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スズキ、燃費および排出ガスの抜取検査で不正事案。「トレースエラー」で無効とすべき試験を有効で処理

全調査台数1万2819台のうち、トレースエラーがあったのは6401台

2018年8月9日 発表

湖西、相良、磐田各工場の排出ガス・燃費試験用測定装置に残されていた期間、対象車種

 スズキは、7月9日付けで国土交通省から確認指示を受けていた「燃費及び排出ガスの抜取検査の不正事案を受けた確認の実施等について」に対する調査結果を、8月8日に国交省へ報告した。

 この調査結果で、規定の走行モードに合わせられず車速が規定の範囲から逸脱し、その逸脱時間が許容範囲を超えた(「トレースエラー」した)ため本来無効とすべき試験結果を、有効なものとして処理した事案があることが判明した。

 4輪車のトレースエラーの調査は、排出ガス・燃費抜取検査用測定装置に残っていた湖西工場の7963台分(2013年10月~2018年7月)、相良工場の3060台分(2012年6月~2018年7月)、磐田工場の1796台分(2016年4月~2018年7月)の計1万2819台を対象に実施。そのうち6401台(49.9%)の試験車両で本来無効とすべき試験を有効なものとして処理していたという。

 今回の問題の要因の1つとして組織管理面を挙げており、1シフトあたり班長と一般の3人の検査員で検査業務を行なっているが、工場には排出ガス・燃費試験に詳しい管理職が配置されておらず、何か問題があった場合に現場の3人で判断しなければならない状況にあったという。

 そのため、8月7日付けで各工場に担当管理職を配置するとともに、7月30日に各試験のトレースエラーを複数の検査員でチェックし、判定結果を検査成績書に記載するよう作業要領を見直した。また、8月末までに測定値の書き換えができないよう測定装置を改修し、それまでの間は検査員は測定データの書き換えができない権限でシステムにログインして業務を行なうとのこと。