長期レビュー
正田拓也の中古「サンバー」生活
第8回 装備を少し充実へ、間欠ワイパーを付ける
- 正田拓也
2016年12月12日 18:28
少し間があいたおかげで前回、「壊れる……」のタイトルだけ見た方から、「もう連載終わったの?」など言われている。いえいえ、よく読んでいただきたい。エアコンが直ってからは極めて順調。ちょっと楽しい日常の足として活躍してくれている。そこで今回は少しだけ装備アップとあるべき装備の復活を狙ってみた。
間欠ワイパーが欲しい、というか、ないと困る!
現代の乗用車に乗っていると当たり前の装備が軽トラには付いていないことがある。パワーウインドウや集中ドアロックもない。もちろん、現行バリバリの新型軽トラや、軽トラでもグレードの高いものを選べば付いているが、多く出まわっている実用グレードの軽トラには装備が少ないのがけっこうある。
間欠ワイパーがないことは不便には感じていたが、近場の走行では無理して付けるほどでもないと思っていた。しかし、大阪往復のときから絶対欲しい装備に昇格。それから情報収集をする毎日だった。
最初は昔ながらの後付間欠ワイパーのユニットを使うことを検討した。そういえば、子供のころのクルマには後付していた記憶で、後付ユニットは間隔を短めから長めまで無段階で変化させられるのに対して、純正は1段階が多くて、子供ながらに「純正だっせー」なんて思ったことを思い出した。今でも当時の記憶と同じ形のものが売られていることに驚いたが、高いものでは1万円近くの出費になり、エアコンを直したばかりの自分には負担が大きい。
そして、さらに調べていくと、もっと安価で簡単な方法を発見した。
豊富な廃車部品を活用する
サンバーは2003年式なのですでに同型車の廃車は多く発生している。解体屋やそこから中古部品を仕入れている業者からは、たくさんのサンバーの部品が売られている。ヤフオクはもちろん各フリマサービス、ネットの中古業者までさまざまあり、さまざまなものが売られている。
分かったことは、サンバーの上級グレードのコラムスイッチ一式を移植すれば、純正の間欠ワイパーと同等になってしまうこと。さらに調べていくとサンバーだけでなく同じ年代のプレオも同じ部品で、そこまで含めると膨大な量のパーツが出まわっている。
ヤフオクでは「ディマースイッチ」の名称で多く出品され、種類もいくつかある。まず、目的として間欠ワイパーが付いていることが大前提。ついてないものを買ってもしょうがない。ワイパーレバーにOFFの次がワイパーのアイコンの上に点線があるのが間欠ワイパーのあるスイッチとなる。
また、サンバーと言ってもトラック以外のバンとディアスはリアワイパー装着車が多く、ワイパースイッチもリアワイパースイッチまで含んでいる。これを選んでも全く問題がないが、機能しないスイッチができてしまうことが落ち着かない人は、レバー先端のリアワイパーのスイッチなし、間欠ワイパー付きを探そう。また、サンバーは2005年あたりからハザードスイッチの位置が変わっており、ステアリングコラムのスイッチに含まれなくなった。これも間違えてはいけない。
結局、筆者がゲットしたのはプレオ用のスイッチでリアワイパーのスイッチまでついているもの。実は、リアワイパースイッチを何かのスイッチに使えないかと考えた上の選択となる。
交換は難しいところが1点
早速交換だが、ステアリングホイールを外す場合は、バッテリーを外してしばらく時間が経った後でとりかかる。これはエアバッグが開いてしまわないためだ。エアバッグの取り外しは左右からトルクスドライバーでビスを外し、外れたらステアリングホイールの取り外しとなる。
苦労した点は、スプラインからの引き抜きが固く、プーラーを使わないと抜けなかったこと。どうも固着しやすい構造のようで、金具とボルトで即興のステアリングプーラーを作ってなんとか外したが、工具屋によっては1000円台から売っているので、ステアリングプーラーを用意することを強くオススメしたい。抜けるかどうかはわからないが、プーラーなしで抜こうとする場合は、ナットを残して力をかけるなど、くれぐれも怪我には注意してほしい。
