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【インタビュー】ケンウッド「彩速ナビ MDV-Z904」の目指すもの。“ミスター彩速ナビ”こと開発者 渋谷英治氏に聞く

高速レスポンス、ハイレゾ対応など最新AVカーナビの魅力

ケンウッド「MDV-Z904」の企画・開発を担当する株式会社JVCケンウッド 市販事業部 商品企画部 スペシャリスト 渋谷英治氏

 快適な操作レスポンスと多彩なメディア対応力でAVカーナビの人気モデルとなったケンウッド「彩速ナビ」が登場したのは2011年。それから6年を経て、市販AVカーナビを取り巻く風景は大きく変わった。カーナビが当たり前の装備になって久しいが、最近はよりいっそう市場の成熟化が進み、今までのように待望の新機軸が続々と登場する、という状況は見られなくなった。メーカーの新製品投入サイクルは長くなり、一方で製品の低価格化は大きく進んだ。スマートフォンの普及もこの傾向に少なからず影響を与えている。カーナビはスマートフォンで十分という声もごく普通に聞かれるようになった。

 しかし一方で、車種別・大画面対応、あるいはAVカーナビが得意とするオーディオ性能にフォーカスした高音質モデルや、ドライブレコーダー連動、アップル「CarPlay」/Google「Android Auto」といった新たなスマートフォン連携といったといった特色あるモデルも数多く登場するようになった。

2016年10月発売開始のケンウッドMDV-Z904

 高機能・先進的なカーナビとして期待を集めているケンウッド彩速ナビ「タイプZ」は2016年10月に新商品が発売された。トップモデルの「MDV-Z904」「MDV-Z904W」はカーナビの進化スピードがスローダウンするなかで積極的に新機能を搭載し、力強い開発パワーを感じさせる。

 その刷新された操作性と新機能については先日の安田剛氏の記事「操作体系を一新したケンウッドの新型『彩速ナビ MDV-Z904W』。ハイレゾ・DSDファイル再生対応」に丁寧に紹介されている。

 そこで今回は、そのなかでも注目すべき新機能とその開発の背景について、デビュー当初より彩速ナビの企画に携わり、新商品のプレゼンには必ず登壇する“ミスター彩速ナビ”、JVCケンウッド 市販事業部 商品企画部 スペシャリスト 渋谷英治氏にお話をお聞きした。

最先端の機能を使いやすいインターフェースで実現

──彩速ナビの目指すものは、どういうものでしょうか

渋谷氏:彩速ナビの基本的なコンセプトはまさに「彩・速」の2文字に尽きます。これは2011年から変わっていません。高機能、高性能なフラッグシップ的な製品を目指すのではなく「何とかがんばれば手が届く」という価格帯で、できるだけのことをやろうというのが私たちの目指す世界です。

 彩速の「速」は高速レスポンス。クルマの運転中はストレスが多い。地図の確認やルート探索は信号待ちのわずかな時間で終わらないとストレスが高まります。そして音。クルマの中になくてはならないオーディオについては「最良の音をこの価格で提供出来る」という目標で取り組んでいます。彩速ナビは早くからさまざまなメディアやフォーマットへの対応を広げてきましたが、幸いにもお客さまについてきて頂いた。自分で「オーディオはよくわかっている」という方から「何となく……」という方まで幅広くカバーできる商品に仕立てたいと思っています。

──スピードに対するこだわりはすごいですね

渋谷氏:設計陣も意地になっています。完全に「彩速」というネーミングに縛られました。ベンチマークを繰り返して強く意識しています。新製品を出すごとに新機能の搭載で処理はどんどん重くなってくる。それを感じさせないためにどうするか。たとえば今回ハイレゾDSD 11.2MHzの再生はとても負担が大きいが、だからといってカーナビを止めていいということにはなりません。触ってストレスがないように。

 CPUも価格の制約の中でスピードの速いデュアルコアタイプを採用しています。上位モデルで開発したものを下におろしていくカタチで、下のモデルも含めシリーズ全体で同等のCPUを入れています。

