ニュース

【SUPER GT 第1戦 岡山】平成最後のSUPER GT、ポールは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)

GT300はデビューレースの福住選手が高木選手とともにポール獲得

2019年4月13日~14日 開催

GT500クラスでポールポジションを獲得した23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)

 4月13日~14日の2日間にわたり、2019年のSUPER GT開幕戦「2019 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」が岡山国際サーキットで開催されている。初日となった4月13日(土)には、14時45分から予選が行なわれ、平成最後のSUPER GTの決勝レースに向けたスターティンググリッドが決定した。

 平成最後のSUPER GTのポールポジションを獲得したのはGT500クラスが23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、GT300クラスが55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)となった。

GT300クラスは、ブリヂストンタイヤ勢が1-2-3-4。55号車 ARTA NSX GT3がポール獲得

GT300クラスでポールポジションを獲得した55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)

 14時45分から行なわれたGT300の予選は、昨年のスポーツランドSUGO戦以来となる2つの組に分けられて行なう予選となった。A組15台、B組14台に分けられ、それぞれの上位8台が予選2回目に進むという形で予選が行なわれた。

 GT300予選1回目(Q1)のA組は今回からブリヂストンタイヤに乗り換えた52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹組、BS)。52号車は、午前中に行なわれた練習走行でもトップタイムをマークしており、今回からタイヤメーカーを変更したことがよい方向に転がっているようだ。

 このQ1で危うくQ1落ちを喫しそうになったのが、昨年のチャンピオンチームである65号車 LEON PYRAMID AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組、BS)。だが、最後の最後でギリギリ8位のタイムをマークし、Q2へと進んだ。今回から新車に切り替わった30号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(永井宏明/織戸学組、YH)、31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)の2台は、新車の熟成がまだ進んでいないのかそろって下位に沈んでしまいQ1で敗退になってしまった。また今シーズンから新規参戦となった720号車 McLaren 720S(荒聖治/アレックス・パロウ組、YH)は午前中の練習走行が走れなかったこともあり、A組最下位でQ1敗退になってしまった。

 GT300 Q1のB組では、強豪チームが順当に予選2回目に進んだが、トップタイムをマークしたのは今回からNSX GT3にマシンを切り替えた55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)。このタイムはA組のトップよりもよいタイムになっており、Q1の総合でのトップタイムになった。B組で9位となってギリギリ予選2回目に進めなかったのは18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮組、YH)で、同じNSX GT3勢でも明暗を分ける結果となった。

 予選2回目(Q2)は「The Bridgestone Day」とでも言って良い結果となった。というのも、予選A組、予選B組ともにブヂヂストンユーザーがトップタイムをマークした段階で、ブリヂストンタイヤを履いたチームの優位性があることが明らかになっていた。特に、予選1回目のA組でトップタイムをマークした52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹組、BS)は、昨年のタイヤサプライヤーからブリヂストンにタイヤを換えた途端に予選3位に大躍進したため、ブリヂストンタイヤの貢献が目立つ結果となっているからだ。

 そうした中でポールポジションをゲットしたのは55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組、BS)。55号車は、今年から車両をホンダ NSX GT3へと変更し、その最初のレースでコースレコードを記録してポールポジションを獲得した。Q2を担当した福住仁嶺選手は、今回のレースがデビューレースでいきなりポールポジション獲得となっており、Q1で高木選手がトップタイムをマークしていてプレッシャーがかかる中でのポールポジション獲得は賞賛されていいだろう。

 2位は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)で、坂口選手もSUPER GTのデビューレースでいきなり予選2位グリッド獲得は大健闘と言っていいだろう。3位は52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC、4位は昨年チャンピオン65号車 LEON PYRAMID AMG。

GT300クラス予選2位の96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)
GT300クラス予選3位の52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹組、BS)

 ユーザー数では最大勢力横浜タイヤ勢の最上位は5位の25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/佐藤公哉組、YH)で、ダンロップ勢の最上位は9位のSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)となった。

