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【SUPER GT第7戦 オートポリス】100号車 RAYBRIG NSX-GTでポイントリーダーの山本尚貴選手、ジェンソン・バトン選手に聞く
2018年10月21日 10:08
- 2018年10月21日 決勝開催
日本で最も多くのファンを集めるモータースポーツであるSUPER GTの2018年シーズンは、第7戦オートポリス、第8戦ツインリンクもてぎの2戦を残すのみとなっている。
第7戦オートポリス前までのシリーズドライバーランキングは、1位 100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組) 61ポイント、2位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組) 49ポイント、3位 1号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組) 47ポイント、4位 17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組) 40ポイントと、山本尚貴選手、ジェンソン・バトン選手が1つ抜け出す形だ。
第7戦オートポリスの予選は10月20日に行なわれたが、予選上位を8号車 ARTA NSX-GT、17号車 KEIHIN NSX-GT、100号車 RAYBRIG NSX-GTの順で占め、今シーズン好調なNSX-GT勢の戦いの様相が強い。
シリーズチャンピオン獲得を目指す、山本尚貴選手、ジェンソン・バトン選手に予選終了後簡単に話を聞いてみた。
シリーズチャンピオンがNSX-GT勢の争いの様相が強くなっていることについてバトン選手は、「チャンピオンの可能性はいろいろなチームにある。17号車のNSXもそうだし、1号車、36号車のトムスにもある。SUPER GTは素晴らしいレースだ。多くのチーム、ドライバーが、コンビネーションを試され、最終戦まで戦いが続いていく」と語り、NSX-GT勢だけでなくレクサス LC500勢にもチャンピオンのチャンスがあり、それは最終戦まで分からないという。
チャンピオンを獲得するためには「レースで勝つのはもちろん、チームメイトとの協力やチームとの協力が大切だ」とし、シリーズの中では妥協していくところを持つことも意味があるとする。
ご存じのようにバトン選手は、最高峰のモータースポーツともいわれるF1のチャンピオンであり、そのバトン選手にとって日本でSUPER GTのチャンピオンを獲得する意義とは何なのだろう。バトン選手にその点を聞いてみると「それには大きな意味がある。SUPER GTはエキサイティングなレースだ。多くの才能あるドライバーが戦っており、3つの大きなマニュファクチャー(ホンダ、トヨタ、日産)がGT500に参戦している。その戦いにおいてもし私にチャンピオンを獲得する機会が増えるなら、それはとても幸せなことだ」と語り、世界的に見ても激しい戦いが繰り広げられているSUPER GTチャンピオン獲得に強い意欲を見せる。
また、ドライバーとしてレースに勝つ、シリーズチャンピオンを獲得することはとても自然な動機で、「戦いに勝つのはとてもエモーショナルこと。前戦のSUGOで勝ったときもうれしかった」と、にこやかに語ってくれた。
そのバトン選手とペアを組んで戦っているのが山本尚貴選手。山本尚貴選手は、SUPER GTでもポイントリーダーとして戦っているが、SUPER GTと並ぶフォーミュラカーレースのスーパーフォーミュラにも参戦しており、こちらでもチャンピオン争いを繰り広げている日本を代表するレーシングドライバーだ。
バトン選手は今シーズンからSUPER GTに参戦しており、第1戦岡山で初めてのペアながら2位を獲得(1位は17号車 KEIHIN NSX-GT)。バトン選手の状態からタイヤ無交換を判断し、セカンドスティンとのドライバーとしてレースをまとめ上げた。その2位から始まったシーズンで、着実なレース展開を続けることでポイントランキング上位に付け、前戦のSUGOで優勝することでランキングトップに躍り出た。SUPER GTを熟知している戦いを行なっているが、その山本選手にとって、バトン選手とのペアはどうなのだろう。
第1戦岡山からペアを組んだバトン選手について山本選手は、「そうですね、GTは簡単ではないので。彼の素晴らしいところはやはりミスが少ないところです。ときにはアグレッシブになることも必要ですが、初めて戦うシーズンで安定してミスなく走るのは簡単なようで難しいので。それができているのは彼の素晴らしいところです。それが今のランキングにつながっているのかなと思います」と語り、初めて参戦したシリーズにもかかわらずしっかり戦えるバトン選手は素晴らしいという。
シリーズチャンピオンを獲得するには、SUPER GTをよく知る山本選手の走り、そして戦略が重要になってくる(実際、第1戦岡山はそれが強く出たレース)。とくにライバルに同じNSX-GT勢が多く、その混戦の中から抜け出す何かが必要となる。その点について聞いてみると、「あまり今チャンピオンのことを考えるのではなく、レースでしっかりと上位にいることを考えたいと思っています。それがなにが重要か分かって、それが遂行できれば簡単にチャンピオンを獲れるのですが。それが分かっていたらこんなに悩まないし、それは状況次第でしょうか。状況、状況で二度と同じ状況にはならないし、そのときどきでベストをつくすのが一番大事だと思っています」と語り、チャンピオンに向けてというより、1つ1つのレースをしっかり戦っていくことが大事だという。
SUPER GTで激しくチャンピオン争いを繰り広げている山本選手だが、10月21日の日曜日の決勝が終わった後には、今週の金曜日から始まるスーパーフォーミュラ最終戦 JAF鈴鹿グランプリで、スーパーフォーミュラのチャンピオン獲得に挑んでいくことになる。日本を代表する2つのレースで、いずれもチャンピオン争いを繰り広げることの難しさはないのだろうか?
その点について山本選手は、「難しいこともあるのですが、その半面どちらもタイトル争いができるの環境で乗らせてもらえているということはものすごく感謝すべきことですし、その中でいろいろなプレッシャーだったりとか、自分で自分自身をいい意味で追い込むということは、楽なことではないです。その状況下で結果を残すことがプロだと思います。いずれにせよ恵まれた環境で乗らせてもらえているなと思っています」と、プロとして、そして日本を代表するレーシングドライバーとしての意気込みを語ってくれた。
SUPER GT第7戦オートポリスの決勝は、21日14時開始。100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)の戦いに注目をしてほしい。