──先進機能を積極的に取り入れている「タイプZ」がフラグシップを目指しているわけではない、というお話は少し意外でした

渋谷氏:タイプZは決して「こだわりの人」だけのものではないんです。ぜひ普段着で楽しんでいただきたい。そもそも初代の彩速ナビの位置付けは中級クラスでした。価格はそのままで機能を増やしていくうちに、ふと気がつくと業界全体の価格が下がりいつのまにか上級機の位置づけになってしまった。もともとごくシンプルでストレスなく使えることが特徴だったけれど、途中から、そうですね、ちょうど2013年にタイプZになった頃から作り方も変えていかなきゃいけないかな、と考えるようになりました。これが現在の開発力の原動力になっています。

「彩速の完成形」。インターフェースを大幅刷新。

新しいモデル「Z904」のホーム画面。この画面はもはやスワイプしない。必要な要素は1画面にまとめられている。オーバーレイ表示で背景に地図が透けて見え、この画面の意味が分かりやすい
従来モデル「Z702」の独特のホーム画面。右にスワイプすると「設定」 左にスワイプすると「検索」画面に遷移する。オーディオソースは画面右の上部を左にドラッグしてメニューを引き出す

──確かに彩速ナビには時代の変化を敏感に反映させていると思います。たとえば今回のモデルではインターフェースが大胆に変更されました。彩速ナビの最大の特徴であった「スマホライクにスワイプするホーム画面」がスワイプしなくなりました。画面の4つのコーナーからドラッグで引き出すユニークなメニューも片側に3つと集約されてシンプルになりました。

渋谷氏:取説を見ないで触れるということは重要です。スワイプで引き出したりする操作は出来る人、出来ない人、最後まで使い方に気がつかない人、不得意な方もいる。それを強要するカタチはよくない。タイプZが出た頃は使いこなせるユーザーが多くてよかったかもしないが、ユーザーの幅が広がると機能が使いこなせない、という人も出てくる。そういう方にも、今までのユーザーにも使ってもらえるようにしていく必要があります。

──新しいホーム画面への移行はユーザーの声を反映してのことでしょうか。

渋谷氏:Z700以来のホーム画面ありき、の時代は終わったのではないかと思っています。これは企画サイドから考えた変化です。今までも過渡期であって、どういうインターフェースがよいのかは毎年考えています。従来のインターフェースは慣れれば便利だが、一風変わったインターフェースではあった。今回は従来の操作感も残しつつ、新しい選択肢を提供した。画面数は少ない方がよい。

 かといって一画面に2画面、3画面分のボタンをたくさん置くと今度は使いにくくなる。画面遷移というものをよく考えないといけない。理想的にはカーナビは地図画面がすべての入り口、つまりホーム画面になるのがよいが、それは難しいのでできるだけ入り口を整理することが重要。そこで今回は「オーバーレイ」をキーワードにした。それほど大規模ではないが、地図をぼかしてその上にボタンを置く。そうするどこから入ってきたかが画面に残る。新たな画面にぽんと移るのではなく、これは思いのほかわかりやすいという評価を頂いている。

──一方でオーディオソースのアイコンの位置などがカスタマイズ~アイコンのドラッグなどできないのは少し驚きました。ケンウッドは率先して採用するイメージがあったのですが。

渋谷氏:ソース画面については「インプットセレクター」として、カスタマイズできた方がよいか、そうでないかはいつも議論になります。カスタマイズして自由自在に置けるのはよいが、クルマの中では指が位置を覚えていてそれが入れ替わると見て確認しないといけない、という状況もある。どういうカタチがベストかはもう少し考えを整理する必要があると思います。カスタマイズは便利だが、安心安全からすると結論は逆になるかもしれません。

