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スズキ、2737台で無効な測定結果を有効なものに書き換え。燃費および排出ガスの抜取検査で新たな事実を国交省に報告

2018年9月26日 発表

測定ごとの平均値が測定毎の最大値と最小値の範囲から外れた測定データがある試験台数2737台については、何らかの書き換えが行なわれていることが判明

 スズキは9月26日、燃費および排出ガスの抜取検査に関して、2737台で測定結果の書き換えがあったことなど新たに判明した事実について、現時点で同社が把握している内容を国土交通省に報告した。

 スズキは、8月8日に4輪車の抜取検査においてトレースエラー(運転が測定モードに合わせられず失敗)した測定を有効なものとして処理していたことを同省に報告しているが、新たに判明した事実として、8月8日付け報告書の提出後に行なわれた国土交通省による立入検査や社内調査を行なっている過程で明らかとなった。

 今回、スズキの報告した概要は以下の4つ。

1:4輪車の新たなデータが見つかり、トレースエラーの件数が増えること
2:4輪車のトレースエラーの原因について、完成検査員から新たな証言(業務量過多など)があったこと
3:4輪車の測定結果の書き換えなどがあること
4:2輪車の新たなデータが見つかり、トレースエラーが2件あること

 このうちトレースエラーの件数については、前回報告された湖西工場、相良工場、磐田工場の3工場を合計した6401台から、今回の報告で6883台となった。

トレースエラーの件数
8月8日に報告したトレースエラー件数の修正
新たに見つかったトレースエラー件数

 4輪車の測定結果の書き換えがあることに関しては、同社は8月8日の報告において過去1年分のデータを調べて書き換えはないと報告していた。

 その後、国土交通省による立入検査での指摘を踏まえ、残されたすべての測定データについて調査したところ、測定ごとの平均値が測定毎の最大値と最小値の範囲から外れた測定データがある試験台数2737台については、何らかの書き換えがされていることが判明した。

 なお、3工場とも8月24日までに測定データの書き換えができないシステムに改修済みとなっている。

 同社は「8月8日付けの報告書を提出させていただいた時点で把握できなかった事実が、多々判明しており、弊社の調査が極めて不十分であったと言わざるを得ず、心よりお詫び申し上げます。この事態を深く反省するとともに、今回の事案だけでなく、完成検査業務全般について、社外の専門家により、客観性・中立性を確保した上で、徹底的な調査・検証を行なっていただき、再発防止策の構築を図って参ります」とコメントしている。