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ダイハツ、働くクルマ「ハイゼット」誕生60周年記念サイト公開

60年間支えてくれた大勢のユーザーへの感謝を込めて

2020年11月2日 発表

ハイゼットの誕生60周年記念サイトが公開されている

 ダイハツ工業は11月2日、軽商用車「ハイゼット」シリーズが初代を発売した1960年から数えて60年を迎えたことをうけ、ユーザーへの感謝を表明すると同時に特設サイトを公開した。特設サイトでは、歴代モデルの画像やスペックなどを、年代ごとに順を追って確認できる。

 現在のハイゼットシリーズは、農林水産業を中心に使用されている「ハイゼット トラック」、配送業や小売業などを中心に使用されている「ハイゼット カーゴ」「ハイゼット キャディー」の3モデルで構成され、これまでの累計生産台数は約7740万台にのぼる。また、現在の総保有台数は約220万台という。

現在は「ハイゼット トラック」「ハイゼット カーゴ」「ハイゼット キャディー」の3タイプをラインアップ

 初代は、当時人気となっていた軽三輪自動車「ミゼット」に続き、より積載力を高め、さまざまな仕事で活躍できる1台として誕生したダイハツ初の軽四輪。以降60年間に渡り、軽商用車で重視される「乗り降りがしやすいキャビンと仕事に必要な積載力の高い荷台と荷室」という構造を維持してきた。

ミゼットDKA型
ミゼットMP3型
初代 ハイゼット 1960年11月:高度経済成長期の真っただ中、当時大ヒットしていた軽三輪自動車「ミゼット」に続き、ダイハツ初の軽四輪自動車(360㏄)として発売。当時の軽四輪自動車のイメージを刷新する斬新なデザインで、積載性だけでなく、居住性にもこだわっていた。1961年にはボンネットバンタイプも発売し、ビジネスとレジャーを結ぶニューファミリーカーとして、1家に1台のマイカー時代を支えた

 さらに、毎日使うクルマだからこそ求められる荷物の積み降ろしやすさや耐久性、田んぼのあぜ道から下町の路地まで、狭い道路でも走れる取りまわしのよさ、そして買いやすい価格に徹底的にこだわるほか、ダンプシリーズをはじめとした豊富な特装車など、さまざまなモデルをラインアップしてきた。

2代目(トラック)1964年4月:経済成長に合わせハイゼットの需要が著しく伸長していた中、荷台をフルに使えるタイプへの要望に応え、フロントエンジンのキャブトラックとして2代目を発売。エンジンを座席下に配置することで、荷室とキャビンの最大化を実現。1965年にはハイゼット カーゴの基となるキャブバンタイプを発売
3代目(バン)1968年5月:トラックと同時にバンタイプもフルモデルチェンジ。バンタイプには独立懸架式サスペンションを採用し、乗用車並みの乗り心地を確保。また、1970年の大阪万博では、ハイゼットバンのシャシーをベースとした遊覧用電気自動車が活躍した
4代目(トラック)1971年9月:積載性、乗り心地や居住性などを向上。また翌1972年に、軽ライトバンで初めてスライド式ドアを採用した「ハイゼットスライドバン」を発売して利便性を向上。この頃は電気自動車にも積極的に取り組み、4代目では急速充電システム付きの「クイックチャージ式電気自動車」を開発、1976年の大阪国際見本市に出展
5代目(トラック)1977年4月:排気量、全長・全幅・全高を拡大した新規格軽自動車「ハイゼット55(ゴーゴー)ワイド」を発売し、翌月にはバンもフルモデルチェンジ。当時は公害問題に伴い、自動車に対して高い環境対応が求められ、非常に厳しい排出ガス規制に対応できるAB型550ccエンジンを新開発してハイゼットにも搭載
6代目(バン)1981年4月:トラックと同時にフルモデルチェンジ。ファッショナブルな外観が特徴の乗用車感覚の新グレード「アトレー」を追加。また、オリジナル設計のハイルーフには、日本初のルーフ部上端までいっぱいに開く専用バックドアを装備する
7代目(バン)1986年5月:トラックと同時にフルモデルチェンジ。丸みを持たせたボディでワゴン感覚を演出し、上級グレード「アトレー」にはガルウイングタイプのガラスルーフ「コスミックルーフ」を採用するなど、RV感覚の仕様を実現。1989年には「デッキバン」を発売。
8代目1994年1月(トラック):1991年に実施された軽自動車規格変更に伴いフルモデルチェンジ。新開発のEF型660ccエンジンを搭載し、快適な走行性能を実現するとともに、積載性や使い勝手など、全方位で性能を向上。また、1980年代からハイゼットの海外生産が始まり、インドネシアやマレーシアでハイゼットベースの現地専用車を生産
9代目(トラック・バン)1999年1月:安全性の向上を主眼とした1998年の軽自動車規格変更に合わせ、全長・全幅を拡大しフルモデルチェンジし、ハイゼット トラックへ名称を変更。取りまわしのしやすいフルキャブスタイルを踏襲しながら、新国内衝突安全基準をクリアしたトップクラスの安全性を実現。また新開発エンジンを採用し、環境性能と走行性も向上。バンも同時にフルモデルチェンジし、ハイゼット カーゴへ名称変更。イタリア人デザイナーであるジウジアーロ氏のデザインを採用し、トラック同様に安全性や走行性能を向上

 近年では、軽商用車を買い物や通勤・通学、送迎など日常生活で使うユーザーの増加や、高齢ユーザー比率の高まりを踏まえ、さまざまなシーンで安全・安心に走れるように予防安全機能「スマートアシスト」を採用。ユーザーの“頼れる相棒”として活躍するハイゼットシリーズは、「良品廉価」「最小単位を極める」「先進技術をみんなのものに」といったダイハツのスモールカーづくりの思想を体現し続けている。

現行10代目(バン)2004年12月:トラックとは別プラットフォームを採用し、フルモデルチェンジ。ダイハツ車体(現ダイハツ九州)の大分中津にできた新工場の最初の生産車種。デザインを一新するとともに、クラストップのロングホイールベースなどで安定性を向上。また、2017年にマイナーチェンジし、予防安全機能「スマートアシスト」を採用
現行10代目(トラック):約15年ぶりのフルモデルチェンジ。積載性や使い勝手のよさなどを全面的に向上させ、近年注目の高まる女性ユーザーに着目し、農林水産省の進める「農業女子プロジェクト」に参画。豊富なカラーバリエーションなど、従来にない装備を多数採用。2018年に一部改良し、予防安全機能「スマートアシスト」を採用している

 ダイハツは今後も軽やかなモビリティライフを提供するというグループスローガン“Light you up” の考え方のもと、ハイゼットシリーズを進化させていくとしている。