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三井不動産リアルティ、駐車場シェアリングサービス「toppi!」を11月1日スタート

当初は首都圏で500台分。将来的には10万ユーザーが目標

2016年11月1日 サービス開始

 駐車場事業「三井のリパーク」を運営する三井不動産リアルティと、IoTソリューション開発のエスキュービズムは、空き駐車場などの遊休スペースを有効活用する駐車場シェアリングサービス「toppi!」(トッピ!)を11月1日から共同でスタートさせると発表した。これは既存の時間貸し駐車場の一部、あるいは一般の月極駐車場や自宅敷地内の空きスペースなどを、予約制の一時貸し駐車場として提供するサービス。

 オーナー側は遊休スペースの有効活用やマネタイズを期待でき、利用者側はクルマでの外出時に使える駐車場の選択肢が増えるというメリットがある。まずは東京、神奈川など首都圏を中心に500車室(台分)ほどを展開する予定で、そのうち9割ほどを現在「三井のリパーク」が運営する時間貸し駐車場からの転用でまかなう。その後は中部、関西地方への本格進出を図り、年明けには1000車室を目指す。いずれは全国展開に拡大する考え。

収益から駐車場オーナーが受け取る料率は6~7割を予定

「2年前から開発に取り組んできた商品を提供する」と話し、独自の駐車場IoTソリューションであることをアピールした株式会社エスキュービズム 代表取締役社長の薮崎敬祐氏

「toppi!」では、駐車スペースの提供やオーナーとの仲介を三井不動産リアルティが、システム・ソリューションの提供をエスキュービズムがそれぞれ担当する。空いている駐車スペースを、追加コストは一切なしで1日単位の予約制一時貸し駐車場に転用。専用Webサイトを通じてそれらの駐車スペースを検索、予約できるようにするサービスとなっている。

eCoPAで可能な機能

 システムは、エスキュービズムが持つ駐車場IoTソリューション「eCoPA」(エコパ)をカスタマイズしたもので、利用者側が可能なのは「駐車場検索」と「予約、満空情報の確認」など。利用料金はクレジットカードを使って決済する。駐車場を提供するオーナー側は「予約状況」「入出庫情報」「リアルタイム満空情報」の確認のほか、売上分析も可能としている。ただし、開始当初はネットワークやIoT技術を活用した仕組みは導入されない。

 まずは首都圏を中心に500台分の車室(駐車スペース)を用意して、その後に順次拡大していく。一般の駐車場オーナーや自宅敷地内に遊休スペースのある家庭が、toppi!向けに一時貸し駐車場を提供することも可能で、車室の幅や長さなど一定の基準を満たしているかどうかを三井不動産リアルティが審査して、基準をクリアすれば提供可能な駐車スペースとして情報掲載されることになる。

 料金はその地域周辺の相場を元に決定され、オーナーは売上の6~7割程度を収益として受け取る仕組みになる予定。初期の導入費用は一切かからず、時間貸し駐車場に設置されているようなフラップ板、精算機などは不要。案内表示を兼ねる駐車スペース設置用のコーンが三井不動産リアルティから無償提供されるのみで、駐車路面へのラインペイントなども不要とのこと。

「リハウスする」と並び「トッピする」も流行らせたい

三井不動産リアルティ株式会社 常務執行役員 リパーク事業本部長 片岡純市氏

 三井不動産リアルティ 常務執行役員 リパーク事業本部長の片岡純市氏は、従来の主力事業である駐車場事業について「シェアビジネスに舵をきる」と述べ、2015年に同社が始めたカーシェアサービス「カレコ」と並ぶシェアリングサービスの1メニューとしてtoppi!を提供すると語った。こうしたシェアリングサービスの会員数を、最終的には1000万~1500万人規模にしたい考えで、今回のtoppi!については将来的に10万人の利用者を目指す。

 三井不動産リアルティ リパーク事業本部 事業推進部長の吉田儒央氏は、「従来の“探して駐める”から“予約して駐める”へと、駐車場の利用スタイルの変革」を目指すという考えを示し、同社ブランドの「三井のリハウス」によって、住み替えを「リハウスする」という動詞化された言葉になって一般化した例を引き合いに出し、今回のtoppi!についても「トッピする」といった動詞化された言葉が広まるほどにサービスを普及させたいと意気込みを語った。

三井不動産リアルティ株式会社 リパーク事業本部 事業推進部長 吉田儒央氏
toppi!におけるユーザーと駐車場提供者の関係
自宅の敷地内の空きスペースも駐車場となりうる。また、狭いスペースでもバイク駐車場として提供できる場合がある
当面は「三井のリパーク」ブランドで運営している時間貸し駐車場の一部を転用するパターンが多くなる予定
株式会社エスキュービズム 取締役 武下真典氏

 エスキュービズム 取締役の武下真典氏からは、システムの今後の展開について語られた。今回toppi!に採用された駐車場IoTソリューションのeCoPAでは、近い将来、SNSのアカウントで手軽に会員登録とログインをできるようにし、駐車場に設置したコーンに記載されている二次元コードから素早く予約が行なえるようにする。また、法人クレジットカードでの支払いや請求書による一括後払いにも対応するとした。

 先述のとおり、サービス開始当初はネットワークやIoTなどの技術を活用した仕組みとはなっていないが、将来的にはセンサーを利用したIoT技術を用いることにより、予約制の一時貸し駐車場としてだけでなく、空いている時間帯は時間貸し駐車場として併用できるようにすることも考えている。各種情報の送受信には、基本的に有線によるネットワーク接続を利用し、それが不可能なケースも考慮して、現在はモバイルネットワークを用いたシステムの検証を進めている段階とのこと。

 また、人工知能を応用した駐車場の混雑予想機能、曜日と時間帯、近隣のイベント開催などを考慮した需給バランスから価格を変動させる「ダイナミックプライシング」の機能なども開発する。さらにAR(拡張現実)技術を活用することで駐車場の状況をリアルタイムに確認したり、駐車場までのルートを仮想的にドライブして体験できるようにする機能の提供も検討を進めると説明された。

フラップ板や精算機は不要
駐車場オーナーが予約や売上の状況をチェックすることも可能
近い将来、二次元コードから予約したり、SNSのアカウントで会員登録やログインも可能になる
予約制と時間貸を両立させ、稼働率を向上させる取り組みも計画中
混雑予想をWebから確認できるようにしたり、需給に合わせて駐車料金を変える仕組みも検討する
ARの活用も計画している