オーディオソースは1枚の画面に収まり、最近のトレンドに反してアイコンの取捨選択や位置の変更とといったカスタマイズはあえて出来ないようになっている

専用ドライブレコーダーとの連動

──最近はドライブレコーダーの人気が非常に高いです。Car Watchの記事でもドラレコ関連はAVカーナビを超える人気があるそうです。ケンウッドは短期間にドライブレコーダーのトップブランドになりました。

渋谷氏:タイミングよく市場に参入できたことが大きいです。クルマの安全に対する意識が急速に高まった社会背景もあります。ドライブレコーダーで記録した映像は何事もなければそのまま、ということになってしまいますが私たちのモデルは位置情報も併せて記録することで美しい動画や、静止画を写真として残したり、SNSへ投稿したりという価値が加わります。現在のドライブレコーダーはたいへん高解像度で少し前のデジカメよりもきれいですね。

──ケンウッドは一般的なドラレコのフルHD(約200万画素)を超える3M(メガ)=約300万画素で高精細です。パソコンのビューアで見ると高画質が実感でき、GPS情報で旅の記録になります。このビューアアプリは他にあまりないアップルMac版があります。H264のMP4はMacとの親和性も高くキレイですが、意外に知られていないようです。

渋谷氏:独自開発のこのビューアはたいへん苦労しました。現時点で新製品のDRV-N520とDRV-410が対応モデルになっています。

──カーナビの基本である位置精度も気になります。今年の進化点は?

渋谷氏:位置精度についてはずっと改善を続けています。ノウハウの蓄積も大きくなりました。今回はデバイスの変更はありませんが実走によるチューニングを重ねています。新たに温度特性フィルタを入れた点が変化点で、これは精度にかなり効いています。AVカーナビは2DINに膨大な機能が入り発熱も大きい。この機能でジャイロの熱変化を抑えることができました。

Apple CarPlayとAndroid Autoへいち早く対応

──Apple CarPlayとAndroid Autoへの対応は先進的です。海外では自動車メーカーの対応が進んでいるようで話題性も高いですが、このタイミングで市販カーナビに導入した意図は何でしょうか。

渋谷氏:実際のところ日本のカーナビは非常に進んでいるので、「カーナビ機能」に期待するところは少ないはずです。しかしカーナビの上に端末としてのサービスを加える。あるいはふだん使っているスマートフォンをクルマの中でも上手に使いたいよね、というニーズは取り込みたいです。入り口をちゃんとつくっておけばそういうサービスが使えるようになる。サービスが追加になればカーナビをアップデートしなくても機能が追加される。スマートフォン連携は1つの音楽ソースでもあり、1つの使い方の入り口でもある、という考え方です。

──最上位モデルに入れた意図は?

渋谷氏:タイプZに興味を持たれるお客さまはスマホを活用している方が多い。特にアップルのCarPlayについては「何者であるか」ということをご存じの人も多い。あるときはCarPlayを使ってみたい、あるいはAndroid Autoを使ってみたいという人もいる。あと、これからは通信型としてのメリットも出てくる。こういったよさを使い分けてもらうための一つの機能として上位モデルにはあえて入れていこう、と考えました。上位モデルでは「出来るか、出来ないか」というのがまず大事、その上で使いこなすかどうかはお客さま次第。Zのお客さまにとっては拡張性という言葉は重要です。新しいものを何でもかんで、というわけではありませんが、クルマの中で使える選択肢が増えたらそれを提供する、というのがZの使命だと思っています。

対応するiPhoneやAndroid端末をUSB接続するとApple CarPlayまたはAndroid Autoのアイコンが表示される

新しい可能性に賭ける「プロモードEQ」

──彩速ナビは他社に先駆けてオーディオと映像のメディア対応を広げてきました。ハイレゾ・ネイティブ再生や高速で確実なタグ・ブラウジング機能、高音質のBluetoothコーデックapt-xの採用など数年を経ても他のカーナビが対応できない機能も多いです。ケンウッドがリードし続けている理由はどこにあるのでしょうか

