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【オートモビル カウンシル】“メイド・イン広島”の2シーターオープンスポーツ「アバルト 124 スパイダー」日本初公開

スタイリング、パワートレーン、サスペンション、ステアリングフィールなどはFCA独自開発

2016年8月5日 発表

388万8000円~399万6000円

 FCA ジャパンは8月5日、アバルトブランド初の2シーターオープンスポーツ「アバルト 124 スパイダー」を、幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬)2・3ホールで開催されているヘリテージカーイベント「オートモビルカウンシル 2016」内で日本初公開した。6速MT仕様と6速AT仕様を設定し、前者は388万8000円、後者は399万6000円。発売日は10月8日となる。

 会場ではFCA アバルト デザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏によるプレゼンテーションが行なわれた。

会場ではアバルト 124 スパイダーの祖となる、「フィアット 124 スパイダー」ベースのラリー仕様「フィアット アバルト 124 スパイダー ラリー」(1973年)を展示。世界ラリー選手権(WRC)、ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)に挑戦し、1975年のERCではチャンピオンを獲得している。4気筒 1.8リッターエンジンは最高出力128BHP/6200rpm、最大トルク16.0kgm/5000rpmを発生
アバルト 124 スパイダーのプレスカンファレンスに出席した、FCA ジャパン マーケティング本部 本部長 ティツィアナ・アランプレセ氏(左)とFCA アバルト デザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏(右)

 アバルト 124 スパイダーはマツダ「ロードスター」をベースにした本格的な2人乗りオープンスポーツカー。生産は広島にあるマツダの本社工場で行なわれるが、スタイリングデザイン、パワートレーン、室内装備・材料、サスペンション、ステアリングフィールはFCAが独自で開発したものが与えられる。

 パワートレーンに関しては、ロードスターに搭載する自然吸気の直列4気筒DOHC 1.5リッターエンジン(最高出力96kW[131PS]/7000rpm、最大トルク150Nm[15.3kgm]/4800rpm)から、フィアット製直列4気筒 1.4リッターマルチエアターボエンジンに変更。最高出力は125kW(170PS)/5500rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/2500rpmを発生し、欧州仕様の0-100km/h加速は6.8秒とした。いずれのエンジンも無鉛プレミアム仕様になるが、燃料タンクはロードスターが40Lなのに対し、アバルト 124 スパイダーは45Lと容量が異なっている。

 独自のデザインが与えられたエクステリアでは、前後に長いボンネットを採用することでエンジンの重要性と170PS/250Nmというパワーを、またオーバーハングを切り詰めることでアジリティを強調するデザインとした。大型エアインテークやリアディフューザー、リアスポイラー、ウィンドウスクリーンは風洞実験で検証を行なったという。ボディサイズは4060×1740×1240mm(全長×全幅×全高)としており、ロードスター比で145mm長く、5mm広く、5mm高いサイズになっている。

アバルト 124 スパイダー。6速MT仕様と6速AT仕様を設定する
ボディサイズは4060×1740×1240mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2310mm
フロントエンドのオリジナルラインと六角形のフロントグリルは、アバルト 124 スパイダー独自のもの。標準ではハロゲンヘッドライトだが、オプションでLEDヘッドライトを選択することも可能。撮影車はオプション設定のレッド仕上げのフロントスポイラーと牽引フックキャップを装着
足下は10スポーク 17インチアロイホイールにブリヂストン「POTENZA RE050A」(205/45 R17)の組み合わせ。フロントにはブレンボ製4ピストンブレーキキャリパーが奢られる
ドアミラーキャップは赤く塗装されるほか、リアまわりでは横に長いテールランプが特徴的。マフラーエンドは4本出しになる
オプションのレザーシート/ナビゲーションパッケージ(21万6000円)を装着するインテリア。標準仕様のシートはアルカンターラとレザーのコンビネーションになる。アルミニウム製ペダルの位置、垂直に近いステアリングホイール、短いシフトレバーなどはアバルト 124 スパイダーのスポーティなキャラクターに合わせて作られたという。スピードメーターは270km/hまで刻まれる
フィアット製の直列4気筒 1.4リッターマルチエアターボエンジンは最高出力125kW(170PS)/5500rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/2500rpmを発生
ヘッドカバーには“蠍”が描かれる
タービンはギャレット製

 また、車両重量に関しては6速AT車で1150kg(6速MT車は1130kg)となっており、ロードスターでもっとも重量のある6速AT車の「S LEather Package」(i-ELOOP+i-stop装着車)の1060kgと比べて90kg増となっているが、パワーウェイトレシオはクラストップの6.2kg/HP(乾燥重量1060kgとして)を達成したとしている。

 そのほか17インチアロイホイール、ウィンドウスクリーンまわり、ロールバーカバーは、アバルト 124 スパイダーのデザインを強調するカラーとしてガンメタリックで仕上げている。ボディカラーはソリッドのホワイトとレッド、メタリックのブルーおよび3層コートのパールホワイトという全4色を設定した。

ショーモデル用としてボンネットフードやトランクにラッピングが施されたアバルト 124 スパイダー。シートは標準仕様
エンジンの回転数に応じて排気経路が変わる「レコードモンツァ デュアルモードエキゾーストシステム」(参考出品)
アバルト 124 スパイダーの特徴について語るワインバーグ氏

 このアバルト 124 スパイダーの特徴について、ワインバーグ氏は「縦置きエンジンがフロントミッドシップに搭載され、50:50の重量配分により動きがスムーズでドライビングプレジャーを堪能できる。スポーツカー好きにはたまらないこだわり」と述べるとともに、アバルト 124 スパイダーでは1つひとつのディティールにこだわった軽量ボディを採用したことを紹介。乾燥重量は1060kgといい、ボディの70%以上にアルミや高張力剛板などの軽量素材を採用することで実現したという。

 サスペンションにはフロントにダブルウィッシュボーン式、リアに5アームのマルチリンク式を採用し、コーナリング時や減速時の安定性を高めるよう特別なチューニングを施したという。また、「ブレーキシステムにはブレンボ(フロントのアルミニウム製対向4ピストンキャリパー)を採用し、制動時のより素早い反応やコントロール性に優れており、安全なブレーキフィールを確保した」「ビルシュタイン製ダンパーは強化スタビライザーとともにハンドリングのしやすさ、安全性と乗り心地のよさを提供する」と、アバルト 124 スパイダーに装備されるアイテムについて述べたほか、エンジンの回転数に応じて排気経路が変わる「レコードモンツァ デュアルモードエキゾーストシステム」をオプション設定していることなどが報告されている。

ワインバーグ氏のプレゼンテーションで示された資料
アバルト124スパイダー
変速機6速MT6速AT
価格3,888,000円3,996,000円
ハンドル位置
全長×全幅×全高4,060×1,740×1,240mm
車両重量1,130kg1,150kg
乗車定員2名
エンジン直列4気筒 マルチエア 16バルブ インタークーラー
ボア×ストローク72.0×84.0mm
圧縮比9.8
総排気量1,368cc
最高出力125kW(170PS)/5,500rpm
最大トルク250Nm(25.5kgm)/2,500rpm
JC08モード燃費13.8km/L12.0km/L
使用燃料無鉛プレミアムガソリン