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ダイハツ、初めてクルマを購入する若年女性の好みやニーズを反映した新型「ミラ トコット」発表会
「女性や初めてクルマを購入される方により輝いていただきたい」と奥平社長
2018年6月26日 06:00
- 2018年6月25日 開催
ダイハツ工業は6月25日、同日に発売した新型軽自動車「ミラ トコット」の発表会を都内で開催した。
ミラ トコットは、軽自動車のベーシックモデルである「ミラ イース」同等の扱いやすいボディサイズで、若年女性エントリーユーザーをはじめとした幅広いユーザーに日々のモビリティライフをより安心して過ごせるようにという想いを込めて開発された新型車。
運転のしやすさと意匠性を両立したスクエア調のシンプルなデザインで、エントリーユーザーでも気軽に運転できるように、車両感覚が掴みやすく死角の少ないパッケージを実現。インテリアの使い勝手にこだわるとともに、衝突回避支援システム「スマートアシストIII」の採用や、「SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ」を軽自動車として初めて全車標準装備した。
価格や装備など詳細は関連記事を参照いただきたい。
女性や初めてクルマを購入する層に向けたクルマを開発
発表会ではまず、ダイハツ工業 取締役社長 奥平総一郎氏が挨拶。「お客さま1人ひとりに軽やかに輝いていただきたい」というグループスローガン「Lignt you up」について触れ、「ミラ トコットでは特に女性や初めてクルマを購入される方により輝いていただきたいと考えました。開発にあたって社内の女性プロジェクトメンバーがお客さまの視点に立ち、女性ならではの感性を取り入れ、想いを込めて企画してくれました」と、ミラ トコットについて述べた。
続けて、軽自動車の本質や使われ方などについて調査を行なったと話し、「軽自動車は暮らしに密着した存在だと感じた」として、「日本のお客さまにぴったりな軽自動車と、そこで培ったノウハウを起点としたコンパクトカーで、お客さま1人ひとりの視点に立ち、ニーズにお応えできる商品ラインアップやサービスを広げてまいります」と今後について語り、挨拶を締めくくった。
ミラ トコットの企画を担当した女性プロジェクトメンバーを代表して、ダイハツ工業 商品企画室 西山枝里氏が登壇し、商品企画についてプレゼンテーションを行なった。
西山氏は「女性、特に初めてクルマを購入される若年層から『自分にちょうどいい、欲しいと思うクルマが見つからない』という声が聞かれました。この声に応えるため、部門を越えて女性社員が集い、プロジェクトに初めてクルマを購入する若年女性の好みやニーズを反映させる新しい取り組みが始まりました」と、女性プロジェクトメンバーが集められた経緯について説明。
プロジェクトを進めていくにあたって調査を行なった結果、「女性の感性の変化や運転への不安が見えてきた」と話し、従来の女性向け商品にありがちな、かわいさやかっこよさの要素を加える“盛る”という発想ではなく、“素”の魅力にこだわってシンプルにするというコンセプトと、肩肘張らず自然体でいられるという意味の「エフォートレス」というキーワードをそれぞれ設定。「車両の感覚が掴みやすく運転しやすいパッケージで、無理も不安もなく毎日使うことができるパートナーのようなクルマを目指しました」と開発について述べた。
また、「チーフエンジニアやマネージャーたちの持っている“女性=可愛い物が好き”という固定概念を覆すのは非常に難しいことでした。しかし、全国の販売会社や社内の新入社員にさまざまなヒアリングなどを実施した検証の結果を踏まえつつ、何度も提案を繰り返して開発を進めていきました」と、開発を行なうにあたり苦戦したことについて述べた。
最後に西山氏は「軽自動車は地方ではまさに公共の乗り物であり、人々の暮らしを支えています。私たちメンバー一同は、例えば学校を卒業し、新生活に向けて初めて自分のクルマを購入される方、親元を離れて暮らし始めた女性の方などに、暮らしのパートナーとしてミラ トコットを使いながら充実した生活を送っていただきたいと考えております」と述べてプレゼンテーションを終えた。
また、ミラ トコットの商品概要について、ダイハツ工業 製品企画部 チーフエンジニア 中島雅之氏が説明。
製品特徴を「誰でも安心して乗れる『安全・安心』へのこだわり」「自然体でいられる、シンプルで愛着のわくデザイン」「軽自動車ならではのお求めやすい価格」の3つだとして、それぞれについて解説。
安全、安心へのこだわりを「座った時、走っている時、もしもの時、この3つをしっかりサポートできるクルマを目指しました」として、水平基調のレイアウト、少し立ったフロントピラー、ドアパネルに付けたミラーなどのパッケージや、チルトステアリングと運転席シートリフターで体格に合った運転姿勢を確保することで座った時の安心を実現したと説明。
走っている時の安心として、車両の前後左右に付けたカメラで上から見たような画像を映し出す「パノラマモニター」と、前4カ所、後ろ2カ所のソナーセンサーで障害物を検知して知らせる「コーナーセンサー」で、「軽自動車初となる見て聞いてのダブルの仕組みで、安全安心を提供いたします」と話した。
また、パワーステアリングでは、女性が使いやすいように低速での操舵力を軽くしたと話し、「実は試作車ができあがったときに、『この軽さはなんだ!? 軽すぎるじゃないか!』と思わず叫んでしまいました。しかしながら、20名以上の女性に乗っていただくと、とても運転しやすいとものすごく高い評価で、やはり男性目線だけではダメだと思いました」と、開発の際に感じたギャップについて話した。加えて、サスペンション類を最適化して、不快な揺れの低減や扱いやすくしなやかになるような乗り心地を実現したとした。
そして、もしもの時の安心については、衝突回避支援システムのスマートアシストIIIを採用し、歩行者にも対応する緊急ブレーキや、前後誤発進抑制、オートハイビームなど、充実した安全機能を装備したことを挙げた。
デザインについては、「ほっとスクエアハッチ」というコンセプトで、角の取れたスクエアボディと正面を向いた愛嬌のある丸形のヘッドライトで優しい印象を創出。デザイン性と運転のしやすさを両立させたとした。
価格については「スタート価格を100万円台からに抑えた」と話すとともに、新開発のアクセサリーパッケージとして3つの「アナザースタイルパッケージ」を設定したことを説明。「従来のアクセサリー用品は全て店舗での装着でしたが、今回のアナザースタイルパッケージは、あらかじめ工場で装着する部品と店舗で装着する部品を効率よくパッケージ化することで、お求めやすい価格としました」と特徴を述べた。