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シトロエン、サルーン・ステーションワゴン・SUVの3要素を兼ね備えた「C5 X」ワールドプレミア

2021年4月12日(現地時間) 発表

シトロエン「C5 X」のワールドプレミア。全周囲をカメラで監視する機能を説明しているところ

 ステランティスN.V.の傘下でフランスの自動車ブランドとなるシトロエンは4月12日(現地時間)にオンライン記者会見を行ない、新しいフラグシップカーとなる「C5 X」をワールドプレミアした。C5 Xは、サルーンとステーションワゴンを組み合わせた独創的なデザインを採用したSUVとなり、独創的で大胆なデザインを採用しているとシトロエン CEO ヴァンサン・コベ氏は説明した。

 シトロエンは今回のワールドプレミアで、そのデザインによってスペースなどに余裕があることを強調し、フロントのデザインに関してはC4で初めて導入されたLEDヘッドライトを利用したデザイン意匠を継承しているなどを説明した。

サルーンとステーションワゴンを組み合わせたデザインを採用し、余裕のあるラゲッジルームを実現

シトロエンCEO ヴァンサン・コベ氏

 シトロエンが行ななったオンライン会見では、シトロエン CEO ヴァンサン・コベ氏が登場し、同社の新しいフラグシップカーとなるC5 Xに関する説明が行なわれた。コベ氏は「われわれの新しいフラグシップとなる車両を発表したい。それがC5 Xだ。シトロエンはこれまで大胆さや独創的なことを常に追求してきた。今回のC5 Xはそれを新モデルという現実に落とし込んだ製品となる。また、これまでシトロエンが培ってきた技術のすべてが搭載されている」と述べ、C5 Xがシトロエンの新しいフラグシップカーとして、多数の新機能を搭載していると説明した。

シトロエン C5 X

 その中でも今回シトロエンが強調したのはそのデザインだ。ワールドプレミアではシトロエン プロダクト戦略ダイレクター ローランス・ハンセン氏、シトロエン デザインダイレクター ピエール・ルクレ氏の2人がデザインなどに関して説明した。

シトロエン プロダクト戦略ダイレクター ローランス・ハンセン氏
シトロエン デザインダイレクター ピエール・ルクレ氏

 ルクレ氏によれば、サルーンとステーションワゴンを組み合わせたような独創的なデザインを採用したSUVとなっており、ボディサイズは4805×1865×1485mm(全長×全幅×全高)。後部はステーションワゴンのようなデザインを採用することで、ラゲッジスペースは545Lの容量を持っていると強調された。なお、リアシートを倒すと最大1640Lの積載量を実現する。

サイズ
ラゲッジルームの容量は545L~1640L

 また、前面からのIDはC4で導入したLEDヘッドライトを利用したフロントマスクになっており、シトロエンを象徴するデザインになっていると説明した。

フロントマスクのデザイン

新開発のシトロエン・アドバンスド・アクティブサスペンションなどで快適な“フライングカーペット”の乗り心地を実現

コクピット

 シトロエンによれば、今回のC5 Xではシトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンションが標準で採用されているほか、プラグインハイブリッド仕様のC5 Xには新規開発されたシトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンションが採用されている。シトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンションは3つのモードから選ぶことが可能になっており、路面に応じてサスペンションが機能することで、コーナーにおいて効率のよいサスペンションの動きを実現する。これにより走行時には“フライングカーペット”(路面の上をまるで飛んでいるかのようなフィーリング)のようだとハンセン氏は説明した。

 さらにADAS(先進安全運転システム)の機能も充実。クルマの周囲360度をHDカメラで監視する機能を持っており、バードビュー(カメラで周囲を鳥の視点から見たような状態を画面に表示すること)の機能も用意されている。また、高速道路で状況に応じて自律的に走行する「アダプティブ・クルーズ・コントロール」が搭載されており、レベル2の自動運転機能が実現されていると説明された。

 パワーユニットに関しては会見中の説明がなかったが、プレスリリースによればプラグインハイブリッドモデルが用意されており、225HPを発揮する。ZEVモードでは50km以上の走行が可能で、最高速は135km/hに達する。こまめに充電を行なうことで、内燃機関を使わずに走り続けるという使い方も可能になっている。なお、完全EVの投入の可能性に関してコベCEOは「顧客のニーズ次第となるので、将来検討することはあり得る」と述べ、発表の段階ではプラグインハイブリッドだが、フルEVに関しては将来検討していくと説明した。

シート
キャビンサイズには余裕がある

 内装も大きな特徴になっており、今回新規に開発された12型HDディスプレイを採用したIVIがセンターコンソールに搭載されており、音声認識機能を利用してのコントロールが可能になっている。ハンセン氏によればIVIの特徴は「レスポンスが速く、簡単に使うことができ、さらにカスタマイズ性が高い」とのことで、従来よりも使い勝手が改善していると説明された。

12型HDディスプレイを採用したIVI

 また、シートに余裕があることも強調され、後部座席には大人が座っても238mmのクリアランスが確保されていると説明された。また、メーターまわりではHUD(ヘッドアップディスプレイ)も採用されていると説明された。

HUD