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SUPER GT、マレーシア・セパンサーキットでナイトレース開催。2020年から3年契約を調印

2018年11月10日 発表

HARO SPORTS & ENTERTAINMENT SDN. BHD マネージングパートナー ファリザル・ビン・ハッサン氏(左)と、株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏(右)。開催に関する覚書を交換

 SUPER GTのプロモーターとなるGTアソシエイション(以下GTA)は、SUPER GT最終戦が開催されているツインリンクもてぎにおいて11月10日に記者会見を開催。マレーシアのスポーツオーガナイザー/レースプロモーター企業であるHARO SPORTS & ENTERTAINMENT SDN. BHD(以下HARO)がSUPER GTのナイトレースを2020年から3年間開催する契約を結んだことを明らかにした。

 GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏、HARO SPORTS & ENTERTAINMENT SDN. BHD マネージングパートナー ファリザル・ビン・ハッサン氏が公開調印式に臨み、正式に契約が結ばれた。なお、マレーシア戦の会見終了後には、通常のGTA定例会見が行なわれた。

2020年から3年契約でマレーシアのセパンでナイトレースを実施。スタート時刻は現地時間20時の予定

HARO SPORTS & ENTERTAINMENT SDN. BHD マネージングパートナー ファリザル・ビン・ハッサン氏

 今回の会見で明らかにされたのは、マレーシアのスポーツオーガナイザー/レースプロモーター企業であるHAROとの3年契約で、2020年からマレーシアのセパン・サーキットでSUPER GTのレースが開催されることになる。マレーシアのセパン・サーキットでは、2000年の特別戦として行なわれたレースから2013年まで、2003年を除いてSUPER GTが13回開催されており、マレーシアでのSUPER GTの知名度は高いという環境にある。また、オフシーズンのテストの会場としても使われており、その意味でもなじみが深い会場といえる。

 2013年まで行なわれていたレースとの最大の違いは開催時間となる。HARO SPORTS & ENTERTAINMENT SDN. BHD マネージングパートナー ファリザル・ビン・ハッサン氏は「今回のSUPER GTのレースはナイトレースになる。予選、決勝ともに現地時間20時スタートを予定している」と述べ、すでにセパン・サーキットに導入されている新しいナイトレース用の照明設備を利用してナイトレースが行なわれるという計画であることを明らかにした。なお、マレーシアと日本は時差1時間となっているため、予選、決勝が20時からスタートということは、日本時間は21時から予選、決勝がスタートすることになる。

 GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏は、「HAROはサッカーチームの運営などでも高い評価を得ているプロモーター企業で、そうした企業と契約を結べたのはとても嬉しい。マレーシアでのSUPER GTの認知度や評価は既に高く、今後もそれを高めてマレーシアでもファンを増やし、日本とマレーシアの友好関係の一助となりたい」と述べ、マレーシアでのSUPER GTのファンを増やして、日本とマレーシアの友好関係を深める助けになりたいと説明した。

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

 質疑応答ではタイ大会との関係性に関しても説明され「タイとは来年までの契約、それ以降は契約に基づいてやっていくという形になる、雨期との関係もあるので、そこに絡めて検討していきたい」と述べ、タイ大会に関しては契約次第だと説明した。ただし、仮にタイ大会が継続された場合にはマレーシアと連戦にしていきたいという意向があるとも板東代表は説明しており、タイ大会の契約は2019年までだが、その契約も更新される方向でGTA側としては動いている可能性が高い。

 これまでのSUPER GTの歴史ではナイトレースが行なわれた例がなく、その最初の例が2020年のセパン戦となる可能性が高く、どのような風景のレースになるのか、今から2020年が楽しみだ。

2020年はオリンピックの影響で富士500マイルは開催されず、マレーシア戦が追加されて8戦で開催予定

 マレーシア戦の会見終了後には、通常日曜日に行なわれているGTAの定例会見が1日前倒しして行なわれた。

──今年1年を振り返ってどうか?

坂東代表:冷や冷やドキドキだったけど、最終的には面白い状況になっている。ITRとのクラス1に対する取り組み、SUZUKA 10hを初めてやったのに対する協力体制、またそれに合わせて鈴鹿が移動して5月になりという新しい状況に対処してきた。お客様となるモータースポーツファン、そして入場者数に対しても、より多くのモータースポーツファンを生み出してきたのではないかと考えている。WECで中嶋一貴選手や小林可夢偉選手が頑張り、インディ500で佐藤琢磨選手が勝った相手は誰なのかという、とんでもないすごい相手と戦って勝ったのはもちろんすごいことだが、日本で井の中の蛙としてSUPER GTだけが日本のコンテンツとして世界と戦っている状況なのでそこをメディアの皆様にもきちんと伝えていただきたい。その結果としてマニファクチャラーの営業戦略の1つとしてなるように、今年少しでもそう感じられた部分を来季に向けて始動していきたい。クラス1でDTMと協業したりということをやっているが、相手の国のことも理解して、解っていくことが大事だ。

──2019年のシーズンでのDTMとの交流戦に関して決まった部分があるか?

坂東代表:現在調整中。ギリギリのカレンダーの中での調整なので難しい。だが、スタートしなければ前に進まないし、日本のマニファクチャラーからは12月10日までに返事をして欲しいと迫られている状態なので。特に2020年からは新しいレギュレーションでの車両作りをしなければならないため、今の現状からのプラスアルファを作り上げないといけない。GT300に関してはGT3に関してSROとコミュニケーションを密にして、JAF-GTとのBOPなどにも調節していかないといけない。

──この間のオートポリスでは36号車と37号車の順位の入れ替えがチームオーダーではないかという議論があったが、板東代表の認識は?

坂東代表:1つにはそれがチームオーダーなのか、メーカーオーダーなのかということを定義しないといけない。現状ではマニファクチャラーのタイトルはかかっていないので、それ(メーカーオーダー)に対するルールもない。もちろん我々の側では無線なども入っているので、トラブルシューティングに対して理解をしている範囲内である。今後きちっとしたやり方をルールになるのであればオッケーなのではないかと考えている。

──2020年のオリンピック開催時の、8月の富士500マイルはどうなるのか?

坂東代表:オリンピックの年には(オリンピック競技の会場になるため)7月から富士スピードウェイが使えない。このため、2020年は富士500マイルはなくなる。年8戦という格好やると、マレーシアを入れて8戦になる。その後は21年以降に考えていかないといけない。

──富士500マイル、お客様側の医療体制とか、今年みたいに暑くなると熱中症などへの対処が必要になると思うが?

坂東代表:お客様に集まっていただいて楽しんでいただくというのが基本で、お客様に対するフォローはサーキットに考えていただく形となる。だが、プロモーターとしても協力できる部分はあると思うので、検討していきたい。