GT300 予選結果
順位カーナンバーマシンドライバータイヤQ1タイムQ1組Q2タイム
155ARTA NSX GT3高木真一/福住仁嶺BS1分25秒447B1分24秒889
296K-tunes RC F GT3新田守男/阪口晴南BS1分26秒056B1分24秒905
352埼玉トヨペットGB マークX MC脇阪薫一/吉田広樹BS1分25秒393A1分25秒091
465LEON PYRAMID AMG黒澤治樹/蒲生尚弥BS1分26秒280A1分25秒186
525HOPPY 86 MC松井孝允/佐藤公哉YH1分25秒680B1分25秒195
65ADVICS マッハ車検 MC86坂口夏月/平木湧也YH1分25秒852B1分25秒241
74グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1分25秒791B1分25秒448
856リアライズ 日産自動車大学校 GT-R平峰一貴/サッシャ・フェネストラズYH1分25秒836B1分25秒566
961SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL1分26秒199A1分25秒575
1011GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL1分26秒077A1分25秒718
1110GAINER TANAX triple a GT-R星野一樹/石川京侍YH1分25秒550B1分25秒736
1260SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/宮田莉朋DL1分26秒063A1分25秒974
1334Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/大津弘樹YH1分26秒128A1分26秒103
1488マネパ ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH1分26秒053A1分26秒156
1533エヴァRT初号機 X Works GT-Rショウン・トン/マーチー・リーYH1分26秒272A1分26秒933
162シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規YH1分25秒830B1分29秒106
17360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤YH1分26秒309A-
1818UPGARAGE NSX GT3小林崇志/松浦孝亮YH1分26秒061B-
197D'station Vantage GT3藤井誠暢/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラYH1分26秒367A-
2087T-DASH ランボルギーニ GT3高橋翼/アンドレ・クートYH1分26秒093B-
2135arto RC F GT3ナタポン・ホートンカム/ショーン・ウォーキンショーYH1分26秒464A-
229PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE横溝直輝/峰尾恭輔YH1分27秒050B-
2321Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/富田竜一郎YH1分26秒571A-
2450ARNAGE AMG GT3加納政樹/山下亮生YH1分27秒159B-
2530TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH1分26秒576A-
2648植毛GO&FUN GT-R田中勝輝/飯田太陽YH1分27秒545B-
2731TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴BS1分26秒756A-
2822アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH1分27秒568B-
29720McLaren 720S荒聖治/アレックス・パロウYH1分26秒801A-
GT300クラスのポールポジションを獲得した55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)
高木真一選手
福住仁嶺選手

GT500クラス Q1の結果から現在の一発の速さの勢力図はGT-R、NSX-GT、LC500と判明。誰も三味線は弾いていなかった

GT500クラスでポールポジションを獲得した23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)

 GT500の予選1回目は、残酷なほど現在のGT500車両の戦闘力を示す結果となった。予選1回目(Q1)でトップタイムをマークしたのは12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター組、BS)。昨年まで所属していたトヨタ陣営から日産陣営へメーカーを超える移籍を果たしたロシター選手は、その最初のセッションでキッチリと役割を果たす結果となった。2位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、3位はリアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー組、YH)と、異なるタイヤメーカーのタイヤを履くGT-Rが1-2-3となった。つまり、それは現状では日産のGT-Rが最も戦闘力の高いクルマであることを示している。

 なお、日産のもう1台となるCRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ組、MI)も6位でQ1を通過しており、日産勢は予選2回目(Q2)に進める8台の中に4台全部が入る結果となった。

 Q1でのホンダの最上位は4位になった17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)。だが、まだホンダ勢はよかった。ほかにも1号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)が5位、8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組、BS)が7位とQ1を3台が突破したからだ。これに対してレクサス勢でQ1を突破したのは8位に入った37号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)の1台だけで、残りの5台はすべてQ1落ちとなってしまったのだ。

 このQ1の結果を見る限り、ウェイトハンデがない状況での一発の速さに関してはGT-R、NSX-GT、LC500の順であると考えることができる。この結果はオフシーズンのテスト傾向のとおりで、テストの時では各メーカーとも三味線を弾いていたのではないかとされていたが、誰も三味線を弾いていなかったことが分かったと言ってよいだろう。

 Q2でコースレコードをマークして平成最後のSUPER GTのポールポジションをマークしたのは23号車 MOTUL AUTECH GT-R、2位はカルソニック IMPUL GT-Rで、日産勢が1-2となった。3位、4位、5位には1号車 RAYBRIG NSX-GT、17号車 KEIHIN NSX-GT、8号車 ARTA NSX-GTとなり、驚速日産勢を追いかけるのがホンダ勢という状況になっている。なお、トヨタ勢で唯一Q2へ進んだ37号車 KeePer TOM'S LC500の7位となった。

GT500クラス予選2位の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター組、BS)
GT500クラス予選3位の1号車RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)
GT500 予選結果
順位カーナンバーマシンドライバータイヤQ1Q2
123MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI1分17秒1651分16秒602
212カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/ジェームス・ロシターBS1分17秒1031分16秒876
31RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/ジェンソン・バトンBS1分17秒6111分16秒950
417KEIHIN NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS1分17秒5791分17秒088
58ARTA NSX-GT野尻智紀/伊沢拓也BS1分17秒8791分17秒223
624リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボローYH1分17秒3331分17秒531
737KeePer TOM'S LC500平川亮/ニック・キャシディBS1分17秒9061分17秒693
83CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィMI1分17秒8741分18秒680
96WAKO'S 4CR LC500大嶋和也/山下健太BS1分17秒992-
1019WedsSport ADVAN LC500国本雄資/坪井翔YH1分18秒007-
1116MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/中嶋大祐YH1分18秒015-
1238ZENT CERUMO LC500立川祐路/石浦宏明BS1分18秒185-
1364Modulo Epson NSX-GTナレイン・カーティケヤン/牧野任祐DL1分18秒467-
1436au TOM'S LC500中嶋一貴/関口雄飛BS1分18秒496-
1539DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン/中山雄一BS1分18秒568-
GT500クラスのポールポジションを獲得した23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)
松田次生選手
ロニー・クインタレッリ選手
ポールポジションを獲得した23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)と、55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)
日曜日に行なわれる決勝の天気をスマートフォンで確認中