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ロイヤルエンフィールド、“ピュア・モーターサイクリング”にフォーカスした日本初のショールームオープン

オンライン記者会見でビノッド・ダサリCEO「美しい国に進出することに興奮している」

2021年1月29日 開催

1960年代を意識したカフェレーサースタイルの「CONTINENTAL GT」

 ロイヤルエンフィールドは1月29日、日本初となるブランドショールーム「Royal Enfield Tokyo Show Room」を東京・杉並区にオープンすると発表。同日オンライン記者発表会が開催され、ロイヤルエンフィールド CEO ビノッド・ダサリ氏とアジア太平洋地域責任者 ビマル・サムブリー氏が登壇して、今後のビジネス戦略について話した。

 ロイヤルエンフィールドは、英国で誕生したオートバイブランドで、現在はインドの自動車大手アイシャー・モーターズ(Eicher Motors Limited)の一部門となり、インドに本拠をもつ2輪メーカーとなっている。

ロイヤルエンフィールドが東京にブランドショールームをオープンへ

 新たにオープンするブランドショールームでは、同社の車両だけでなくライディングギアやアパレル製品、アクセサリーなどのアイテムを展示し、歴史ある同社のフィロソフィである「ピュア・モーターサイクリング」をキーワードにオートバイの魅力を伝えていくといい、今後、新型コロナウイルスの状況を踏まえながら、2021年3月よりショールームの一般公開を予定している。

ロイヤルエンフィールドを取り扱うディーラーは日本各地に計15店舗

英国にあるテクニカルセンター(左)と、インドにあるテクニカルセンターを兼ねた本社(右)
インドにあるロイヤルエンフィールドの主要生産工場

 1901年、英国でモーターサイクルメーカーとして誕生したロイヤルエンフィールドは、1955年にインドに主要生産拠点を移し、クラシカル、ビンテージな雰囲気をもつ独特の2輪車を製造してきた。現在は英国とインドの2か所に研究開発拠点となるテクニカルセンターを設け、インドにある大規模生産工場から世界中に出荷している。

世界60カ国に650以上の取扱店舗を展開している

 アジア、欧州、北米・南米など世界60か国に、約80のブランドストアを含む650以上の取扱店舗をもつ。製品ラインアップは単気筒もしくは2気筒の250~750ccという中排気量~大排気量車が中心だ。日本においてロイヤルエンフィールドの製品を取り扱うディーラーは各地に計15店舗あり、同社製品のなかでは大排気量寄りとなる400cc超のモデルを販売している。

日本国内にはディーラーが15店舗ある

 今回オープンするRoyal Enfield Tokyo Show Roomは、それら既存の店舗とは異なり、車両やライディングギア、アパレル製品、アクセサリーのほか、同社の歴史が分かるさまざまなアイテムを展示する、日本唯一の特別なブランドショールームになるという。歓談できるスペースもあり、試乗会などのイベントを開催することも計画している。

Royal Enfield Tokyo Show Roomの外観
店内の様子

グローバルなモーターサイクルブランドに向けて「私たちの旅は始まったばかり」とビノッド・ダサリCEO

Royal Enfield CEO ビノッド・ダサリ氏

 同社CEOのビノッド・ダサリ氏は、オンライン発表会で「東京に初のブランドショールームをオープンできることを非常にうれしく思います。われわれのビジョンは、シンプルな専用設計の、手に入れやすい、楽しめるモーターサイクルの構築に焦点を当てた、グローバルなモーターサイクルブランドになること。当社はすでに世界のミドルクラスにおけるリーダーとなっていますが、私たちの旅は始まったばかり。今回、(日本という)美しい国に進出することに興奮しています」と挨拶した。

Royal Enfield Head Business(APAC)ビマル・サムブリー氏

 続いて、日本を含むアジア太平洋地域(APAC)のマーケティングを統括するビマル・サムブリー氏が、同社のビジネス環境を解説した。2020年は約75万台が世界中で販売され、APACでは同社がフォーカスする中排気量車のセグメントにおいて6.9%の市場シェアを獲得。取扱ディーラーの数も過去4年間で30店舗から120店舗へと4倍に拡大しているという。

特に中排気量車のセグメントで存在感のあるマーケットシェアを獲得している
店舗数もAPAC全体では過去4年間で4倍に拡大している

 APAC市場では特にタイとインドネシアで人気が高く、「日本もこれに続く(規模の人気になる)と考えている」と同氏。Royal Enfield Tokyo Show Roomについては「ファンのみなさんに、われわれの120年の歴史を楽しんでいただけるものになっていると思う」とコメントし、気軽に立ち寄れるお店であることを紹介しつつ、「新型コロナウイルスの状況が落ち着いたらぜひ私も足を運びたい」と付け加えた。

シンプルな空冷エンジンモデルを中心にラインアップ。将来はEVにも可能性を

1950年代、第2次世界大戦直後の英国の雰囲気をたたえたタイムレスデザインの「CLASSIC」

 日本においても根強いファンの多い空冷エンジンモデルを中心にラインアップする同社だが、自動車と同様に2輪車においても年々排出ガス規制が厳しくなり、環境性能面で不利な空冷エンジンを採用し続けるリスクは少なくない。オンライン発表会の最後に設けられたQ&Aでは、そうした点に関する質問も多くあった。

 これに対してダサリ氏は「私たちは、ライダーがオートバイを本格的に楽しめる“ピュア・モーターサイクリング”を提供することと、最新の技術を施しながらもレトロなオールドデザインにフォーカスしている」と、あくまでもブランドの基本コンセプトを貫く姿勢を見せつつも、「世界各国が低炭素社会、EV化に向けて懸命に取り組んでいる。当社としても経済的に採算が取れるのであればEVにも可能性を見い出していきたい」と将来の見通しも語った。

ヒマラヤの山道のような、どんな場所でも走り抜けることを目指したアドベンチャーモデル「Himalayan」
1960年代のカリフォルニアスタイルを継承したモダンクラシックロードスター「INTERCEPTOR」