日本カー・オブ・ザ・イヤー、トヨタiQが圧勝
インポート・カーはシトロエンC5に。GT-Rは技術賞

11月11日発表
会場:大磯プリンスホテル


 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は11月11日、「2008-2009日本カー・オブ・ザ・イヤー」表彰式を、神奈川県の大磯プリンスホテルで開催、トヨタ「iQ」が圧倒的な得票でイヤー・カーに輝いた。

 日本カー・オブ・ザ・イヤーは今年で29回目を迎えるイヤー・カー決定イベント。実行委員会は雑誌、インターネットメディアを中心とした36メディアで構成され、実行委員会が選出した選考委員65名の投票により決定する。

 対象となるのは、2007年11月1日~2008年10月31日までに、日本国内で発表され、年間500台以上の販売が見込まれる車。この中から第1次選考を行い、「10ベストカー」を決定。今年はトヨタ「iQ」、ニッサン「GT-R」、ホンダ「フリード」、マツダ「アテンザ」、スバル「エクシーガ」、スズキ「ワゴンR/ワゴンRスティングレー」、ダイハツ「タント」、アウディ「A4/A4アバント」、シトロエン「C5」、フィアット「500」、ジャガー「XF」が選出された。11台あるのは、同点の車があったため。

 これら10ベストカーの中から、投票でイヤー・カーを決定する。イヤー・カーが国産車だった場合は、10ベストカーの輸入車でもっとも得点の高かった車がインポート・カー・オブ・ザ・イヤーとなる。

 またこれらとは別に「Most Advanced Technology」「Most Fun」「Best Value」の3つの特別賞が、10ベストカー未選出車を含む全対象車(ただしこちらは年間販売見込み台数は問われない)から投票で決定される。

イヤー・カーとなったiQインポート・カー・オブ・ザ・イヤーのC5Most Advanced TechnologyのGT-R

Most FunのエクシーガBest Valueのフリード

順当な結果も、開票中はデッドヒート

表彰会場で開票作業が行われた
 投票は、表彰式に先立つ10日に同所で行われており、11日は表彰式に先立って開票作業を公開した。

 特別賞は審査員1人1票で各賞に投票して決定する。会場では開票と同時に集計結果がリアルタイムで表示され、票の伸びや追い上げに、会場は歓声に包まれた。

 発表は特別賞から行われた。先進的な技術を搭載した車を評価する「Most Advanced Technology」はGT-Rが、65票中52票を集める圧勝ぶりを見せトップ。ハイブリッドボディ、ツインクラッチトランスミッション、トランスアクスル4WDのほか、クリーンでハイパワーなエンジンが評価された。2位には同じく日産「エクストレイル」(クリーンディーゼル搭載車)が、3位にはiQが入った。

Most Advanced Technologyの投票結果トロフィーを受け取った日産自動車 マーケティング本部 マーケティング・ダイレクターの木屋 泉氏GT-Rとその関係者

  “楽しさ”を持った車を表彰する「Most Fun」は、エクシーガに決まった。この部門では、BMW「1シリーズクーペ/カブリオレ」やジャガーXF、スマート「フォーツークーペ/カブリオレ」、GT-Rなど多数の車に票が分かれ、1位のエクシーガの得票数は28にとどまった。また同車は途中、2位のフィアット500(18票)にあわや逆転の追い上げを食らい、大いに会場を沸かせたが、最終的には逃げ切っての受賞となった。3列シートの7人乗り車で、車内の全員が楽しめるというコンセプトが評価された。

Most Funの投票結果。フィアット500との接戦をエクシーガが制したスバルからは商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャーの大雲浩哉が登壇。「久しぶりの水平対向エンジン車、初めての家族のための3列シート車が、評価されてありがたい」エクシーガとその関係者

 性能、デザイン、価格を含めた“お得度”を評価する「Best Value」は、ホンダの小型3列シート車フリードが49票で、終始リードを保ったままの受賞。2位はどの部門にも顔を出したGT-Rが6票、3位はワゴンR/ワゴンRスティングレーが4票で入った。

Best Valueの投票結果。GT-Rはここでも票を得たフリードの開発責任者である安田浩志氏(左)。「コンパクトミニバンに新しい価値をもたらしたことを評価されたと思う」。右は日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員長の三好正巳氏フリードとその関係者
 

iQの進化を宣言
 イヤー・カーの投票では、持点配分方式を採用。審査員1人が25点を持ち、もっとも高く評価する1車には、必ず10点を付ける必要がある。また、残り15点は4車種に、自由に配分する。

 こちらも特別賞同様、会場で開票しながら、どの車に何点入ったかをリアルタイムで公表した。なお、例年は審査員ごとに得点配分を発表してきたが、今年は投票用紙には記名されているものの、その名前は非公開とされた。

 イヤー・カーは、トヨタiQが終始独走。得点は526点で、2位のC5には300点以上の差をつけ、39人が10点を投じる圧勝となった。また国産車では、GT-Rが201点でiQに続いている。

 イヤー・カーが国産車となったため、C5はインポート・カー・オブ・ザ・イヤーとなった。輸入車では、アウディA4/A4アバントが180点を獲得し、シトロエンとのデッドヒートを演じた。

イヤー・カーの投票発表。最高評価の車1台に10点を与え、残り15点を4台で分ける。4台にどう配分するかは審査員次第結果はiQの圧勝
 

  iQの関係者を代表してトロフィーを受け取ったチーフエンジニアの中嶋裕樹氏は「iQは生まれたばかりの車。今後の進化への期待が、受賞につながったと考えている。改めて、iQを進化させていきたい」と、iQの今後の展開を予告した。

iQのチーフエンジニアである中嶋裕樹氏。「トヨタで一番わがままなチーフエンジニアを支えてくれた開発陣に、また、わがままなチーフエンジニアを応援してくれたわがままな役員たちと広報スタッフに感謝します」喜びを爆発させるiQの関係者
プジョー・シトロエン・ジャポンのティエリー・ポワラ社長は表彰状を逆さまに持っておどけた。「普段は英語でスピーチするが、今日はそういう気分ではない」とフランス語で挨拶。「シトロエンブランドとシトロエンジャポンのチームを誇りに思う」C5とプジョー・シトロエン・ジャポンのスタッフ
 

URL
日本カー・オブ・ザ・イヤー
http://www.jcoty.org/
ニュースリリース(PDF)
http://www.jcoty.org/press/file/08/1111.pdf
2008-2009のページ
http://www.jcoty.org/year_this/

(編集部:田中真一郎)
2008年11月11日