トヨタ、ハイブリッドカーに関連するモーターやPCUなど約2万3740件の特許を無償提供

　トヨタ自動車は4月3日、ハイブリッドカーの開発で培ってきたモーター、PCU、システム制御など車両電動化技術に関連する約2万3740件の特許実施権を無償提供することに加え、トヨタが保有するパワートレーンシステムを活用する場合に技術サポートを実施すると発表した。

　ハイブリッドカーに限らず、EV（電気自動車）、FCV（燃料電池車）などさまざまな電動車開発に応用可能なこの技術を無償提供することで、トヨタが経営の最重要課題として従来から取り組んでいる環境問題への対応を推し進め、CO2排出量削減による地球温暖化抑制に貢献することを目的に実施。トヨタが単独で保有する世界で約2万3740件の特許の実施権が無償で提供されることになった。

　これにあわせ、電動車の開発で必要となるパワートレーンシステムであるモーター・バッテリー・PCU・制御ECUといった「車両電動化システム」にトヨタが保有するシステムを活用する場合、トヨタが電動車の製品化に向けた技術サポートも実施する。

　この発表内でトヨタ自動車 取締役・副社長の寺師茂樹氏は「ハイブリッド車など電動車普及の必要性を感じておられる多くの企業から、トヨタの車両電動化システムについて、お問い合わせをいただくようになりました。今こそ協調して取り組む時だ、と思いました。特にこれからの10年で一気に普及が加速すれば、電動車が普通のクルマになっていくでしょう。そのお手伝いをさせていただきたいと考えました」とコメントし、今回の新たな施策を決断した理由を示している。

　なお、知的財産（特許）に関しては、従来からのオープンポリシーを基本として、第三者からの特許実施の申し込みに対し、適切な実施料によって特許実施権を提供するとのこと。