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【SUPER GT 第5戦富士】GTA坂東代表定例記者会見。GT300とGT500の同チームがポールを獲得したことを記念して同時にグリッドへの走行を

2017年8月6日 決勝開催

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

「2017 AUTOBACS SUPER GT ROUND 5 FUJI GT 300KM RACE」(以下、SUPER GT 第5戦富士)が、8月5日~6日の2日間にわたって富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催されている。決勝に先立つ6日午前、SUPER GTを運営するGTアソシエイション(以下、GTA)は富士スピードウェイにおいて定例記者会見を行なった。

 GTA 代表取締役 坂東正明氏は2018年のカレンダーや、DTMとの関係について言及したほか、GT500とGT300で同じチームがポールポジションを獲得したことを記念して、スタート進行を少し変え、GT500の8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組、BS)とGT300の55号車 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組、BS)によるグリッドに着くまでのパレード走行を行なうことを明らかにした。

前回のスポーツランドSUGOでの状況を受けて、引き続きフルコースイエローなどを検討していく

──では冒頭に坂東代表より一言

坂東氏:今回のレースでは台風の影響がでるかもしれないと心配していた。九州などが大変な状況になるかもしれないと心配しているが、富士スピードウェイに関しては晴れてよいレースができ、お客さまにとってもよいレースができかなとほっとしている。

──前戦スポーツランドSUGOのレースではセーフティカーが3回入って、チームによって運、不運があった。こうした事態を是正するために何か検討していることはあるか?

坂東氏:これまでもフルコースイエローやイエローゾーン(筆者注:WECなどで導入されているスローゾーンのことと思われる)などに関して検討してきた。セーフティカーをだして、一度レースを止めるというのは10年前から導入してきた。GT500のトップをセーフティカーで抑えると、GT300にラッキー、アンラッキーが出てしまうことを防ぐために、GT500とGT300の頭出しをしている。

 スポーツランドSUGOのレースに関しては、2回目のセーフティカーまではある程度の時間があったためクリアーな状況を保つことができた。しかし、3回目はイエロー解除から周回が早かったため、早く交換した人、クリアーになってから入ろうと思っていた人の間で違いが発生してしまった。そこの部分で入るのであればフルコースイエローが入ってはどうかというのが議論。ヨーロッパではまずフルコースイエローにしてからセーフティカーをだしているし、コース距離がないところだとイエローゾーンを使っている。が、菅生のようなショートコースだと、それは難しい。このあたりはフルコースイエローやイエローゾーンの導入を検討しないといけないが、予算との関係、コースマーシャルの動き方などについても考えないといけない。

 例えば、フルコースイエローで速度を60km/hぐらいに抑えて安全に作業できるようにするというのも1つの考え方。車両にはリミッターを入れればいいだけで、ECUとの接続に関してもFIA-GT3も、GT500、マザーシャシーに関しても空きはあるので、不可能ではない。どういう形が日本にあったフルコースイエローなのかを検討していきたい。

──2017年のカレンダーが正式に発表されましたが、それについてのコメントを。

坂東氏:(従来は10月だった)タイは7月の上旬になった。10月から動かしたのは、向こうが10月にMoto GPを検討しているからで、6月の中旬にはル・マン24時間レースの練習走行、車検、決勝レースなどがあるので、そことのバッティングを考慮した。

 ル・マンの翌週というのはいいタイミングなのかと思っているが、7月と10月というのは雨どうかというのはあるが……鈴鹿1000kmのレースは既報のとおり来年から10時間レースに衣替えをして、8月に行なわれる。それでSUPER GTとしては鈴鹿を今年のオートポリスのタイミングに入れ、オートポリスを10月にした。距離の方はそれなりの形を、1000kmレースがなくなった部分について話しをしている。

──距離については決定しているのか?

坂東氏:オーガナイザーと確約していないので、適当なことを言うと怒られてしまうのだが……5月の富士の500kmに加えて、ここの富士の8月のレースを伸ばすことになる。

DTM側の状況を注視するが、ファイナルレースを行うという目標に変更はなし

──先日、DTMのメルセデスが2018年をもって撤退することが明らかにされた。それについてドイツ側からの連絡は? また、SUPER GTへの影響は?

坂東氏:一番ビックリしているのはITR(筆者注:DTMのプロモーター)だと思う。7月のITRの会議で、我々とのEVなどのライセンス契約などについて話し合われると聞いていた。だが、その場においてメルセデス側から18年で撤退するという発言があったようだ。アウディやBMWといった他のメーカーもビックリしている。その2日後にテレビ会議を行なって、この状況はどういうことかをお互いに共有した。(ドイツ側からは)夜中にいきなり電話がかかってきて、本当にビックリした。

 基本それを踏まえて、2018年は今まで同じでやっていく、18年までのEVライセンスを延長する。今月いっぱいぐらい、アウディ、BMW、ITRなどと話しをしていく。我々としては、今までも14年、17年と約束を守りながらやってきて、2リッターダウンサイジングエンジンなどを進めてきた。我々としては粛々とファイナルレースを実現するという方向性をやっていく。社会環境がどうなっていくのかを含めてEVの導入であったり、どうしていくのかはこれから話し合っていく。

 今のSUPER GTのレースに関してもマニファクチャラーが母体でやっており、マニファクチャラーが(自社の都合だけで)やめる、やめないというのは許されないと考えているし、そういう場にはしてはいけないと思っている。マニファクチャラーとはそういうお付き合いをしていきたい。

──室屋義秀選手がデモフライトを行ったが、それについての感想を

坂東氏:(言下に)センターブリッジの下をくぐってもらいたい(笑)。本人は行けると言ってたらしいけど……。パフォーマンスそのものは箱根の山を飛んでるときはふーんと思ったけど、スタンドの中を飛んでいるときには、すげーなと思った。しかもその状況の中で手を振ってた。富士スピードウェイとレクサスの取り組みの中でえ決まった話だけども、お客さまが見て、興味を持ってもらえるのであれば嬉しい。

 恐竜(筆者注:7月に新しくオープンしたFUJIジュラシックウェイ)見に行った? ぜひ足運んでもらって楽しんでみてほしい。

──最後に代表からまとめを。

坂東氏:今回のレースはシリーズの折り返し地点。その意味でいいレースを期待したい。ホンダも速くなって、何回ポールを獲れば気がすむんだという感じだが、早く結果を残してほしい。今回はシリーズのスポンサー(筆者注:オートバックスセブン株式会社)のチームが、GT500とGT300のポールを獲るという事態。グリッドにつくセレモニーはGT500とGT300は別々にだしていたけど、折角だから一緒に走らせようと思ってスタート進行担当に指示した。あとは、ピエール(筆者注:場内アナウンサーのピエール北川氏)よろしく(笑)。