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BRPジャパン、普通自動車免許で乗れる3輪モーターサイクル「Can-am Ryker」発表会

エンジンは47HPの2気筒600cc&77HPの3気筒900ccをラインアップ。135万9000円~

2019年3月29日 発表

3輪モーターサイクル「Can-am Ryker」。写真はオフロード向け装備がある「Can-Am Ryker 900 Rally Edition」

 BRPジャパンは3月29日、3輪モーターサイクル「Can-am Ryker」を発売し、都内で発表会を開催した。Can-am Rykerはすでにラインアップしている「Can-am Spyder」のエンジンをダウンサイジングし、価格を135万9000円からと抑えた、2輪車のようなオープンエアーな運転を実現しながら普通自動車免許で運転が可能なことが特徴。

前輪が2輪のYフレーム設計を持つオンロード3輪モーターサイクル

 BRPはカナダのボンバルディアから2003年にレクリエーショナルプロダクツ部門が独立して、ATV(全天候対応車)やスノーモビル、水上バイク、ジェットボートなどを展開。2007年に同社初のオンロード3輪モーターサイクル「Can-am Spyder」を発売した。

 今回発表のRykerはSpyderと同様に、前輪が2輪のYフレーム設計を持ち、Spyderからエンジンをダウンサイジングして価格を下げたほか、Spyderはチェーンだった駆動をドライブシャフトとしてメンテナンスを軽減するなどした新しいモデル。トランスミッションはCVTを採用してAT限定免許でも運転が可能としている。

 Rykerのモデルは3タイプで、35kW(47HP)の出力を持つ2気筒600ccエンジンの「Can-Am Ryker 600」と、57.5kW(77HP)の出力を持つ3気筒900ccエンジンの「Can-Am Ryker 900」、さらにオフロード走行にも向くようラリータイヤと強化ホイール、フロントグリルプロテクションやハンドガードを装備した「Can-Am Ryker 900 Rally Edition」を用意した。

 サイズはいずれのモデルも2352×1509×1062mm(全長×全幅×全高)で、北米仕様の乾燥重量は270~285kg。工具不要のカスタマイズアクセサリーを多数用意して、ドレスアップからタンデム走行、積載量増加のためのアクセサリーまで組み合わせは7万5000通り以上だとしている。

展示されたCan-Am Ryker

 発表会では2台のCan-Am Rykerが展示された。どちらも900ccのエンジンを搭載する仕様で、通常のCan-Am Ryker 900のほかに、オフロード走行にも向く装備を施したCan-Am Ryker 900 Rally Editionとなる。

Can-Am Ryker 900 Rally Edition
通常モデルとタイヤは同サイズながらラリータイヤと強化ホイールとなるほか、KYBのショックアブソーバー、フロントグリルプロテクション、ハンドガードを装備する
Can-Am Ryker 900
アクセサリーも展示された
既存のCan-am Spyder

Rykerのデビューイベントを開催

 Rykerの発表は「Ryker Debut Event“BE THE ONE”」として開催。BRPジャパン代表取締役の大貫陽介氏のほか、BRPからは、シニアバイスプレジデント ジョゼー・ペロー氏、デザイン&イノベーションディレクターのクリストファー・ルードウォール氏が登壇した。

BRPジャパン株式会社 代表取締役 大貫陽介氏

 BRPジャパン代表取締役の大貫陽介氏は「BRPはおそらく日本ではほとんどの方が知らないと思う。ただ、われわれの製品をどこかで目にしていたかもしれない」と前置き、1937年にスノーモビルの原型を開発したことから始まったBRPの歴史を紹介した。

1937年にスノーモビルの原型を開発したことから始まったBRPの歴史を紹介
オンロードのCan-Amシリーズの展開
新たな革命を起こす

 国内におけるオンロードのCan-Amシリーズの展開についても、2019年には日本での販売台数が2000台を超えてくると予想。6年前からSpyderを国内投入したことで「たくさんのみなさんにスパイダー・ライフを楽しんでいただいている」と実績を紹介した上で、Rykerの投入は「新たな革命を起こす」と評価した。

BRP シニアバイスプレジデント ジョゼー・ペロー氏

 続いてBRP シニアバイスプレジデントのペロー氏は「われわれは3輪市場を作り変えようとしている。それには2つのことが必要で、よりよい価格の製品提供と、簡単かつ乗って楽しい3輪を提供すること」とした。

われわれは3輪市場を作り変えようとしている
135万9000円~という価格
Rykerの特徴

 Rykerの特徴についても「重量が軽く、調整やメンテンナスが不要のドライブシャフトを採用するなど、Rykerのアーキテクチャはシンプル。そして、きわめてカスタマイズ性が高い」とし、「ケータイのケースを取り替えるように簡単にカスタマイズができる」と表現した。

 すでに2018年12月にアメリカで発売しているが、Rykerのユーザー層は既存のSpyderよりも若く多様化しているとし「日本において、新しいライダーの方たちが新たにオープンロードの体験をすると考えている」と女性を含めた新規ユーザーへの期待を寄せた。

BRP デザイン&イノベーションディレクター クリストファー・ルードウォール氏

 一方、BRP デザイン&イノベーションディレクターのルードウォール氏はデザインについて解説。「車輪をできるだけ離して配置することを考えた。シートを低く配置することで、乗ったときに操縦性が高く感じられるようにした」とコンセプトを説明。その効果として「乗り手が格好よく見えるということもある」と述べた。フロントマスクについては「現代的な目の表現をして、メカニカルビューティー。威圧的にならないが美しい」と説明した。

Rykerのデザイン
格好よく見える
アクセサリーでカスタマイズできるようにした

安床武士氏とマドモアゼル・ユリア氏が魅力を語る

 発表会ではプロインラインスケーターの安床武士氏と、DJやシンガーなどマルチに活躍するマドモアゼル・ユリア氏によるトークショーを開催。それぞれのRykerのイメージや試乗した上での感想が語られた。

 安床氏は第一印象として「個性的なフォルム、ひと目見てかっこいい、乗ってみたい、わくわくする」と答えたほか、試乗の印象では「走り出すと安定性がある、倒れないという安心感があり、軽快に思いどおりに動く」と答えた。

 試乗時に起こったエピソードとして「街の中を走るのは気持ちよく、振り返る率は100%。信号待ちで声をかけてもらった」と紹介。「普段の移動用として、Rykerといっしょに走っていきたい」と希望を述べたほか、自身に関係することとして、体を大事にするスポーツ選手であることから転倒しにくい点を評価した。

 ユリア氏は「これに乗りたいがために免許をとった」と、これまで運転免許がなかったことを告白。「操作がシンプルなので、私でも簡単に乗れた」と運転の容易さを強調した。

 また、注目を集める乗り物ということから「バイクが見られている、イコール自分も見られているから、自分も格好よくしたいなと思わせてくれるバイク」と乗車時のファッションも重要だとし、「ファッション好きな子に乗ってもらいたい」と希望を述べた。

安床武士氏とマドモアゼル・ユリア氏が語るトークショーを開催
プロインラインスケーターの安床武士氏
DJでありシンガーのマドモアゼル・ユリア氏