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ホンダ、「ホンダウエルカムプラザ青山」で新型船外機装着のクルーザーを展示中
6月18日まで。キャビンに立って記念撮影も可能
2019年6月14日 17:12
- 2019年6月14日~18日 展示
本田技研工業は、東京 青山の本社1階にあるショールーム「ホンダウエルカムプラザ青山」の玄関前スペースで、6月10日に発売した大型4ストローク船外機の新製品「BF250」を装着したクルーザーの展示を6月14日~18日の期間に実施している。
6月10日にホンダが発売した大型4ストローク船外機の新製品では、新開発の電子制御リモートコントロールシステム「DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)」をホンダ船外機として初採用。DBWによって快適な航走を実現し、2系統の通信ラインを設けて高い信頼性を確保。さらに複数の船外機のエンジン回転数を同調制御して、航走中のエンジン音を低減できるようにしている。
発売を記念して行なわれている展示では、250PSを発生する新型船外機のBF250を装着するベネトウ製クルーザー「アンタレス 8」を玄関前に設置。クルーザー脇には階段が用意され、キャビン内も見学できるようになっている。
初代「NSX」や「S2000」で採用された「グランプリホワイト」を新設定
イベント初日には報道関係者向けの製品説明会も実施され、ホンダの船外機の歴史や新製品の特徴などが紹介された。
本田技研工業 執行役員 ライフクリエーション事業本部長 奥田克久氏によるプレゼンテーションでは、ホンダでは1964年に初めて市場投入した「GB30」から、創業者の故本田宗一郎氏が掲げた「水上を走るもの、水を汚すべからず」という思想を反映し、一貫して4ストローク構造を採用。1977年に発売した「BF75」「BF100」から現在でも使い続けている製品名の「BF」は、「Boat Engine Four stroke」の略であると紹介。
1992年には「世界で一番厳しい」と言われていた独 ボーデン湖の環境規制「ステージI」をクリアする「BF8B」をリリース。また、1995年に発売した「BF75」「BF90」の開発には、ホンダのF1参戦 第2期のエンジン開発でプロジェクトリーダーを務めたエンジニアが携わり、当時発売していた「シビック」のエンジンをベースとして世界初の90PSエンジンを実現したという。さらに1998年には「アコード」のエンジンをベースとした「BF130」で世界初の130PSを、2001年には北米版オデッセイをベースとしたVTEC搭載の船外機をリリースするなど、ホンダらしい高い技術を製品に投入してきたと解説された。
6月10日に発売した新型の大型船外機シリーズは、北米市場向けの「オデッセイ」で搭載するV型6気筒 3.5リッター VTECエンジンをベースとして、排気量を3.6リッターに拡大。海で使っても問題が起きないよう強固な塩害対策が行なわれ、船外機のエンジンは出力軸が直立する「立軸形」となることに向けた各種対策も実施。長年に渡る製品実績を継承した高い信頼性を備え、「ホンダマリンのテクノロジーを結集した自信作」としている。
新たに採用したDBWでは、操作性の向上とリモコン設置場所の自由度拡大、2系統の通信ラインを持つことによる信頼性確保、船外機を最大4基まで同期可能といった魅力を備えていると奥田氏は紹介。このほか、ホンダ船外機のV型エンジンでは、競合他社の製品ではVバンクの内側にレイアウトする排気系統を外側に設定し、60度の狭角レイアウトを採用。船外機の横幅を絞り込む独自の「ウイングフォルム」をベースとしたV字型フォルムデザインとなっている。
このほかにデザインでは、初代「NSX」や「S2000」で採用されていた「グランプリホワイト」を一部製品に新設定。船外機のボディにはアルミが使われ、防錆処理のためアルマイト加工が行なわれていることなどで焼き付け工程に差があるものの、基本的には同じ塗料を使用しているという。また、2017年にはゴムボートなどに向けた製品となる「BF2」(2PS)で「S660」のボディカラーをイメージしたカラーリングを限定販売。今後もこのようなホンダ製品ならではのシナジーを続けていきたいと述べた。
最後に奥田氏は「今後も4輪製品で培ってきたホンダならではの優れた燃費性能、信頼性、耐久性を備える船外機を、世界中の各地域にマッチした製品として展開していきたいと考えています」と語り、プレゼンテーションを締めくくった。