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au損保、自転車保険に関する調査。4月から東京都で加入義務化も5割以上が未加入

東京都在住の1000人を対象に調査。自転車事故“未遂”は66.7%が「経験あり」

2020年3月26日 発表

東京都の自転車事故件数。2017年から増加傾向

 au損害保険は3月26日、東京都在住の1000人を対象にした自転車事故に関する調査を実施。結果を公表した。

 この調査は、4月から東京都で始まる自転車保険加入義務化を前に、3月10日~12日にかけて東京都在住の月に1回以上自転車を運転する20代~50代の男女1000人を対象に行なわれたもの。

 自転車事故の増加に合わせ、近年では自転車事故によって多額の賠償を請求される事例も発生。そのような事態に備えて、各自治体は自転車保険の加入を勧めており、2015年10月に兵庫県で初めて自転車保険加入が義務化されて以降、大阪府、滋賀県、鹿児島県、埼玉県、京都府、神奈川県、長野県、静岡県などでも自転車保険の加入が義務化されている。4月からは東京都をはじめ、愛媛県、奈良県でも加入が義務化される予定で、市町村レベルでの義務化も増加していることから、この流れは今後も広がることが予想されている。

 なお、警視庁の発表によると、東京都内の自転車事故は2017年から増加傾向にあり、2019年も前年比増となっているという。

35.5%の人が自転車事故に遭遇。自転車事故“未遂”は66.7%が「経験あり」

これまで自転車事故に遭ったことのある人は35.5%

 今回の調査結果によると、3割以上(35.5%)の人が過去に自転車運転時に事故に「遭ったことがある」という結果に。これは、au損保が2019年10月に“全国の月に1回以上自転車を運転する人”を対象に行なった調査の結果(30.5%)と比べて5ポイント高い数値となった。

 さらに、自転車事故に繋がりそうな事象となる自転車事故“未遂”は、約6割以上(66.7%)もの人が「経験あり」という結果で、こちらも全国平均(60.9%)を6ポイント近く上まわった。

66.7%が「自転車事故に遭いそうになったことがある」と回答。全国平均よりも高い結果に

 事故に遭いそうになった時間帯は「夕方(16時~18時くらい)」が41.5%で、次いで「夜(19時~24時くらい)」が31.9%、通勤や通学の時間帯となる「朝(7時~9時くらい)」も29.2%となっている。

自転車事故に遭いそうになった時間帯は、暗くなり始める「夕方(16時~18時くらい)」が41.5%でトップ

 また、自転車事故および“未遂”の発生場所トップは「歩道」(46.9%)で、次いで「自転車専用レーンがない車道」(31.4%)に。「自転車専用レーンがある車道」は11.4%と、車道では自転車専用レーンの有無で事故率に大きく差があることが判明した。そのほかにも「信号のない交差点」(22.0%)、「商店街、住宅街など狭い道路」(20.0%)にも数値が集まった。

自転車事故に遭った、遭いそうになった場所は歩道がトップ。事故が多そうなイメージのある信号のない交差点の倍以上の回答数となった

 なお、自転車事故に遭ってしまった場合の対処法については、68.3%が「知らない」と回答。「知っている」と回答した31.7%を大きく上まわった。

自転車事故に遭ってしまった場合の対処法は、半数以上が「知らない」という回答

82.3%が自転車保険を認知するも、47.7%が未加入

82.3%が自転車保険を「知っている」と回答

 一方、自転車事故時の助けとなる自転車保険については、8割以上(82.3%)の人が「知っている」と回答したものの、実際に自転車保険に加入している人は全体の約3割程度となる32.7%で、「自転車保険には加入していないが、他の保険(自動車保険や火災保険など)でカバーしている」と答えた人が19.9%となり、半数近い47.4%の人は「自転車事故に備える保険に加入していない」と回答。年代別では男性40代(54.4%)、女性20代(50.4%)、30代(53.6%)で半数以上の人が自転車保険に加入していないという結果となった。

自転車事故に備える保険の加入率。性別、年代ごとの意識の差が分かる

 また、「自転車事故に備える保険に加入している」と答えた327人に保険加入のきっかけをたずねたところ、「自分(もしくは家族)が加害者になった時に備えて」が85.0%で多数を占め、全国を対象にした前回調査と比べて8.7ポイント高くなった。この結果から、「自分(もしくは家族)にケガがあった時に備えるより、万一自身(もしくは家族)が加害者になった時に備えて加入している」ということが分かったとしている。

自転車保険に加入したきっかけについて

 さらに、4月から東京都で自転車保険の加入が義務化されることについては、半数以上(52.8%)が「知らない」と回答。2019年10月に、同社が当時義務化されていた兵庫県、大阪府、滋賀県、鹿児島県、埼玉県、京都府の6府県と、義務化を予定していた神奈川県、静岡県、長野県の人(380人)を対象に行った調査結果と比べても、13.6ポイントも低い数値となっており、認知度はまだ低いことが浮き彫りとなった。

自転車保険の加入が義務化されることについては、半数以上の52.8%が「知らない」と回答