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トヨタ、副社長職を廃止。「執行役員」に一本化して役割を明確化

2020年3月3日 発表

2019年3月期の決算説明会であいさつするトヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男氏

 3月3日、トヨタ自動車は4月1日付の役員体制の変更について発表した。大きな変更のポイントとして、「副社長」職を廃止し「副社長」と「執行役員」を「執行役員」に一本化。執行役員を同格にした上で、チーフオフィサー、カンパニープレジデント、地域CEO、各機能担当に分け、それぞれの役割をより明確化する。役割は固定せず、その時々の適任者を配置するという。

 今回の体制変更について、豊田章男社長は以下のようにコメントした。

豊田章男社長のコメント

「2009年の社長就任以来、大規模リコール問題や東日本大震災など数々の難局に直面し、それを乗り越える中で、私自身が感じたことがあります。それは、『トヨタとは何か』、『トヨタらしさとは何か』という原点に立ち戻ることの大切さです。

 これまでの経験を通じて、私が再認識したことは、トヨタで働く者として守るべき基本姿勢は『素直、正直。ごまかさない、隠さない』ということであり、トヨタの競争力の源泉はトヨタ生産方式(TPS)と原価のつくりこみであるということでした。

 しかし、成功体験を積み重ねる中で、こうした基本となるモノの見方・考え方が弱くなり、『トヨタらしさ』が失われてきているのではないかということも痛感いたしました。

 トヨタが継承してきた良いところは一層強化し、充実していく。一方、これまでの悪い慣習は、私の代で一気にやめて、『トヨタらしさ』を取り戻す。それをしなければ、次世代にタスキをつなぐことはできないというのが私の正直な気持ちです。

 これまでも役員人事や組織改正については、『適材適所』の考え方に基づき、従来の慣例にとらわれることなく、柔軟に実施してまいりました。

 今回の体制変更についても、さらに階層を減らすことによって、私自身が、次世代のリーダーたちと直接会話をし、一緒に悩む時間を増やすべきと判断いたしました。

 次世代のために、今、私がやらなければならないことは、何よりも『トヨタらしさ』を取り取り戻すことだと思っております。」

新執行役員や退任執行役員など

新任執行役員(1名)

 桑田正規氏 総務・人事本部(副本部長)

退任執行役員(3名)

 副社長 Didier Leroy氏(取締役は継続)
 副社長 吉田守孝氏
 宮内一公氏

執行役員の担当

 河合満氏 Chief Monozukuri Officer、Chief Human Resources Officer
 小林耕士氏 Chief Risk Officer
 寺師茂樹氏 Chief Competitive Officer、Chief Project Officer、トヨタシステムサプライ、トヨタZEVファクトリー(本部長)
 友山茂樹氏 Chief Information & Security Officer、Chief Production Officer、GAZOO Racing Company(President)
 近健太氏 Chief Financial Officer、経理本部(本部長)、先進技術開発カンパニー(Fellow)
 前田昌彦氏 Chief Technology Officer、クルマ開発センター(センター長)、パワートレーンカンパニー(President)、パワートレーン統括部(部長兼務)

2019年11月2日、東京モーターショーに登壇したトヨタ 副社長