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いよいよ開幕、スーパーフォーミュラ第1戦富士 JRP上野禎久取締役に見どころを聞く

スーパーフォーミュラを運営するJRPの上野禎久取締役に見どころを聞いた

スーパーフォーミュラ開幕

 4月3日~4日、モータースポーツシーズンの幕開けを告げるスーパーフォーミュラ第1戦富士が2日間にわたって富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催される。ここ数年は、鈴鹿2&4レースがスーパーフォーミュラの開幕戦となっていたが、鈴鹿2&4レースは4月24日~25日の第2戦としての開催となり、開幕戦は富士スピードウェイとなった。

 3月下旬に富士スピードウェイで行なわれたSUPER GT公式練習の際に、スーパーフォーミュラを運営するJRP(日本レースプロモーション)取締役 上野禎久氏をお見かけしたので、通常とは異なる形となった開幕戦富士の見どころを聞いてみた。

 上野取締役によると、やはり開幕戦富士の見どころは超高速のストレートバトルにあるという。かつて富士スピードウェイではスーパーフォーミュラとSUPER GTのレースが同じイベントで見られる「富士スプリントカップ」が開催されていたが、GTを見慣れていた観客に衝撃を与えていたのはスーパーフォーミュラマシンの圧倒的なストレートスピードの高さだ。

 当時から約10年となり、マシンも同じダラーラ製ながらSF14、SF19と2世代更新された最新車両となり、春の富士スピードウェイで速度の高さを体感できる。現時点で予選は晴れか曇り、決勝は曇りか雨という微妙な天気予報となっているが、ドライとウェットの2つの戦いが見られる可能性もある。

 上野取締役は、2021年シーズンのスーパーフォーミュラの面白さは高い戦略性にあるという。2020年シーズンのJAFGPでテスト導入されたオーバーテイクシステム作動時間の100秒から200秒への延長が全戦に導入された。「これまでの倍の時間、オーバーテイクシステムを使えるようになったことで、ドライバーの戦略の幅が広がります」といい、富士の長い直線でドライバーがどのように使うかも、富士における勝利のポイントとなるだろう。

 このオーバーテイクシステムは、エンジンに装備されている燃料リストリクターを活用し、一時的にパワーを上げるというもので、ドライバーがボタンを押すと燃料流量を10kg/h増加、パワーにして約60PS、10%の出力増が見込める。この10%のパワー差をどこでどのように使っていくかが、レースの駆け引きのなかで重要となる。前のクルマを抜くためにも使えるし、後ろのクルマに抜かされないためにも使える、その時間が200秒へと倍増された。

楽しみな若手の台頭

 さらに、上野取締役が強調したのが若手の台頭。立場上、特定のドライバーを推すわけではないとしながら、GTとダブルチャンピオンを獲得し連覇を狙う山本尚樹選手や、トップクラスの実力が証明されている平川亮選手に、大湯都史樹選手、福住仁嶺選手、宮田莉朋選手、阪口晴南選手らの若手がどのように挑んでいくのかも楽しみだという。

 実際、スーパーフォーミュラのWebサイトでは、大津弘樹選手をフィーチャーした 「人生で最大の”勝負の1年”」と題したコンテンツが公開されており、2021年シーズンにスーパーフォーミュラ正式デビューとなる大津弘樹選手をピックアップしている。

 上野取締役は、角田裕毅選手がF1で活躍していることは、同世代の選手の刺激になっていることは間違いないとし、今シーズンを通じての戦いや成長を楽しみにしてほしいという。