渋谷氏:一つには意地があります。オーディオを生業としてきて、時代に照らして明らかに世の中より後れているというのは許せない。世の中で再生できるのが当たり前の時代にカーナビだけできないというのはおかしな話でしょうし、少しでも時代を先読みしていくことが重要だと思います。ここまで取り組んできた背景にはお客さまからの「欲しいよね」という素直な反応をいただいたことが大きい。たとえば最初にFLACに対応すると次はDSDは?という話になる。ファイルをお持ちの方の気持ちはそうだと思います。

──そういえばカーオーディオで最初にFLACに対応したのは彩速ナビでした

FLACに対応する

渋谷氏:最初のFLAC対応は技術サイドからの提案でした。当時はまずコトバが通じるかどうかということが心配だった。新しいものにチャレンジする風土というものはあります。次から次、で台所事情は厳しいですが(笑)。HDMIも最初は何をつなぐのか、と言われましたが、今では上級モデルではついて当たり前になった。

──特にアナウンスされていませんが、前モデルとの比較でオーディオの基本の音質がずいぶんよくなりました。内蔵アンプのドライブ力が向上し、特に大音量時の伸び、リニアリティーが向上してクリップレベルも上がりました。ベーシックな部分にも手が入っているのでしょうか。

渋谷氏:基本的にはオーディオ部分のモデルごとに新規にやり直しをしています。毎年基板のコンストラクションも変わるので音はガラガラと変わる。タイプZは完全に音質モデルなので素子ひとつひとつも吟味して選ぶ。しかし最終的には量産までいかないとわからない。試作時と全く同じ基板でも量産だと音が変わります。ホームオーディオと同じようにねじの締め方1本でも音は変わります。量産行程で最適になるように作り込みをしています。

──クロス天板や金メッキUSB端子なども継続していますね

渋谷氏:天板なんか普通の人は見ませんよね。振動解析や音質の試聴を繰り返しまましたが、これが効果あるのですね。実はいろんな文字もやってみた。Zもやってみました。悪くはなかったけどやはりクロスがよかった。このプレスのおかげで銘板を貼るスペースが狭くなって品質保証からは苦情が来たりしました(笑)

2013年モデルから採用されたクロス天板。不要共振を排除して音質向上を目指す

──最後に「プロモードEQ」についてお聞きしないわけにはいきません。これは今までのAVカーナビを超える本格的なパラメトリックイコライザ、フィルタ機能です。音質調整にあえてこの機能を搭載した背景はなんでしょうか。

視聴位置やスピーカー位置などのポイントに合わせて周波数レベルや周波数帯域を細やかに調整できる「プロモードEQ」

渋谷氏:私自身オーディオの調整が好きで、前モデルの「Z702」では調整し切れない部分を何とかしたい。だから入れよう、ということになったけれど社内でも賛否両論でした。難しくて使いこなせない、いやそれどころかこのおかげで売れないのではないかという意見もありました。しかし、「プロモード」という名前をつけたとおりですね、ある程度一線を引いています。画面の作りも全く違うし文字フォントも小さい。極論ですが使える人は使ってください、使えない人は触らないでくださいという素材の出し方です。

 じゃあ使えない人は宝の持ち腐れになってしまう、もう少し簡単にできないか、という話になるわけですが、簡単にする方法はないんですね。結局元に戻ってしまう。結論としてまずはオーディオが理解できる人が使えるだけの素材を提供する、ということです。詳しくない方も怖がらずにどんどんいじって楽しんで欲しいですね。カンタンに元に戻せるフラットボタンが装備されているので大丈夫です。いじるととても楽しい。こういう世界に思いを込めてやっています。

