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デルフィス、コロナ禍における「移動」「クルマ」に関する意識調査の結果と考察
新しい生活様式におけるクルマのニーズの変化
2020年5月19日 13:23
- 2020年5月19日 発表
トヨタ自動車100％出資の広告会社であるデルフィスは、全国の18歳～69歳の男女（第1回：1000名、第2回：600名）を対象に、「コロナ禍における『移動』『クルマ』に関する意識調査」を実施。その結果と考察を発表した。
これは、緊急事態宣言延長が発表された5月4日をはさむ、GW（ゴールデンウィーク）の前半（4月28日～29日）と終了後（5月11日～12日）の2回に渡って全国の18～69歳男女を対象に実施（第1回は1000人、第2回は600人で人口構成比［性年代］に合わせ割付）。GW期間前後での外出自粛意識や、コロナ禍収束後に向けた生活意識を把握した上で、人々のクルマに対する意識が今後どう変化していくかについて考察したという。
移動・クルマに対する意識変化
コロナ禍の影響によるクルマの購入意識の変化について聞いたところ、クルマを購入する予定があったが、「購入を中止または延期した人」が11％だったのに対し、「クルマを購入したくなった人」が18％と7ポイント上回ったという。こうした結果を受け「生活者意識のレベルでは、コロナ禍の影響でクルマ需要がプラスマイナスでプラスに転じていると言うこともできる」としている。
クルマに対する認識については、「クルマは生活に必要な移動を安全に行うことが出来る」が80％、「クルマは感染リスクを下げることができる」が77％と、クルマが感染リスク防止の観点で安全な移動手段として認識されていることが分かった。クルマの購入ニーズの高まりの背景にはこのようなクルマに対する安全価値の高まりがあることが推測されるとした。
クルマを運転する頻度については、全国と比べて「特定警戒8都道府県」で高い増加傾向が出たといい、特に感染者が多い一都三県（埼玉・千葉・東京・神奈川）が26％、東京都単体でも26％と全体と比べて増加が顕著となった。
生活意識全般の変化については、今の気分が「前向きに頑張りたい気持ち」と「不安で後ろ向きな気持ち」のどちらの傾向が強いかを10段階で聞いたところ、「前向きに頑張りたい」という気持ちを持つ人が、約4人に3人（77％）と、コロナ禍の厳しい環境においても、多くの人がポジティブな意識を持っていることが分かった。
今後どのように暮らしたいかという質問に対しては、全ての性年代で「当たり前の日常を大切にしたい」がもっとも多くなったという。また、世代別で見ると、男女10-20代を中心に「新しいもの・サービスを取り入れて良い生活に改善したい」「新しいコトをはじめてみたい」という意識が高く、コロナ禍収束後を見据えた行動意欲や積極性が見られる結果となった。
コロナ禍収束後にやりたいことを聞くと「気軽に外食を楽しみたい」の64％をはじめ、「国内旅行・温泉に行きたい」62％、「ドライブ・レジャーを楽しみたい」42％など、おでかけを増やしたいニーズが高い傾向があったという。また、クルマに対する意識として「気分転換にクルマでドライブしたい」人が61％存在しており、クルマは安全面だけでなく、リフレッシュの面でもニーズが高いとしている。
GW期間の過ごし方について、2回の調査を通じて「GW前の予定」と「GW後に確認した実態」の双方を聞いた（複数回答あり）。結果、ほぼその差は見られず高い意識を持って巣ごもりをした人が多くを占めていたことが分かった。具体的には「自宅滞在、買い物や散歩のみ」が63％、「家の中で楽しめることを考えて滞在」が37％、「全く外出せず」が25％という数字になった。
今後どのように暮らしたいかという質問に対しては、「家族や身近な人々との絆を大切にしたい」と考える人が全体で83％ともっとも多い一方で、「1人の時間を大切にしたい」（75％）「日常のストレスを忘れたり、非日常的な気持ちになれる時間を作っていきたい」（77％）などと考える人も高い数字になったという。
クルマの新しい価値に対する考察
同社コミュニケーションデザイン局 局長 朝岡幹雄氏は、今回のアンケート結果について「屋外でのプライベート空間の確保」「『新しい日常』に向けた人々の活動」という2つの視点から考察している。
まず、「屋外でのプライベート空間の確保」について、非常事態宣言をうけてこの数か月、住居内での生活時間が著しく増加。歴史的にみても、「外出」「移動」の価値が高まった特異な期間だったとし、今後も3密を避けた移動が推奨される中で、クルマが元来持っている「1人や大切な家族と過ごせる『プライベート空間』」という価値がより一層求められるようになってくるだろうと予測。
クルマ利用者の中には、大切な人と安心して自由に移動できる「空間」があることの喜びを感じている人も多いはずだといい、昨今「所有から利用」に移り変わってきたクルマに対する価値観に、新たな変化の兆しが生まれてきたと考察する。
続いて「『新しい日常』に向けた人々の活動」について、クルマはこれからの時代の新たな移動様式を支えるパートナーとして、今後もその力を発揮し続けるのではないかと予測する。
世の中の閉塞感が徐々に和らいでいく局面においては、「自分らしい生活を再開したい」「新しいことにチャレンジしたい」などさまざまな希望を抱く人たちにとって、クルマが「プライベート性を保った移動手段」として力強い味方になり得ると考察。さらに、電車やバスなどの公共交通機関に、クルマ移動を組み合わせることで、Social Distancingに配慮した新たな社会のあり方に貢献できるだろうとした。
具体的には、愛車に乗ったまま映画を楽しむドライブインシアターについてのニュースを例に挙げ、クルマが前向きな気分を後押しするような兆候が今後ますます増えていくだろうとし、今後は「新しい日常」を前向きに捉え、プライベート空間としてのクルマをうまく使いながら安全に自分の時間を楽しむ人々が今後はさらに増加するだろうとまとめる。
5月14日に39県の緊急事態宣言が解除され、いよいよ「新しい日常」に向け人々が動き出そうとしているなか、モビリティ領域のマーケティング会社として「クルマの価値」「移動の価値」の向上を目指して取り組んでいくとしている。
