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明治産業、英国高級自動車メーカー「ALVIS(アルヴィス)」総代理店に。英国大使館で発表会開催

コンティニュエ―ション・シリーズの「4.3リッター・シリーズ」「3リッター・シリーズ」計6モデル導入

2018年11月16日 開催

英国大使館でALVISモデルについての発表会が行なわれた

 明治産業は11月16日、英国高級自動車メーカーのThe Alvis Car Company Limited(ALVIS)と日本における総代理権契約を結び、ALVIS(アルヴィス)モデルの日本導入を開始した。

 同日、英国大使館(東京都千代田区一番町)において発表会を開催し、駐日英国大使館 公使参事官 貿易・対英投資ダイレクターのクリス・ヘファー氏、ALVIS 英国本社 会長のアラン・ストート氏、明治産業 取締役社長の竹内眞哉氏が登壇してそれぞれ挨拶を行なった。

駐日英国大使館 公使参事官 貿易・対英投資ダイレクターのクリス・ヘファー氏
ALVIS 英国本社 会長のアラン・ストート氏
明治産業株式会社 取締役社長の竹内眞哉氏

 ALVISは1919年に創業。1925年に前輪駆動車を開発し、自動車メーカーとして初めてレースに参戦して1928年にはル・マン24時間レースでワン・ツーフィニッシュ(1500cc)を達成。同年に前輪駆動の量産モデルの販売を開始した。その後も1933年に世界初のオール・シンクロメッシュ・ギヤボックスの設計、独立懸架式フロントサスペンションの英国車初採用、さらに1936年に「4.3リッター ヴァンデン・プラス」を発表するなど多数の話題を振りまいてきたが、1967年に量産車製造を中止。以降は既存オーナーのために部品の製造やALVISモデルの修復に事業をとどめていたという。

 一方で、1953年に発足した明治産業の関連会社である明治モータースがかつてALVISモデルの販売を日本で行なっており、今回の日本導入は正確に言うと“再導入”となる。1963年に明治モータースはALVISモデルの販売業務を終了していたが、2018年が明治産業にとって創立85周年にあたり、さらなる飛躍を求めて新規事業を模索していたところ、2017年にALVISが1967年以来停止していた量産車生産を再開すると発表。タイミングが合致したことから明治産業はALVISの日本における総代理権を獲得するに至った。

 その生産再開にあたって発表されたモデルが、「コンティニュエ―ション・シリーズ」という6つの限定生産モデルになる。

4.3リッター・シリーズは「ヴァンデン・プラス・ツアラー」「ベルトーリ・スポーツ・クーペ」「ランスフィールド・コンシールド・フード」の3モデル展開
3リッター・シリーズは「グラバー・スーパー・クーペ」「グラバー・スーパー・カブリオレ」「パーク・ウォード・ドロップ・ヘッド・クーペ」の3モデル展開

 コンティニュエ―ション・シリーズは、直列6気筒4387ccエンジン(最高出力160HP)を搭載する「4.3リッター・シリーズ」と、直列6気筒2933ccエンジン(最高出力150HP)を搭載する「3リッター・シリーズ」に分けられ、4.3リッター・シリーズとして「ヴァンデン・プラス・ツアラー」「ベルトーリ・スポーツ・クーペ」「ランスフィールド・コンシールド・フード」を、3リッター・シリーズとして「グラバー・スーパー・クーペ」「グラバー・スーパー・カブリオレ」「パーク・ウォード・ドロップ・ヘッド・クーペ」の計6モデルをラインアップする。

会場に展示された3リッター・シリーズの「TE21 サルーン バイ パークウォード」
直列6気筒2933ccエンジンは最高出力150HPを発生
TE21 サルーン バイ パークウォードのインテリア

 中でも4.3リッター・シリーズはユニークで、このモデルは1937年に当時のALVIS 取締役会が承認した4.3リッターモデル用のシャシー150台のうち、1940年に製造工場が受けた爆撃によって製造中止となった77台分のシャシーを製造することをコンセプトに掲げている。コンティニュエ―ション・シリーズは製造中止となった当時と同じシャシー番号が割り振られているため、シリーズ名にコンティニュエ―ション(=承継)が与えられたという。また、オリジナルの作業図面を元にして作られた直列6気筒エンジンも1936年の設計そのままのものだそうで、その時代の雰囲気を持ちながら現代的な素材や燃料噴射&エンジンマネージメントを採用しており、そのことから出力は当時のものより増大しているとのこと。

 つまり4.3リッター・シリーズは77台のみの製造と貴重なモデルになる。3リッター・シリーズは部品が多く存在することから台数に制限は設けられないとのこと。ただし、4.3リッター・シリーズもさまざまなデータの蓄積を現在行なっているそうで、ニーズがあればゆくゆくはシャシー番号「151」以降のモデルが作られる可能性もあるようだ。

会場に展示された4.3リッター・シリーズの「ヴァンデン・プラス・ツアラー」。標準仕様の全長は4850mm、ホイールベースは3220mm。グラバー・スーパー・クーペとともに、ALVISがフルレストアを行なったモデル
直列6気筒4387ccエンジンは最高出力160HPを発生
ヴァンデン・プラス・ツアラーのインテリア

 なお、いずれのシリーズも各部に使う素材などのリクエストができる関係から、販売価格については現時点で明らかにされていないが、イギリスでの“最低販売価格”として4.3リッター・シリーズが41万ポンド~48万ポンド(日本円で約5945万円~約6960万円)、3リッター・シリーズが28万ポンド~39万ポンド(約4060万円~約5655万円)という価格が発表されている。

 購入については、12月1日に完成予定のALVIS高浜ショールーム(東京都港区港南2-12-23 明産高浜ビル 1F)で受け付ける予定で、ショールームには11月16日に英国大使館で行なわれた発表会会場に展示されたヴァンデン・プラス・ツアラーとTE21 サルーン バイ パークウォードが並べられるとのこと。ショールームには常時担当者がいるわけではないため、事前に電話予約(Tel:03-5563-8863)をするとスムーズな交渉が行なえるようだ。

明治産業について。2018年のSUPER GT GT500クラスの「TEAM KUNIMITSU」をスポンサードしており、2019年も引き続きスポンサーになることが決定している
12月1日に完成予定のALVIS高浜ショールーム

【お詫びと訂正】記事初出時、価格表記および展示車両の名前に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。