うちのサンバーは「バキっ」と大きな音とともにステアリングホイールが外れた。続いてコラムのスイッチ一式の前に、上下カバーとスパイラルケーブルを外すのだが、これは回し方を間違えると断線する可能性があるので注意したい。幸いに中心を合わせるやり方がシールで貼ってあったので、それに従ったが、もし、シールなど説明がない場合は位置を固定して外すなど注意したい。また、カバーはなかなか外れない構造になっている。本来はステアリングシャフトごと外してから手を付ける場所のようなので、カバーをずらすようにして力を入れたところ外れた。
そのあとはスイッチを取り替えて元に戻すだけ。エアバッグも慎重に取り付け、配線を再確認して外したパーツを組み直して完成。筆者はエアバッグを付ける前に一度バッテリーをつないでワイパーやホーンの動作チェックをしてしまったが、エアバッグを外したまま通電してしまうとエアバッグエラーが消えなくなってしまうこともあるので、そこは慎重に。特に新しい年式のクルマはそうなりがちだ。
間欠ワイパーはチョー快適
コラムスイッチの交換後は、間欠ワイパーが動作。非常に便利になった。また、ウィンドウウォッシャーを出した際に自動でワイパーが動く機能まで付いてしまった。これは考えていなかった機能で、今までは水を出す、ワイパーを動かすと別々にやらないといけなかったのがワンアクションで済むようになった。
どちらの動作もふつうの乗用車ならあって当たり前の機能だが、いざ装備されていないクルマに乗ると、ありがたくてたまらない。もし、サンバーで間欠ワイパーが付いていないのなら、今すぐ交換すべきだろう。
ルームライトも修理
もう一つ不満に思っていたのがルームライト。ドア連動で点灯するモードが壊れていた。最初はベーシックなグレードなので、それすらもないのでは? と疑っていたが、説明書によればドアスイッチも付いているらしいので、どこかが壊れているということで原因を探ってみた。
ネットで見つけた事例では、ドアスイッチのブーツが破れて浸水、スイッチが壊れて動作しなくなるということもあったため、まずはスイッチの動作を確認しようと運転席のシートを外し、カーペットの下の配線を確認した。
連載の2回目で水や泥が溜まっていたことがあると記載したが、ガムテープでコネクターを押さえているところを剥がしてみたら、なんと、配線が錆で外れていたのだ。これでは動作するわけがない。配線を少し剥いてテスターで確認したところスイッチ自体は正常動作を確認した。ちなみに、ドアが閉まった状態でスイッチが開放、ドアが開くとスイッチは閉じる仕組み。断線すればドアが閉じたと判断する。
配線も浸水して状態はよくないが、あまりに酷い部分をカット、途中は電線を圧着でつなぐことでルームライトのドア連動が復活した。そして、ドアが開いた状態でキーを挿すと警告音がピーピー鳴る機能も動き出した。修理をすると知らない機能が突如として動き出すことがなんだか新鮮だ。
バッテリー上がりが怖い……
さて、サンバーはスバルだが、スバル車らしくないところがある。レガシィやインプレッサに乗っている人は知ってると思うが、ヘッドライトONの状態でもキーをOFFにするとヘッドライトやスモールランプが消えるのがスバルの配線。筆者の知る限りフィアット系3ブランド(フィアット、アルファロメオ、ランチア)も同様の配線となっており、ライトの消し忘れがなく、夜に駐車場に止めるときもいちいちライトを消さなくてよいので便利に使っている人も多いと思う。
ところがサンバーはそうなっていない。ライトを消し忘れるとバッテリーが上がる。特に雨の日など昼間にライト点灯したときには忘れがちだ。キー抜き忘れ警告音は復活したが、ライト消し忘れ警告音はない(もしかしてまだ壊れている?)ので、バッテリー上がりをやってしまったのだ。
バッテリー上がりはいろいろ面倒なので、できればなんとかしたいところ。しかも、バッテリーを充電しようとバッテリーを外した際、止めているボルトが錆で固着していたため、ボルトを折ってしまったのだ。
とりあえず、長いボルトを曲げて応急的にバッテリーを固定しているが、これも含めてバッテリー関係を次はなんとかしようと思っている。