インタビューを終えて

Z904のハイライト機能のレビュー

 インタビューを通じて開発の背景を詳しく聞くことができたが、タイプZに新たに搭載された独自機能について、いくつかの点について少し詳しく触れておきたい。

インターフェース

 インタビューで渋谷氏は「地図画面自体がホーム画面になれば、そればベスト」と述べていたが、実際に今回のモデルではさまざまなメニューを階層の奥ではなく地図画面、オーディオ画面のオモテに直接出して機能を埋もれさせることなくアクセスできるようにしている場面が多い。しかも画面がさほど煩雑にならず、指の動線にも無理がない配置となっている点が秀逸だ。渋谷氏によると初期段階からデザインと開発が協力して設計しているという。使い勝手をよくしよう、という作り手の意思が伝わるつくりには好感が持てる。

ハイレゾ対応・DSD 11.2MHz対応

 Z904はAVカーナビとして初めてDSDファイルの再生に対応。しかも現時点で最高スペックの11.2MHzに対応している(DSDはLPCMに変換して再生)。ハイレゾフォーマットは最近ではポータブルオーディオプレーヤーやスマートフォンでも対応が進んでいるが、カーAVでネイティブ再生に対応しているのは現時点で彩速ナビだけ(192kHz/24bit)で、全般的に対応が遅れていると言わざるをえない。

 カーオーディオでは、タイムアラインメント、イコライザ、フィルタ機能といったデジタルチューニング機能を含めてハイレゾに対応させる必要があり難しい、という事情があるが、ハイレゾ対応を果たすことで再生帯域のヘッドルームが広がりCDなど従来の音源もより伸びやかな音で楽しむことができる。AVカーナビだけが取り残されている状況を脱して世の中に普及しているフォーマットに対応していくことを望みたい。

「CarPlay」「Android Auto」対応

 Apple CarPlayやAndroid Auto最近は国産車にも導入が進みはじめている。仕組みについて簡単に述べると、カーナビゲーション機能については 「CarPlay」の場合はアップルの「マップ」アプリ、Android Autoの場合は「Googleマップ」をベースに、それぞれ自動車用に最適にアレンジされた地図画面と音声案内機能で案内が行われる。決められた地図・アプリ以外のものを使うことはできない。彩速ナビ自身が持つカーナビ機能とは完全に独立していて、CarPlay/Android Autoでカーナビゲーションを使用する時は彩速ナビ本体のナビ機能は停止する。

 電話やメール、ちょっとしたメモがすべてカーナビのマイク、スピーカーを通じて音声認識で利用できるのは非常に便利。CarPlayでは「ポッドキャスト」や「オーディオブック」のメニューもあり、使っているひとには便利だ。しかし、クルマの中で利用価値が高いと感じるのは「ストリーミング音楽再生」だ。両システムともに使用できるストリーミングサービスは限定されるが、CarPlayの場合は iPhoneのSpotify、Amazon Music、AWA、KKBOXといったアプリが対応するようだ。これからの新しいオーディオソースとしての可能性は高い。アンドロイドスマートフォンの場合は彩速ナビを含めてMTP接続に対応しているAVカーナビはほとんど無いため、USBケーブルによるデジタル再生が可能となる点が見逃せない。まだ仕様が決まったばかりの新機能であるが、今後の展開が期待される。

「プロモードEQ」について

 プロモードEQはAVカーナビとしてはきわめて高度なパラメトリックイコライザで、DSDを含むすべてのハイレゾ音源に対して調整が可能だ(DSDはLPCMに変換される)。従来から搭載されている13バンドイコライザとは完全に独立していて、両者は重ねて使用することができる。

 この機能はハイエンドオーディオ専門店からも非常に高い評価を獲得しており、アイデアやスキルに応じてさまざまな使いこなしが考えられる。一方でインタビューにもあるように使いこなしの難しさは否定できない。

 使い方としては、精密なプロモードEQで車室内のピーク、ディップを補正してフラットな状態をつくり、その上に13バンドイコライザで好みの音を作る、という使い方が想定されているが、もちろんどのように使いこなすかはユーザーの自由だ。最近はスマートフォン用のRTA(リアルタイムアナライザ=スペクトラムアナライザ)アプリが簡単に使用できるので、これを活用するとチューニングの精度は上がる。機会があればより詳しい活用方法をご紹介したい。