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タニタ、「飲酒運転に関する意識調査2019」。飲酒運転防止への意識に依然として“課題”
飲酒を強要されたなど、「アルハラ」と回答したドライバーは32.3%に
2019年12月10日 15:06
- 2019年12月10日 発表
健康総合企業のタニタは12月10日、「飲酒運転に関する意識調査2019」の結果を発表した。
この調査は、全国の20歳~69歳の社用車ドライバー(社用車を運転することがある人)・マイカー通勤者で、お酒を飲む習慣がある計1000名を対象とし、飲酒と運転についての知識や行動、組織における飲酒運転の防止策などについてインターネットで調査したもの。社用車ドライバー700名、マイカー通勤者300名の回答を得た。
2018年から2019年にかけて、航空・船舶業での運行従事者の飲酒に関連する摘発が多数あり、航空業においてはアルコール検知器を用いた検査を義務化。また、最近では二日酔いの状態で運転し、摘発されるというケースが相次いでいる。
こうした実態を踏まえ、今回の調査で「飲酒運転に対する世間の目は厳しくなっていると思う」と答えた社用車ドライバー・マイカー通勤者は94.5%に達し、飲酒運転への世間の厳しい目を感じていることが明らかになった。一方、社用車ドライバーのうち4人に1人が「お酒が抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することがある」と回答するなど、飲酒に関する知識や飲酒運転の防止への意識に依然として課題があることが分かったという。
また、今回の調査では新たに会社の飲み会で飲み過ぎた理由、上司・先輩や同僚の飲酒運転を止められるかについても質問。これに対し、社用車ドライバーが翌日運転するのに飲み会で飲み過ぎた理由として最も多かったのが「二次会・三次会と続いた」(44.6%)と長時間にわたる飲み会に起因するもので、「先輩・上司に飲酒を強要された」「一気コールがかかった」など、「アルハラ(アルコール・ハラスメント)」に該当する内容のいずれかを回答した社用車ドライバーは32.3%に上った。さらに、社用車ドライバー・マイカー通勤者に「お酒を飲んだ上司・先輩が運転して帰ろうとするのを止められるか」と質問をしたところ、12.9%が「止められないと思う」と回答。
加えて、“運転をすると知りながらお酒を勧めると、罪に問われることがある”ということへの認知別に集計したところ、「止められないと思う」と答えた割合は罪に問われる可能性を知っている人においては9.0%、知らない人においては34.9%と4倍近くの差があることが明らかになった。一方で、“運転をすると知りながらお酒を勧めると、罪に問われることがある”と知っていても、「お酒を飲んだ上司・先輩や同僚の運転を止められない」と答えた人も一定数いることが判明した。
これを受け、タニタでは「飲酒運転の防止には、ドライバー自身が飲酒について正しい知識を身に付けて、飲酒運転をしないという意識を持つことが大前提となりますが、飲酒運転をさせない・防げる組織風土の醸成や飲酒運転を防止するチェック体制の整備など、ドライバーを取り巻く環境からの対策も必要だと推察できます」と結論付けている。