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タニタ、なりすましなど不正を防止するアルコール検知器「ALBLO FC-1500」 国内初の機器と本人の同時認証実現

「QRコード」採用で検知器のすり替えやなりすましなどの不正を防止

2021年1月28日 発表

燃料電池式アルコール検知器「ALBLO FC-1500」と「ALBLOクラウドサービス」を接続することで、検知器と被検者の認証を可能にした

 タニタは、アルコール検査における検知器のすり替えやなりすましなどの不正を防止するアルコール検知器「ALBLO FC-1500」を開発して、1月28日に発売した。価格は4万5000円(税別)。

 ALBLO FC-1500は、ワンタイムの「QRコード」を画面表示することによる検知器認証機能を備えたアルコール検知器。これをタニタが提供する「ALBLOクラウドサービス」と接続して使用することで、検知器と被検者をともに認証することが可能となり、検知器のすり替えや被検者のなりすましなどの不正を防止できるとしている。

 機器と本人を同時に認証できる機能を備えたアルコール検知器は国内初となり、同社はアルコール検査対応が必要な運輸運送事業者を中心に、初年度1万台の販売を計画している。

燃料電池式アルコール検知器「ALBLO FC-1500」

 本体サイズは64✕138✕25mm(幅✕高さ✕奥行)で、重量は約180g(電池含む)。ハンディータイプで、既存のタニタ商品に比べ約35%の小型化を実現。また、呼気を吹き込むマウスピースの取り付け方向を本体に対して垂直方向にすることで、検査時に管理者が検知器の表示部を確認しやすいようにした。

ALBLO FC-1500とALBLOクラウドサービスによる検査手順

 ALBLO FC-1500とALBLOクラウドサービスを利用した、具体的な検査手順は次の通り。

 まず、検知器正面の液晶部にQRコードを表示し、タブレットやスマートフォンなどの端末にインストールした「ALBLOクラウドサービス」のアプリケーションソフトで読み取る。

 次に、検知器と端末をブルートゥースで接続し、読み取ったQRコードと使用する検知器が一致しているかどうかを認証して検査を開始。検査中にもQRコードを読み取り、機器認証を行なう。

 最後に、検査結果と機器情報を含んだQRコードを読み取って検査は終了。

 検査ごとにワンタイムのQRコードを生成するため、他の検査時に生成されたQRコードの画像を使うことなどによる機器のすり替えもできないとし、機器認証と並行して「ALBLOクラウドサービス」の顔認証機能で検査前と検査中に被検者の顔認証を行なうため、なりすましも防止するという。

 飲酒運転に起因する交通事故の増加を背景に、2011年5月に自動車運送事業者の点呼時アルコール検知が義務付けられた。また、2019年7月には航空業界においても乗務員に加え、整備従事者と運航管理者のアルコール検知器による検査が義務付けられている。

 こうした動きを受けて、アルコール検知器市場は拡大傾向にあり、遠隔地での検査や多人数の管理ができる機器やサービスも近年増加。一方で、なりすましや検知器のすり替えによる不正が問題となっており、その対策が求められていた。

 今回発売するFC-1500は、ワンタイムのQRコードを画面に表示することにより、検知器自体を認証できるのが特徴。タニタがすでに運用している「ALBLOクラウドサービス」と「FC-1500」とを接続すれば検知器と本人を同時に認証することが可能となり、不正を徹底防止して、検査の公正性を担保できるようになるとしている。