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日本レース写真家協会、報道写真展「COMPETITION」。マルケス選手のマシンやヘルメットも展示

東京会場は1月26日まで開催

2020年1月15日~26日 開催

入場無料

日本レース写真家協会報道写真展「COMPETITION」の展示作品より

 JRPA(日本レース写真家協会)は、1月15日~26日に東京 六本木のAXISギャラリーにて開催している写真展「COMPETITION」の初日に関係者が出席するオープニングパーティを行なった。

 JRPA 小林稔会長のあいさつでパーティは開幕。冒頭で日本モーターサイクルスポーツ協会 会長の鈴木哲夫氏が来賓代表としてあいさつを行なった。長年、本田技研工業で2輪の開発に携わってきた技術畑の鈴木氏は、HRC(ホンダ・レーシング)在籍時「ライダーやメカニック(の突出した才能)に頼ることなく勝てるようなマシンを、というスタンスで開発に勤しんできたが、現実に人の心を動かすのは人間のドラマ。それを伝えるのは写真が一番ではないかと、あらためて写真展を見て感じた」と写真展の印象を語った。

日本レース写真家協会(JRPA) 小林稔会長
財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会 鈴木哲夫会長

 その後、レジェンドレーシングドライバーズクラブ 会長 大久保力氏が乾杯のあいさつを行ない、レースやサーキットの関係者、カメラメーカー、報道関係者など、集まったモータースポーツの報道を支える来場者の歓談が始まった。

乾杯の発声はレジェンドレーシングドライバーズクラブ 大久保力会長が行なった

 会場が盛り上がる中、アマチュアフォトグラファーを対象とした「2019 JRPAモータースポーツ写真コンテスト」の表彰式、そしてJRPA会員が「その年一番のフォトジェニック」を選ぶ「JRPAアワード 2019」の表彰が行なわれた。

 2019 JRPAモータースポーツ写真コンテストで2輪部門のグランプリを受賞した玉井敬二氏には、ニコンイメージングジャパン カスタマーリレーションズ本部 副本部長 森真次氏から、デジタル一眼レフカメラ「D5600 18-140 VR レンズキット」(AF-S DX NIKKOR 18-140mm f3.5-5.6G ED VR )が、4輪部門のグランプリの川上晋弘氏にはキヤノンマーケティングジャパン プロサポート本部 部長 中村真一氏からミラーレスカメラ「EOS Kiss Mダブルレンズキット」(EF-M22mm F2 STM/EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM)が贈られた。

 2輪部門グランプリの玉井氏は、このコンテストの初代チャンピオンが知り合いということもあり、今日まで応募し続けてきたが入選すらできずに悔しく思っていたので、初入選でグランプリはとても嬉しいと語った。一方、4輪部門グランプリの川上氏は趣味で初めて3年、たまたま撮れた1枚がグランプリを獲ったが、そういう写真を仕事にしているプロがいかに凄いかをこの受賞を通じて改めて感じたと語った。グランプリを目指し続け獲得した玉井氏、偶然の1枚だと語る川上氏、どちらの写真もグランプリにふさわしい見事な作品だ。会期中、グランプリの2名はもちろんほかの入賞者の写真も会場に展示されているので、そちらも注目したい。

2019 JRPAモータースポーツ写真コンテスト 2輪部門のグランプリを受賞した玉井敬二氏(中央)
2019 JRPAモータースポーツ写真コンテスト 4輪部門のグランプリを受賞した川上晋弘氏(中央)

 引き続き行なわれたのが、JRPAアワード 2019の表彰式。JRPA会員全員の投票にて決定された大賞は「LEXUS TEAM LeMans WACO'S」。長年SUPER GTのトップチームとして活躍しながら、勝利に恵まれなかった同チームのチャンピオン獲得に向けた数々の名バトルの展開が、フォトジェニックなシーンを提供してくれたのが選出理由だ。

 表彰式ではJRPA小林会長から、チームルマン 代表取締役 太田雅文氏に盾が贈られた。太田氏は「寒い日も暑い日も雨の日も、変わらずわれわれを被写体として撮っていただける、その喜びと情熱がわれわれを勝たせてくれたのではないかと思っている」と感謝の意を述べた。

JRPAアワード大賞を受賞した「LEXUS TEAM LeMans WACO'S」。株式会社チームルマン代表取締役 太田雅文氏(右)に盾が贈られた

 また、「特別賞」は「サイドスタンドプロジェクト」。こちらは1997年ロードレース世界GPの500クラスで5位を獲得したものの、オフのテスト中の転倒により車いす生活を余儀なくされた青木拓磨選手を「もう1度レーシングバイクに乗せたい」という兄の青木宣篤氏、弟の青木治親氏の想いのもと設立されたプロジェクトだ。今シーズンは鈴鹿8耐で「CBR1000RR SP2」、MotoGP日本グランプリでは「RC213V-S」でデモ走行を披露した。

 授賞式では青木3兄弟が顔をそろえ、拓磨氏は自身の今シーズンの挑戦について語りながら、昨年のデモ走行について「車いすになった人間をそんなハイパワーな危険な乗り物に乗せてくれちゃって、本当にありがたいなと思います」と会場を沸かせつつ、海外の進んだ障がい者によるレース事情に触れ、「このプロジェクトを通じて、自分と同じような障がい者でも“諦めなければ何かできる”という気持ちを伝えていければ」と、その想いを語った。

JRPAアワード特別賞を受賞した「サイドスタンドプロジェクト」。授賞式に参列したのは青木宣篤氏、拓磨氏、治親氏の青木3兄弟。拓磨氏は当日海外から帰国し成田空港から直接会場入りした

 パーティの締めには、この展覧会の実行委員長を務めたJRPA会員の三橋仁明氏があいさつを実施。

「この1年間、サーキットという場所で安全に怪我もなく撮影できる環境を与えていただけたことに感謝します。そして、その1年間の集大成としてこのような写真展を開催できることにも感謝します。来年JRPAは50周年を迎えます。これまでお世話になった方々、そして今日ここに集まっていただいた方々に感謝しながら、2020年もモータースポーツにわれわれがどう恩返しができるか、どう貢献ができるかを考えて、会員1人ひとりがモータースポーツの撮影に取り組ませていただきます」と語り、来場者そして50年ものあいだ支え続けた数多くの関係者に感謝の意と今年の抱負を述べ、パーティを締めた。

 会場では、2019年シーズンのMotoGPを制したマルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)のマシン「RC213V」や、チャンピオン獲得スペシャルヘルメット(SHOEI)、F1日本グランプリで使用した山本尚貴選手のヘルメット(Arai)、ルノーF1チームのダニエル・リカルド選手が2019年シーズンに使用したヘルメット(Arai)など、貴重な展示物もさまざまなメーカーの協力により展示されている。

2019年シーズンにMotoGPを制したマルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)のマシン「RC213V」
マルク・マルケス選手のチャンピオン獲得スペシャルヘルメット(SHOEI)
F1日本グランプリで使用した山本尚貴選手のヘルメット(Arai)
ルノーF1チームのダニエル・リカルド選手が2019年シーズンに使用したヘルメット(Arai)

 会期は1月26日まで。期間中は佐藤琢磨選手によるトークショーや、F1やWRCの撮影現場で活躍する会員が撮影術や撮影秘話を語るトークショーなど、さまざまなプログラムが用意されている。詳細はJRPAのWebページで確認してほしい。

 なお3月11日~22日には、名古屋会場(アーツギャラリー名古屋)でも開催される。