてもちろんエンジンを切って次に始動した際には、TV-NAVI KITを取り付けていないのと同じ状態、すなわち元の状態に戻っている。

 これだけ簡単な操作なら、面倒なことが嫌いなポニョ嫁でもすぐに把握してくれるだろう。そして助手席にいるポニョ嫁が見たい時だけ、TV-NAVI KITを操作してテレビを見ればいいのである。ちなみに私は通常、クルマを運転している時はAMラジオでAFN(米軍放送網のこと。旧FEN)を聞いている(今回のベストどうでもいい小ネタ)。

 よしっ!これでポニョ嫁の覚えもめでたく、ご機嫌でプリウスに乗ってくるだろう! そう思っていたある日のこと、テレビ番組表をチェックすると例の「歌がうまい人選手権」のような番組を発見。その日の夜、さっそく助手席にいるポニョ嫁に言ってみる。

「テレビ見ないの? 見られるようにしておいたからさ、ほら、あの微妙なポジションのタレントさんとかが歌のうまさを競い合う番組見ないの? そこにあるスイッチ押せばいいんだよ、さっき教えてあげたじゃない」

「……あの番組はもう飽きたじゃ!」

 飽きた!飽きましたか、ポニョ嫁さん! というわけで、我がプリウスの初カスタマイズ、TV-NAVI KITの導入は今後の活躍に期待することとなったのである。エアロでもなく、サスペンションでもなく、せっかく最初にあなたのために導入したのに……(号泣)。

 最後になったが、データシステムのWebサイトはドライバー必見である。TV-NAVI KITシリーズを始めとしてさまざまなクルマ用の電子機器が紹介されていて、それを見ているだけでも楽しいのだが、なかには「あ、これが欲しかったんだ!」という思わぬ発見もあると思う。

高橋敏也

デザイナー、コピーライターを経て、パソコン関連のライターとして独立。SF小説なども上梓している。ライター歴は20年を超えるが、最近10年は真面目なレビュー記事というより、パソコンを面白おかしく改造する記事などを書いている。若い頃はオートバイをこよなく愛していたが、体力の衰えと共にクルマへの興味を持つ。このため自動車免許を取得したのは1998年。現在、クルマはトヨタのプリウス、オートバイはカワサキのNinja 1000とZ1300を所有、都内を縦横無尽に走っている。インプレスジャパン、DOS/V POWER REPORT誌に「高橋敏也の改造バカ一台」を連載中。ほかにImpress Watchでインターネット動画「パーツパラダイス」を配信中。